教育研究リーダー養成研修

国 語   社会   算数・数学   理 科   音 楽   図画工作   体育・保健体育
外国語   水 産   道 徳   総合的な学習の時間   特別活動   生徒指導
キャリア教育   学校保健   特別支援教育   学年経営   学級経営

国 語

自分の思いや考えを言葉で表現できる子の育成
−日直作文・一文スキルと国語科の作文指導を通して−
一宮市立今伊勢小学校 日 置 敏 雅
 文章にして自分の思いや考えを表現することは、国語の学習にとどまらず大切なことである。本研究では、書くことが楽しいと感じる教具の作成や、書いてみようという気持ちを高める教材の提示、無理なく基礎技能を身に付けさせる方法の工夫を行い、どの子も「自分の思いや考えを表現できる子」にしたいと考えて取り組んだ。その結果、書くことに対して自信がもてるようになり、自分の思いや考えを伝える楽しさを感じられる子が増えた。
国語の基礎・基本を身に付けながら楽しく学び、自分の考えを根拠をもって表現できる児童の育成
−ユニバーサルデザインを取り入れた授業づくりを通して−
一宮市立西成東小学校 荒 川  央
 授業のユニバーサルデザインを取り入れて、全員が楽しく「分かる・できる」国語の授業づくりを4年生の1学期と2学期の二つの説明文の学習において行った。教材文を「教材化」し、ねらいや活動を焦点化したり、児童の知的好奇心をくすぐるような「しかけ」をつくって、授業を視覚化したり、話し合い活動を組織化し、児童の考えを共有させたりした結果、説明文を論理的に読む方法を身に付けながら、楽しく学ぶ児童が増えてきた。また、自分の意見を根拠を示しながら表現できる児童の姿も見られるようになった。
伝統的な言語文化に親しむ児童の育成を目指した国語科指導の工夫
−俳句や地域オリジナルかるた作りの授業を通して−
蟹江町立蟹江小学校 辻  麻 希
 国語において、地域や日本の伝統、文化に対する理解を深め、郷土への誇りと愛着をもち、自らの思いや考えを豊かに表現することができる児童の育成を目指し、本研究を進めてきた。俳句や短歌、百人一首などの教材との出会いを工夫し、繰り返し音読や暗唱に取り組むことで、言葉のリズムや響きを楽しく味わわせることができた。さらに、秋の俳句やオリジナル地域かるた作りなどの創作活動に取り組み、児童同士の学び合いの中で表現を推考させることで、言語感覚を豊かにし、児童の表現力を向上させることができることも分かった。
根拠を明確にし、分かりやすく伝える文章を書くことができる生徒の育成
−行事との関連を図った文章の作成を通して−
田原市立田原中学校 本 田 充 弘
 書くことに苦手意識をもっている生徒の多くは、何をどのように書いたらいいのかが分からないということから、本研究では、具体的に伝えるための「言葉」について意識させ、互いに文章や言葉を吟味させながら、気持ちや考えが相手に伝わりやすい表現の仕方や、言葉を考える力を身に付けてほしいと考えた。生徒は、読み手を意識し、敬体の文章や吟味した言葉で事実をしっかりと伝えることができるようになった。また、友達との交流を通して、友達の言葉や文章の構成の工夫に気付き、自分の文章にも生かすことができた。
思考力を育成するための古典指導の工夫
−和歌の指導を通して−
愛知県立半田高等学校 鈴 木  豊
 本研究は、全日制課程普通科の高校1年生を対象として、古典の学習を通じて思考力を育成することを目指したものである。「伊勢物語」を教材として、「作中の和歌を現代短歌にリライトするという活動を行えば、思考力がつくであろう」という仮説に基づき、俵万智の実例を参考に「筒井筒」中の和歌三首を現代短歌にし、相互評価や自己評価を行った。その結果、生徒は、登場人物の心情などをより深く考えることができるようになった。
  

社 会

考えを表現する力を育てる社会科の防災学習
−パフォーマンス評価の導入を通して−
知立市立八ツ田小学校 大 山 和 則
 学校行事の防災宿泊訓練と関連させ、社会科における思考・判断・表現力の育成を目指した。本研究では、社会科「自然災害からみんなの命を守るには?」の学習において、「パフォーマンス評価を導入すれば、児童は、自分の考えを表現することができるであろう」という仮説に基づいて実践を試みた。その結果、友達と考えを伝え合い、深め合いながら、パフォーマンス課題の解決を目指す児童の姿が見られた。また、自然災害と地形や気候との関連、提案する備えのよさや具体例を述べた防災新聞を完成させ、地域に発信するという成果が得られた。
仲間と関わりながら問題を解決し、地域社会へ貢献しようとする子の育成
−地域資料から昔の人々の思いに共感する歴史学習−
みよし市立南部小学校 森 田 幸一郎
 本研究は地域資料を題材とした問題解決型の授業実践である。学区にある石碑から子どもたちに「石碑で人々は何を伝えたかったのだろう」という共通の問題意識をもたせた。さらに地域出身の人物を取り上げ、その人物の人生と当時の出来事を並行させて学習を進めた。子どもたちは、次第にその人物に感情移入していき、その人物の気持ちに共感し、地域に愛着をもつようになっていった。またペア学習やグループ学習を取り入れたことで、子どもたちが互いに認め合い、自信をもって発表する様子が見られた。
目的意識をもって繰り返し人と関わる中で、 自分の考えを拡げていく子どもの育成
−5年社会科「八南の米作り」における地元農家との関わりを通して−
豊川市立八南小学校 野 沢 和 代
 社会科の問題解決学習に対して苦手意識をもつ子どもたちが、自分の課題を明確にすることで目的意識をもって課題を追究し、友達や米づくり農家の人々と繰り返し関わることで自分の考えを拡げていくことができると考えた。本研究では仮説に基づき、KJ法を活用しながらグループ活動を繰り返し行ったり、米づくり農家の人々の思いに迫る授業を取り入れたりした。その結果、進んで課題を追究する姿や、多様な意見から新たな視点を得て、自分の考えを拡げていく姿が見られるようになった。
課題に対して考えをもち、自分の言葉で語れる生徒を育てる社会科学習
−基礎的な知識の習得と活用課題の設定を通して−
春日井市立東部中学校 石 原 浩 一
 社会科の学習を通して考える力を高め、考えを自分の言葉で語れる生徒を育てたいと考えた。そこで本研究では、仮説「社会科の授業において、基礎的な知識を十分に身に付けたうえで、活用課題に繰り返し取り組めば、考える力を高め、考えを自分の言葉で語れるようになるであろう」を設定し「フラッシュ型教材」「学びをペアで説明」「活用課題」「考えを語る場の設定」の手だてを講じた。その結果、生徒の基礎的な知識の習得に向上が見られた。さらには、考える力だけでなく考えたことを自分の言葉で語る力を高めることができた。
友達と関わり合いながら意欲的に追究活動を行い、学ぶ喜びを味わうことで、新たな探究心を喚起できる生徒の育成
−1年歴史「すべての幕府は、愛知県から始まったのか?」の実践を通して−
刈谷市立雁が音中学校 上 田 和 馬
 生徒の「探究心」に沿った追究活動で、「分かった」という「学ぶ喜び」を味わわせ、生徒の「次はこれを調べてみたい」という「新たな探究心」を喚起したいと考えた。  本研究では、「生徒は探究心に沿った課題に対して追究活動を行い、学ぶ喜びを味わうことで、新たな探究心を自ら喚起できるだろう」という仮説に基づいて実践を試みた。生徒は「すべての幕府は愛知県から始まったのか」を室町幕府の成立を取り上げて追究し、学ぶ喜びを味わい、足利一族のその後について新たな探究心を喚起することができた。
学習の振り返りを繰り返し、学びを楽しむ生徒の育成
−中学校2年社会科「産業から学ぶ中部地方」の学習を通して−
安城市立安城北中学校 深 津 景 子
 本学級の生徒は、自己肯定感が低く、学習に対しても積極的になれずにいる傾向が見られた。そこで、中学校2年地理単元「産業から学ぶ中部地方」における実践を通して、自己肯定感を高め、学びを楽しむ生徒の育成を目指した。学習に積極的に取り組むことができるよう、単元の導入や話し合い活動を工夫し、自他を認め、自己肯定感を高めるため「ふりかえり貯金」の活動に取り組んだ。友達との関わりを通して、生徒は自己肯定感を高め、もっと学びたいという学びを楽しむ姿が見られるようになった。
  

算数・数学

分かる喜びを味わい、意欲的に学習に取り組む児童の育成
−基礎的・基本的な学力の定着と、分かる算数科授業を通して−
東海市立明倫小学校 鈴 木  愛
 算数科の学習において「分かる喜びを味わわせる」授業を展開することにより、意欲的に学習に取り組むことができるようになると考えた。本研究では、授業において見通しをもって自力解決をした後、ペアでの伝え合いを通して自分の考えをより明確なものとする実践を試みた。その結果、ペア活動や発表の場で疑問や不安を解消し、課題解決に至ることができるようになった。また、学習意欲や思考を支える計算力の定着を図る取組も全校体制で実践し、計算力の伸びが見られた。
関わり高め合う授業を通して、ともに学び合う生徒の育成
−数学科2年「一次関数」を通して−
小牧市立応時中学校 佐 藤 史 洋
 授業において個別、グループ、全体という3つの場面を設定した。個別では「全員が学習課題に疑問を見つけ解決しようとする」、グループでは「仲間と分かるところと分からないところを明確にする」、全体では「仲間の発表を聞いて、自分の考えとつなげていける」生徒の育成を目指して研究に当たった。学習課題を身近な事象から設定し、生徒がグループや全体で対象・自分・仲間と関わり高め合う授業を展開した。その結果、仲間と互いに高め合い、学び合う姿が見られた。
関わりを通して課題解決でき、楽しさを味わえる生徒の育成
−ペアやグループ学習を取り入れた中1数学科「変化と対応」の実践を通して−
幸田町立幸田中学校 鈴 木 祥 之
 数学の授業で、関わる場として目的を明確にしたペアやグループ学習を考えた。その目的を生徒に伝え、授業の中で意図的に取り入れた。生活体験や既習事項から自分なりに考えをもてるように工夫した教材を活用した。そして生徒同士が考えをもって関わり合うことが課題解決につながり、授業の楽しさを実感することを期待し、実践を行なった。その結果、取り入れた教材に興味をもてた生徒は多く、学習意欲の継続と向上に有効であった。また授業の中で、自然にペア学習ができ、グループ学習を楽しみにする生徒の姿も何度も見ることができた。
数学的活動を生かし、思考力・判断力・表現力を育む授業づくり
−中学3年「√ってなんだ?(平方根)」の実践を通して−
蒲郡市立西浦中学校 森 田 昌 仁
 数学科の学習において、新たな課題に対して意欲をもって取り組み、既習事項をよりどころとして、自分なりの考えを組み立て、説明することができる生徒の育成を目指した。本研究では、生徒が電卓での近似値計算や正方形の紙片の操作活動などの数学的活動を生かし、√を使った数の計算法則を導いたり、その意味を説明したりすることができるようになることを目指した。その結果、生徒は、√を使った数の加法の意味を正方形の面積を用いて説明でき、更に文字式の説明もできるようになった。
数学の学習における自主的態度の育成
−「軌跡と領域」における最適化問題、「対数」を利用したフラクタルの考察を通して−
愛知県立千種高等学校 花 里 真 吾
 数学の学習において、授業中はよく考えているが、授業外においては学習の優先順位が下がってしまう生徒は多い。これらの生徒においても、数学がもつ社会や自然への有用性を実感することで、数学の学習が内発的に動機付けられれば、数学の学習が自主的に行われると考えられる。このことから、数学の有用性を実感させることを目的として、社会および自然と関わりの深い問題を設定し、ジグソー法を用いたグループワークを複数回実施した。その結果、数学の学習に対する興味・関心の高まりが見られた。
数学における基礎・基本の定着
−つまずきの把握と週末課題の活用を通して−
愛知県立足助高等学校 草 野 起 義
 「高等学校学習指導要領解説 数学編」では、基礎的・基本的な知識・技能を確実に身に付けることを重要視している。そこで本研究では、数学を不得手とする生徒が多いという本校の現状を踏まえ、高等学校数学における基礎・基本を定着させることを目標とした。具体的には、週末課題と小テストを関連付け、やり直しプリント、ノートチェック、自己評価シートを活用することで基礎・基本の定着を図る実践を試みた。その結果、授業に対する意欲の高まりや基礎・基本の定着率の上昇などの成果が得られた。

理 科

自分の思いを伝え、考えを深める児童の育成
−話し合い活動を取り入れた授業を通して−
一宮市立大和南小学校 鈴 木 研 人
 生きる力を育む基盤の一つとなるのがコミュニケーション能力である。本研究では、「自分の思いを伝え、考えを深める児童の育成」をねらいとし、話し合い活動の在り方について考えた。まず、声を出す楽しさを味わわせ、発表に対する自信をもたせた。次に、「話す・聞く」のスキルを習得させた。話し合い活動においては、身に付けた スキルを活用し、根拠や立場を明確にした上で意見交換をさせた。その結果、自分の考えを意欲的に発言し、他の児童の考え方のよさに気付き、自分の考えを深める児童の姿が見られるようになった。
クリティカルシンキングの素地を育み,個の科学的思考力を高める理科学習
−小学4年「噴き上がれ,My噴水」の実践を通して−
豊橋市立高師小学校 鈴 木 進太郎
 本研究は科学的な思考を育むために、クリティカルシンキングの素地を育むという視点を取り入れた。実験や関わり合いで得た情報を基に、自他の考えを建設的に批判する活動を通して、根拠を明確にした最も妥当な考えを獲得していくことを目指した。空気と水を温めた時の体積変化の特徴を利用した噴水実験を行い「なぜ水が噴き出すのか」という疑問を基に、問題解決的に学習を進めた。一人一実験や実験グループ構成の工夫といった手だてを講じた結果、科学的思考力を高めることができた。
身近な事物・事象に興味をもって科学を見つめる生徒を育成する理科教育
−中学2年電流と磁界 教材・導入の工夫を通して−
津島市立暁中学校 吉 田 光 男
 本研究では、教材や導入の工夫を通して、身近な事物・事象の中から、不思議さや疑問を見いだし、意欲的に問題解決をすることができる生徒の育成を目指した。導入では、疑問をもたせるための教材を提示した。また、理科の学習と日常生活との関連を図るため、電化製品が引き起こす事象は、電磁誘導などの学習した内容が利用されていることを確認するため、実際の生活の場にある身近な教材を活用する工夫を行った。その結果、自らの力で問題を解決することができ、生徒に理科を学ぶことの意義や有用性を実感させることができた。
探究心を育む理科教育の実践的研究
愛知県立春日井西高等学校 西 尾 佑 子
 原理・法則を深く学び、探究心をもって取り組める生徒を育てたいと考え実践的研究を行った。「目標を意識して授業を受け、その目標を達成できれば原理・法則を深く考える力を身に付けることができる」「実験方法を考える議論を通して、自分の考えを表現できれば科学的思考力と表現力を高めることができる」という仮説を立て実践を試みた。その結果、生徒は授業の重要な点が分かり自分の理解度がどの程度であるかを認識することができた。また、実験を進める中で自分の考えを積極的に表現し、論理的に物事を考えることができた。
森林と人間生活とのつながりを考える授業
−生態系サービスの価値を身近な例から学ぶ−
愛知県立西尾高等学校 榎 本 千 賀
 日本では放置されてきた森林を見直そうとする動きがある。生物の「森林」を扱う授業において、生徒が自分の生活と森林との間に関わりを見いだし、森林生態系サービスを持続利用するには何が必要かを考え、行動する意識がもてるようにしたい。本研究では、「教科書には書かれていない「身近な話」が生徒の興味を引き学習の動機付けになる」という仮説に基づいて、「地域の山」や「森林を利用する身近な人々」を題材として森林学習を進めた。学習を通して森林利用について積極的に学ぼうとする様子が見られた。

音 楽

音楽表現のよさを伝え合い、高め合う子どもの育成
−5年音楽科「日本と世界の音楽に親しもう」の実践を通して−
西尾市立三和小学校 磯 貝 三保子
 音楽において、一人一人が思いをもって表現することは、とても大切である。本学級の子どもたちは、一生懸命歌ったり楽器を演奏したりする姿は見られるが、一人一人が音楽のよさを感じ取り、思いや意図をもって表現をするという点が弱い。本研究では、教材との出会わせ方やワークシートの工夫、友達との交流といった互いを高め合うための手だてを試みた。その結果、一人一人が音楽づくりに主体的に取り組み、音楽表現から自分が感じ取ったことを言葉で伝え合い、表現をよりよいものにしようとすることができた。
  

   
図画工作

想像力を働かせて発想し、意欲的に表現しようとする子の育成
−図画工作科「発見! 鳳来中部小の精霊たち」の実践を通して−
新城市立鳳来中部小学校 鈴 木 幹 也
 図画工作において、目指す子ども像を「想像力を働かせて発想し、意欲的に表現しようとする子」として研究に取り組んだ。 本研究では、「より想像力を働かせられ、意欲的に活動させられる授業のポイント」を、児童に身近で魅力を感じられる題材による、造形遊び等を通して、五感を働かせたり、イメージを言語化したりする活動とした。実践を通して、児童は、想像力を働かせながら、意欲的に活動に取り組む児童の姿が見られた。

体育・保健体育

仲間とともにできる喜びを味わい、運動の楽しさが実感できる授業を目指して
−1年生 ボール運動の実践を通して−
清須市立清洲東小学校 林  正 俊
 ボール運動の学習を通して、仲間とともに活動するよさを感じたり、できる喜びを味わったりして、運動の楽しさを実感できる授業を目指して研究を行った。本研究では、「基本的な体の動かし方や技能を身に付ける工夫」「さまざまな場面での人との関わり」という2つの仮説に基づいて実践を試みた。技能ポイントを示すとともに、学習の場やゲームの工夫をしたり、グループ学習を行ったりした。その結果、仲間との一体感や自己有用感が得られたり、達成感や技能の高まりを感じたりして、多くの児童が運動の楽しさを実感することができた。
人から学びたい、人に伝えたいと本気で思える生徒の育成を目指して
−向上心を刺激するハンドボールの授業を通して−
江南市立布袋中学校 外 村 浩 二
 人間関係が希薄になりつつある現代の子どもたち。このような社会環境だからこそ、教師主導の授業から脱却し、生徒同士の関わり合いを大切にした授業を展開していくことにより、仲間から学び、仲間に教え、ともに成長できる生徒を育てたい。本研究では、技能習得の視点をもたせ、生徒の関わり合いを大切にする実践を通して、学び合いが活発になり、「人から学びたい」「人に伝えたい」という姿勢が見られるようになった。また、学び合いを意識して行うことができる生徒の割合が増加するという成果が得られた。
仲間と意欲的に活動し、学び合い高め合える生徒の育成
−1年生器械運動(マット運動)における集団マットの実践を通して−
瀬戸市立水無瀬中学校 川 本  聰
 保健体育科において、「仲間と積極的に関わり、高め合う生徒」や「主体的に運動を行う生徒」の育成を目指し、体つくり運動の実践を行った。本研究では「仲間と関わる場を設定すれば、互いに高め合い,楽しく運動することができるだろう」と「基本的な運動の習得を工夫をすれば、主体的に運動することができるだろう」という仮説を立て実践をした。「集団演技の導入」「視聴覚機器の利用」「基本運動のドリル化」「技のポイントが分かる資料の提示」という手だてを講じたところ、仲間と積極的に関わる姿が多く見られた。

外国語

3年間を見通した英語による「発信力」の育成
−論理的に表現し,伝え合う活動構成を通して−
愛知県立岡崎北高等学校 広 瀬 八重子
 本校では、英語による「発信力」の向上を目指し、2年次で「英語スピーチ」、3年次で「英語ディベート」に英語科全体で取り組んでいる。本研究では、1年次での基礎的な発信力の育成を目指し、英語表現Tにおけるグループ・ワークと、自己表現活動のルーブリック(評価基準表)による評価・フィードバックを行った。その結果、グループ・ワークの成果や英作文の量的・質的変容から、意見や感想を即興で述べ、質疑応答や話し合いをする意欲や、意見を論理的に表現する力の向上が確認できた。また、教員間で評価基準の共有を図ることもできた。
自分の考えを積極的に伝え合うことができる生徒の育成
−英語による言語活動を中心とした段階的指導を通して−
愛知県立成章高等学校 谷 中 美奈子
 授業を実際のコミュニケーションの場面とし、本研究でのさまざまな形の言語活動を段階的に取り入れることで、生徒が積極的に自分の意見を話したり相手の意見を聞いたりできるようになることを目標とした。第2学年普通科のコミュニケーション英語Uでの授業実践では、生徒は話したり聞いたりすることに徐々に慣れ、積極的にコミュニケーションを図ろうとする生徒の姿が見られた。また、今後の課題として、語彙力と発想力の強化、生徒の使用する英語の正確さを考慮した言語活動の質の向上という目標ができた。

水 産

教え学び合う活動を通じて技能を高め,水産への興味・関心を高める学習指導
−「カッター・ロープワーク実習」における実践を通して−
愛知県立三谷水産高等学校 長谷川  貢
 科目「水産海洋基礎」において「意欲的に実習に取り組み技能を高め、その高まりを実感し、水産に興味・関心をもって、憧憬の念を抱くことのできる生徒」の育成を目指して本研究に取り組んだ。「カッター実習で声かけの重要性を認識する」「ロープワーク実習で互いに学び合う」ことができれば技能を高めることができ、水産への興味・関心もさらに高くなるであろうという仮説に基づいて実践を試みた。本実践の結果、生徒自身が技能の高まりを実感し、その後の実習に意欲的に取り組む姿が見られた。

道 徳

よりよく生きようとする心を育む道徳授業の実践
−日々の生活や特別活動とのつながりを意識して−
阿久比町立英比小学校 岩 瀬 佳 世
 道徳的実践力を高めるため、日々の生活や特別活動とのつながりを意識した道徳授業の実践を行った。道徳の授業後にはよりよく生きるための話し合いの結果から内容項目を取捨選択し、次時の資料選択を行った。多様な考えを出させるために、机の配置やハンドサイン、名前カードの提示を工夫したり、全員発言を促すために、考える場面で全員一度起立させ、考えがまとまったら着席させる場面を作ったりした。多様な考えに触れさせたことで、意識の変容が見られ、かつ、普段の生活にもよりよく生きようとする姿が見られた。
友達力の向上を目指す道徳教育
−モラルスキルトレーニングの実践を通して−
豊明市立豊明中学校 近 藤  潤
 心で理解していても行動することができない生徒が多い。そこで、「道徳的判断ができ、実践することができる生徒」「他者を思いやり、よりよいコミュニケーションを図ろうとする生徒」を目指す生徒像とした。本研究では、行事や学級活動の場で体験的な活動をさせたり、道徳でモラルスキルトレーニングを取り入れたりすれば、実践力や友達力(友達とよりよい関係を築く能力)の向上につながるという仮説に基づいて実践を試みた。その結果、友達関係の絆もより深まり、学校生活もより一層楽しくなったという成果を得ることができた。

総合的な学習の時間

情報社会の特性を理解し、進んで情報モラルを守ろうとする児童の育成
−学校と家庭との連携を意識した情報モラルの授業を通して−
稲沢市立稲沢東小学校 北 林 重 幸
 本研究では、情報通信ネットワークに潜む危険性を理解し、進んで情報モラルを守ろうとする児童の育成を目指した。子どもたちの情報通信ネットワークにおける実態を把握した上で、身近な事例を取り上げたり、実態に即した教育用コンテンツを活用させたりするなど授業を工夫した。また、主体的に取り組めるよう自分たちの手でガイドラインをつくる活動も取り入れた。家庭を巻き込みながら進めてきた結果、児童は情報通信ネットワークに潜む危険性に気付くとともに、学んだ知識を日常生活に生かそうとする意識を高めることができた。

特別活動

自己肯定感・自己有用感を高め、主体的に活動する児童の育成
−互いのよさを伝え合い、認め合う活動を通して−
武豊町立衣浦小学校 田 村 悦 子
 小学校を卒業し、中学校に進学する児童一人一人が、「将来に夢や希望をもって主体的に生活してほしい」「自分に自信をもって生きていってほしい」と考え、目指す児童像を「自己肯定感・自己有用感を高め、主体的に活動する児童」とした。本研究では、「学校行事や日常の学級活動において、互いのよさを伝え合い認め合う場を設定すれば、児童の自己肯定感・自己有用感が高まり、主体的に活動することができるだろう」という仮説に基づいて実践を試みた。その結果、児童が目標に向かって前向きに生活しようとする意欲が高まった。
クラス全体の主体性や協調性を育てる工夫
−学校行事やホームルーム活動を活用した取組−
愛知県立一宮北高等学校 坪 内 弘 尚
 主体性や協調性をもって学校行事に取り組むことができる生徒を育てるためには、コミュニケーション能力を高める必要があると考え、学校行事「文化発表会」及び「合唱コンクール」を活用し、ホームルーム活動に「グループワーク」や「ワークシート」を取り入れた実践を行った。生徒間でコミュニケーションをとる場面や共同作業をする場面を繰り返し設定することが、生徒の主体性や協調性を育てることにつながることが分かった。
自主性を高める生徒会活動の実践
−学校祭における新たな取組を通じて−
愛知県立津島北高等学校 西 尾  明
 本校には、素直で大人しく、真面目な生徒が多い。そこで、学校祭において、生徒が自ら考え行動できる主体的な活動の場を増やし、成功体験を得させることにより、生徒に自信をもたせ、自主的な行動につなげたいと考えた。本研究では、会議の運営改善や学校祭実行委員の募集、新たな企画の考案など学校祭におけるさまざまな取組により、全校生徒に与える影響や変容について調査した。その結果、生徒は充実感や達成感が得られ、意欲的に活動する姿が見られた。


生徒指導

互いの個性を尊重できる生徒の育成
−3ゼロ(いじめ0、不登校生徒0、問題行動0)を目指したピア・サポートの実践を通して−
岩倉市立南部中学校 坂 倉 功 一
 全校生徒を対象とした人間関係づくりアンケートの結果、平成26年度版子ども・若者白書の報告と同様、自己を肯定的に捉えている生徒の割合が低いことが明らかとなった。自己肯定感を高め、互いの個性を尊重できる生徒の育成を目指し、本研究では、「有志による活動」「学級経営」「道徳・特別活動」を軸とし、継続的・計画的にピア・サポートや構成的グループエンカウンターに取り組んだ。ロールプレイなどの体験活動を通して、友達と良好な人間関係を築くための関わり方を学び、互いの個性を尊重する姿勢の基盤をつくることができた。
相手の気持ちを考えて主体的に行動できる生徒の育成
−生徒の意識を高める3つの取組を通して−
大府市立大府北中学校 岡 ア 大 輔
 本研究では,生徒指導的な3つの取組を通して、相手の気持ちを考えて主体的に行動できる生徒を育成することをねらいとした。学年集会等で問題提起し、学級活動の話し合いによって意識を共有させ、生徒主体の活動につなげる一連の取組によって、生徒のマナーに対する意識の向上が見られた。また、学年集会にゲストティーチャーを招いたり、給食の時間に学級委員会を開催したり、生徒の手でガイドラインを作成したりするなど工夫して取り組むことで、生徒に切実感をもたせ主体的な行動に結び付けることができた。


キャリア教育

自己指導能力の備わった生徒の育成を目指して
−生徒指導の機能を生かした進路指導を通して−
長久手市立長久手中学校 加 藤  良
 「自己指導能力の備わった生徒」を育成することは、進路指導において重要である。本研究では、「『自己決定の場』『自己存在感』『共感的人間関係』の生徒指導の3機能を作用させれば、自己指導能力が備わるであろう」という仮説に基づいて実践を試みた。結果、上級学校見学・体験、保護者会ロールプレイング、進路教育相談、school life(交換日記)に工夫を重ねることで、自己指導能力の備わった生徒を育成することができた。
キャリア教育の効果的な指導の研究
−諸行事における基礎的・汎用的能力の育成を通して−
愛知県立知多翔洋高等学校 杉 江 郁 秀
 本研究では、これまでキャリア教育と位置付けてきた実践に加え、文化祭などの学校行事もキャリア教育の視点で捉え直し、「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」を伸ばしたい能力として設定した。それらを生徒に意識させることで、意欲的に努力し、その後の意識や活動に変化が見られるのではないかとの仮説に基づき実践を試みた。この取組により生徒の意識や活動に変化が見られた。また、生徒が課題意識をもつ傾向も確認することができた。今後これらを本校における意図的、継続的なキャリア教育の推進につなげたい。
普通科進学校におけるキャリア自己効力感を高める指導の在り方
−言語活動の充実を重視したキャリア教育を通して−
愛知県立知立東高等学校 磯 貝 大 輔
 高校生が将来設計に積極的に取り組むためには、「他者とのコミュニケーション」と「自分の意志による目標選択や将来設計」に対する自己効力感を高めることが必要である。この二者を合わせたものを「キャリア自己効力感」とし、これを高めるため、キャリア教育に関わる「総合的な学習の時間」での言語活動を充実させ、相互交流による価値観の多様化を図った。実践の結果、生徒は意思伝達や他者受容、協働性に対する自信を高めることができたが、職業選択や将来設計に対する自己効力感の向上については課題が残った。


学校保健

心身のセルフチェックを利用した生徒の安心感を高める試み
−自らの健康を見つめる場面づくりと生徒を見守るサポート体制の充実−
愛知県立瀬戸西高等学校 藤 村 みどり
 自らの健康に関心をもち、学校で安心して活動できる生徒を育てるために、心身の健康度を測るセルフチェックを行い、自らの健康を見つめる場面を設定した。あわせて、生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、各種調査結果を活用し、生徒を見守るサポート体制の充実を図った。その結果、自らの健康に関心をもつ生徒は増えた。しかし、具体的にどう行動したらよいのか理解できていない生徒も多く、生徒や教職員に情報を還元する方法について考えていく必要性を認識できた。

特別支援教育

コミュニケーションのスキルの獲得を目指した聾学校小学部のキャリア教育
−「グッドワード、バッドワードを考えよう」の実践を通して−
愛知県立千種聾学校 井 手 亮 介
 本研究では、聾学校小学部におけるキャリア教育の一環として、自立に向けて、相手の気持ちを考えたコミュニケーションのスキルを身に付けている児童の育成を目指した。学校生活において、グッドワード(聞き手が気持ちのよい言葉)、バッドワード(聞き手が嫌な気持ちになる言葉)を日常的に意識させ、振り返りの機会を設けることで、相手の気持ちを考えたコミュニケーションのスキルを高めることをねらった。成果として、多くの児童がコミュニケーションのとり方への意識を高めることができた。
自立活動に関する支援と評価を生かした授業づくり
−図画工作科における支援と評価を通して−
一宮東特別支援学校 仲 村 真 司
 本研究では、本校において教育活動全体を通して行われる自立活動の指導を、図画工作科の授業実践を通して検証した。そこで、自立活動の目標や内容を取り入れた授業シートを作成し、図画工作科の時間における自立活動の指導を明確にするための授業検証を行った。その結果、対象児の自立活動の目標に対する行動に変容が見られ、図画工作の授業としての成果も上げることができた。今後は国語科や算数科等の教科でも同様に、自立活動を意識した授業づくりを課題にしたい。
依頼やお礼を自ら伝えられる生徒の育成
−国語科、生活単元学習におけるICTを活用した指導・支援を通して−
愛知県立春日台特別支援学校 渡 邊 博 士
 特別支援学校の生徒にとって、社会と関わり支援を受けながら生活していく上で、依頼やお礼をきちんと伝えられることは適切な人間関係を形成していくため大切である。 本研究では「ICF整理シート」「7つのキーポイント」を活用して生徒のアセスメントを行い、国語科では電子黒板やタブレット端末を活用して依頼やお礼に関する言葉の理解を促し、礼状や依頼状を書く活動を指導・支援した。そして、生活単元学習においてお礼・依頼を伝える活動を実践的に行い、定着を図った結果、依頼やお礼を学校生活で生徒が自らできるようになった。
児童の主体的な活動を育む授業実践
−意欲をもって取り組める自立活動としての給食指導と朝の会を通して−
愛知県立名古屋特別支援学校 清 水 智 浩
 表出言語や表現の少ない重度重複障害児にとって、自発的に訴えたり、行動で表したりすることは、生活を豊かにするとともに、将来必要になるスキルの一つとなる。本研究では、児童の様子を客観的に分析することで、児童が意欲をもって取り組み、自発的な表出言語や表現を引き出す効果的な授業を目指した。その結果、自分の気持ちを相手に伝わるように表現したり、活動しようとしたりする姿が見られるようになってきた。
肢体不自由特別支援学校におけるキャリア教育の充実
−肢体不自由児童の作業を取り入れた学習を通じて−
愛知県立小牧特別支援学校 夫 馬 桂一郎
 本校でのキャリア教育は、自己の役割を理解し、あきらめることなく最後までやり遂げる力を育てることを目指している。肢体不自由児を対象とした作業的な学習を通じて、これらの力を伸ばすためのキャリア教育の実践的研究を行った。一人一人の児童の実態に応じて必要な支援を行うことで、児童は自己の力を発揮し、最後まで課題に取り組むことができた。

学年経営

校務の情報化と教員のICTスキルの向上
−校務支援システムの導入・活用と校内研修で業務の効率化を図る−
愛知県立岩倉総合高等学校 成 本 直 樹
 学校現場では、校務の多忙化解消やICTスキルの向上などが課題となっている。そこで、データベースが一元化された校務支援システムを導入・活用することやICTスキル向上研修を行うことで、校務を効率化する研究を行った。単なる時間の短縮にとどまらず、ミスが少なくなる仕組みづくりや教員のセキュリティ意識の向上、さらに、パソコン操作に対する意識に変化が見られ、精神的なゆとりも生み出すことができた。その結果、生徒と向き合う時間をより多く確保することができるようになった。


学級経営

生徒自治を目指す学級経営の在り方
−級訓の三本柱を核とした学級活動を通して−
高浜市立南中学校 日比野 隆 明
 生徒自治を推進するには、正しい学級活動を行う必要がある。学級活動は、自ら課題を発見したり、仲間と協力しながら課題を解決しようとしたりしながら、自分の所属している集団をよりよくしようとする生徒を育てることである。 本研究では、さまざまな学級活動の中でも、特に、学級会を行うことによって生徒自治が推進できるという仮説の下、実践を試みた。開催のタイミングを工夫し、継続して学級会等の取組を行った結果、生徒の自治に対する意識の変化を確認することができた。