教育研究リーダー養成研修

国 語   社 会   算数・数学   理 科   美 術   体育・保健体育
道 徳   特別活動   学級経営   生徒指導   キャリア教育
学力向上   学年経営   ESD   自立活動   部活動

国 語

自らの読みを深め,伝え,互いに関わり合う子の育成
―「しかける音読」で自分の考えをもつ国語学習を通して―
西尾市立福地南部小学校  橋 かおり
 物語文において音読の工夫を手だてに「登場人物の気持ちを理解する」「音読で登場人物の気持ちを表現する」という本校の授業スタイルを再構築し,自らの読みを深め,伝え,互いに関わり合える子どもを育てたいと考えた。
 「『しかける音読』を核に,読み取りを確かなものにする工夫を通して自らの読みを深めさせること,言語環境を整え,表現力を高める工夫をすることで互いに関わり合う子を育成することができるであろう」という仮説に基づいて実践を試みた。新たな知識を得ることの喜びを知り,言葉にこだわって関わり合う姿が見られた。
「できた」「わかった」を実感できる授業づくり
−友達の考えに気付き,自分の考えを深めながら学び合う活動を通して−
豊川市立国府小学校 磯 江 麻衣子
 国語科において,「できた」「わかった」を実感できる授業づくりのために,友達と学び合い,学んだことを振り返るという活動が充実すれば,子どもは「できた」「わかった」を実感して自信をもつことができるだろうと考えた。「学習の見通しをもたせる目当て」「考えを交流するペア活動」「問題を共有する全体での学び合い」「自分の学びの振り返り」という手だてを講じて実践を試みた。その結果,友達の考えに気付き,自分の考えを深めながら学び合う活動を通して「できた」「わかった」を実感する児童が増えた。
読み手として自立する子どもの育成を目指して
−「作品の心」を受け取る小学校6年「海のいのち」の実践から−
豊根村立豊根小学校 伊 藤 綾 美
 多くの子どもが物語を読むとき,「○○(登場人物)が△△したので□□だと思った」という素直で素朴な感想をもつ。本研究は,子どもが文学的な文章の読解に当たり,物語の「語り手」の存在や「読み手」である自分の存在を意識して読むことを願って取り組んだものである。冒頭のような表現を「感想」としていた児童Aが,「海のいのち」を丁寧に読み深めながら,「作品の心」を受け取るという実践を通して,読み方を身に付け,読み手として自立し,日常の読書活動の中でも「○○を読んで,△△を学んだ」と表現するような変容が見られた。
主体的に学ぶ力を育成する高等学校国語科現代文の指導
−アクティブ・ラーニングの実践−
愛知県立大府高等学校 杉 山 貴 一
 本研究は,全日制課程普通科の高等学校2年生を対象として,現代文の学習を通じて主体的に学ぶ力を育成することを目指したものである。「『内的成長』社会へ」(数研出版『現代文B』)を教材として,「アクティブ・ラーニングの視点を用いた授業改善を行えば,主体的に学ぶ力を育成することができるであろう」「主体的に学ぶことができれば,学力も向上するであろう」という仮説に基づき授業実践を行った。その結果,生徒は文章を的確に理解し,文章テーマに関して自分の考えをより深めることができるようになった。

社 会

資料から必要な情報を選定し,自分の思考を整理して表現できる子を育成する社会科学習
−問題解決型の学習と資料活用トレーニングを通して−
大口町立大口北小学校 小 澤   敬
 社会科の学習を通して,資料から必要な情報を選定し,自分の思考を整理して表現できる子を育てたいと考えた。本研究では,児童が興味をもつ題材や追究したくなる課題の設定と資料活用のトレーニングを行うことで,目指す子ども像に迫れるように実践を行った。
 その結果,学習問題を解決しようとする児童の追究意欲が高まり,情報を探す力や資料から情報を正しく読み取る力が高まった。
自分と社会とのつながりに気付くことができる子の育成
−小学校3年社会科「店ではたらく人びとの仕事」における地域学習を通して−
津島市立西小学校 藤 元   健
 社会科とは,子どもたちと社会(地域)とをつなぐ教科であると考える。そこで,本研究の主題を『自分と社会とのつながりに気付くことができる子の育成』とし,子どもと地域社会とをつなぐことに力点をおいた。地域の素材や人材を地域教材として活用したり,ウェビング図を活用して学んだことにつながりをもたせたりしたことで,自分と地域社会とのつながりに気付かせることができた。また,単元の終末には身に付けた知識や考え方を活用する場を設けたことで,地域社会の一員としての自覚を高めることができた。
仲間と関わり合いながら,社会に参画していこうとする子どもの育成
−小学校5年社会科「10年後に私たちが乗る車」の実践を通して−
碧南市立大浜小学校 竹 中 証 一
 社会科学習の中で,仲間と関わり合いながら,社会に参画していこうとする子どもを育てるための手だてについて,その効果を検証する。小学校5年社会科単元「10年後に私たちが乗る車」において,@話し合い活動の工夫A体験的な学習の場の工夫という二つの手だてを用い,児童の仲間との関わりや社会に参画する意欲を高めていった。その結果,児童は仲間の発言を意識して学習に取り組み,互いの発言のよさを認め合い,自分の考えを伝えられるようになり,社会の一員として未来の社会に参画していこうとする意欲を高めることができた。
主体的に学習に取り組む生徒の育成
−基礎・基本の定着を図った社会科の授業を通して−
一宮市立南部中学校 中 田 勇 人
 社会科の授業において,主体的に学習する生徒を育成するためには,基礎・基本を定着させる必要があると考えた。本研究では,仮説を「社会科の授業において,基礎・基本を定着させるための手だてを工夫した授業を行えば,思考力・判断力・表現力等が高まり,主体的に学習に取り組む生徒を育成することができるであろう」とし,「基礎・基本の習得」「基礎・基本の活用」「単元のまとめ」の三つの段階でさまざまな手だてを講じた。その結果,基礎・基本を身に付け,意欲的に自分の考えを表現することができるようになった。
意欲的に学び合い,伝え合う力を育てる社会科学習
−中学校2年 歴史的分野「近世から近代へ」を通して−
春日井市立中部中学校 城 山 祐 樹
 社会科の授業において,意欲的に学び合い,自分の考えをしっかりと伝え合うことができる生徒を育てたいと考えた。そこで「社会科学習において,(1)学習課題への興味・関心を高めるための工夫(2)思考・判断・表現する場面の設定の2点に着目した指導を行えば,多面的・多角的な立場での見方・考え方をもって,意欲的に学び合い,伝え合いながら,歴史的事象の因果関係を理解することができる子どもを育てることができるだろう」という仮説を立て,実践を試みた。その結果,意欲的に学び合い,伝え合う力を高めることができた。
他者との関わり合いの中で自分の考えをより深められる生徒の育成
−「話し合う」「聴き合う」活動に重点を置いた,社会科の授業を通して−
豊川市立東部中学校 山 川 英 雄
 話し合い活動を通して自分の考えをより深められる生徒の育成を目指し,「新しい人権」の中の「自己決定権」を扱った。調べ学習を取り入れて安楽死や尊厳死について考えたり理解を深めたりした。本研究の軸となる学習課題を提示し,患者本人や患者の家族,医師の立場から多角的に「尊厳死」について捉え,話し合い活動を展開することができた。患者本人の意思だけではなく,家族の想い,また金銭的な負担などの現実的な問題にも気付くことができた。また,「自分だったらどうするか」と切実感をもつこともできた。
「世界史B」を通して現代に応用可能な多角的な視点を育成する
−貿易ゲームで「大航海時代」を考察する−
愛知県立東郷高等学校 向 井 恵 子
 本研究では,まず,「世界史B」において,いわゆる「大航海時代」がもたらした当時の国際社会の変化を「グローバル化」と捉え,その影響を多角的な視点から分析する授業実践に取り組んだ。そして,この授業実践の分析手法を生かして,生徒が現代の国際社会を多角的な視点で理解できるか検証を行った。なお,授業実践は生徒がより多くの視点を認識できるように協働学習とした。

算数・数学

考えを伝え合い,高め合う児童の育成
−話し合い活動を取り入れた算数科の授業を通して−
尾張旭市立三郷小学校 高 坂 有 梨
 中央教育審議会の答申では,算数科の学習の進め方として,教科書を使った問題解決学習を重視する方向が示されている。本学級でも教科書を使い,問題解決学習として,話し合い活動を軸にした授業実践を行うこととした。
 本研究では,「5年生算数科の授業において,話し合い活動を効果的に取り入れれば,自分の考えを伝えることができ,お互いに高め合うことができるようになるであろう」という仮説に基づいて実践を試みた。3人グループでの話し合い活動による,考えや意見の交流により,授業を活性化できた。
他者と関わり合い,自分の考えを深めることができる児童の育成を目指して
−考えの軌跡を残す小学校6年算数科学習指導を通して−
豊明市立大宮小学校 小 栗 武 弘
 1単位時間の授業において,児童が自力解決し,個の考えを基にペアやグループなど仲間とともに協同活動させる授業形態を設定した。自力解決の時間には,ノートに式や図をかかせたり,分からないことをメモさせたりして,後のペアやグループワークで話し合いをするための準備をさせた。児童は,自分の考えをもって学習活動に臨むことができた。
 ペアやグループワークを多く取り入れたことで,児童は主体的に,そして協同的に関わり合い,仲間に教えたり,意見を聴いたりして学ぶ様子が見られるようになった。
進んで課題に取り組み自分の考えを分かりやすく表現する子の育成
−小学校1年算数科「カタモンGO!目指せ!カタモンマスター」お話絵本の活用を通して−
知立市立猿渡小学校 成 瀬 雄 志
 自分の思いを基に,構想・創造・表現したりする「深い学び」になるような授業を意識し,算数と出会ったばかりの1年生の子どもたちに,「進んで課題に取り組む子」「自分の考えを分かりやすく表現する子」に育ってほしいという願いを込めて実践を進めた。研究を進めるに当たり「子どもが興味・関心を持続するように教材を工夫すること」「発表をするためのワークシートや発表を手助けする工夫をすること」の二つの手だてを講じることで,進んで課題に取り組み,自分の考えを分かりやすく表現しようとする子どもの姿が見られた。
学ぶことを楽しみ 一人一人が主役になれる 算数科授業への挑戦
−小学校5年整数「めざせゲームマスター」ゲームを活動の軸とした実践を通して−
豊橋市立新川小学校 森 田 智 洋
 一人一人が主体的に学ぶ授業とはどんな授業か。算数科5年「整数」の単元において「自分の考えをもち,意欲的に学習に取り組める子」「積極的に人と関わり,対話を通して思考力・判断力・表現力を高められる子」の育成を目指し,実践に取り組んだ。誰にでも取り組める魅力のある教材に出合わせること,学習課題に応じた対話の場を設定することの二つの手だてを講じることで,意欲的に問題解決に取り組み,事象を数理的に捉え,処理しようとする児童の姿が見られた。なお,単元はゲーム性のある活動を中心に据えた構想となっている。
自ら学び,自ら解決しようとする生徒の育成を目指して
−「一次関数」の学習における,学び合いの活動を通して−
一宮市立大和中学校 鈴 木 利 幸
 もっと生徒が積極的に「解きたい」「分かりたい」という姿勢で授業に臨んでほしいと願い,自ら学び,自ら解決しようとする生徒の育成を目指して本研究に取り組んだ。「主体的に学ぶきっかけづくりを取り入れた導入」「教え合い,学び合いが効果的に行われるグループ学習」の二つの手だてを柱とし,一次関数の領域で実践を行った。その結果,数学の問題を自ら考えて解きたいと思う生徒が増え,特に,身近な問題を扱った導入や,到達目標を設定したグループ学習が効果的であることが分かった。
分かる楽しさを感じることができる中学校数学科指導
−教材教具,学び合い活動の工夫を通して−
江南市立宮田中学校 柴 田 健 治
 関数単元「y=ax²」において,教材教具や学び合い活動の工夫を行うことで,分かる楽しさを感じることができる生徒の育成を目指した。
 興味・関心をもてるような教材教具や,課題解決に向けてのヒントカードを用いることで,課題を解決しようとする意欲を高め,分かる楽しさを実感させることができた。また,課題に合わせたペア活動や班活動を取り入れることで,より分かる機会を増やすことができた。
数学の楽しさを感じ,自信をもって問題に取り組むことのできる生徒の育成
−演習時における板書活動を通して−
愛知県立木曽川高等学校 山 口 理 恵
 数学の楽しさを感じ,自信をもって問題に取り組むことのできる生徒の育成を目指し「@グループ学習での教え合いにより授業への参加意欲や満足度が高められ数学の授業が楽しいと思える。A板書をする生徒と説明する生徒を代えることにより,課題に真剣に取り組み,数学の問題に対する理解力・表現力が身に付き,自信をもって問題に取り組むことができる」という仮説に基づいて実践を試みた。その結果,数学に対する苦手意識が薄れ,授業への参加意欲や満足度が高まった。さらに,基礎学力が向上し,意欲的に問題に取り組む生徒が増えた。
結果より過程を重視する数学科授業の研究
−体験的活動を用いた授業の工夫を通じて−
愛知県立稲沢東高等学校 布 施 昭 仁
 数学の問題を解く際に,あまり解法の過程を重視しない生徒に対し,基礎・基本を重視しながら過程を重視する授業を研究したいと考えた。
 本研究では「数学Vの微分法の授業において,基礎・基本の理解を深めるような支援をすることができれば結果よりも過程を重視するようになるであろう」との仮説の下で,ICTを活用し発表の場面を設けることで,基礎事項の定着を図った。その結果,若干ではあるが,過程を重視する生徒が出てきた。
自ら考え,伝え合い,知識理解を深める生徒の育成
−グループ学習を取り入れた数学の授業を通して−
愛知県立刈谷北高等学校 市 川   豪
 本研究では「数学の授業において,一つの問題に対して一人一人に異なるヒントを与え,別の解答を作成し,発表し合うグループ学習を行えば,数学の応用力や積極的かつ協働的な姿勢の育成につながるであろう」という仮説に基づいて実践を試みた。
 実践を行ったクラスでは,グループによる活発な意見交換を通じて,自ら考え,伝えることによる知識の定着が図られ,深い学びにつながった。また,ふだんから教え合い助け合う雰囲気づくりにつなげることができた。
問題作成を通して思考力・判断力・表現力の向上を図る
−生徒の主体性を伸ばす高等学校数学科の指導法−
愛知県立安城南高等学校 圓 山 裕 介
 「学習内容に応じた問題を自ら考え作成し,学び合いを通して,既習の知識・理解を深め,その共有を図る」という仮説に基づいて研究を進めた。実践では,「数学の学習では解答を覚えようとするのではなく,問題について考えるプロセスを大切にすべきである」ということを,生徒が実感できるような指導法を考えた。生徒はこの取組を重ねる度に,問題のポイントと解法の関係性を考えるようになった。あわせて,生徒同士の意見交換が積極的に行われるようになった。

理 科

互いに学び合い高め合う生徒を育成する理科授業
−主体的・対話的な学習活動を通して−
美浜町立河和中学校 榊 原 瑞 樹
 本研究は,生徒の主体的で対話的な学習活動の充実化・活性化を図ることで,互いに学び合い高め合うことができる生徒を育てることを目指した。そのために,学習の見通しと課題の明確化を図るワークシートを活用して主体性を喚起したり,個々に設定した課題を小グループによる対話活動や学級全体での一般化を通して解決に導いたりする学習過程を組み立てて授業を実践した。本研究を通して,生徒は互いに協力し合い学び合うことのよさを実感し,課題解決に向けて積極的にグループ内や学級全体で対話をしようとする生徒が増加した。
主体的に学び,考えを深める生徒の育成
−「つながる」理科学習(中学校1年 大気圧)を通して−
蒲郡市立中部中学校 杉 浦 崇 文
 本研究は,「教材・課題」「人」「自己」とつながる学びを構想して理科学習の質を高め,主体的に学び,考えを深める生徒の育成を目指した。大気圧が関わった実験と出会わせたことにより,自ら共通課題を設定して追究を始めた。生徒は,仮説を立てて個人追究を行ったことで考えをもち,グループや全体で考えを交流する中で考えを見直したり,整理したりできた。生徒は自己の学びを「学びのあしあと」で振り返り,考えの深まりを感じたり,新たな疑問が浮かべたりした。そして,新しい課題へ向かって学ぶ意欲を高めた。
科学的思考力育成のための仮説・考察の在り方
−物理の理解を深めるために−
愛知県立名古屋西高等学校 日 比 真 人
 生徒が仮説・考察に取り組むことで,科学的思考力が育成され,物理への理解が深まると考えている。しかし,本校の生徒は仮説・考察とは何かを十分に理解していないようである。そこで,仮説を重視したすっとびボールの実験と,考察を重視した振り子の実験に取り組ませた。その後,ダイオードの実験に取り組ませ,仮説・考察する能力の変容を検証した。また,実践を通して科学的思考力が育成されたかブラックボックステストを用いて検証した。検証結果から,科学的思考力が育成され,物理現象への理解が深まっていることが確かめられた。

美 術

見方や感じ方を広げながら,表したい感じを明確にイメージして表現する生徒の育成
−中学校3年美術科「私のオリジナル○○シリーズ切手」の実践を通して−
刈谷市立依佐美中学校 三 浦 英 夫
 美術科において,他者との関わり合いや,創造的な課題解決の学習を通して,見方や感じ方を広げながら,表したい感じを明確にイメージして表現することで,自らの表現をよりよくできることを実感させることができると考えた。
 本研究では,多様な視点で自分の表現を捉え直させたり,課題意識や表現の見通しをもたせたりするさまざまな手だてを講じた。その結果,生徒は手だての有用性を実感し,自らの表現に満足感や自信をもつようになり,目指す生徒像に迫ることができた。
  

体育・保健体育

互いに関わり合いながら積極的に技能向上を目指す生徒の育成
−マット運動における系統的技術指導を通して−
長久手市立長久手中学校 コ 田 耕 一
 保健体育科において,「技能向上を実感することで,運動への意欲を高める生徒」を育てたいと考えた。本研究では,「互いに関わり合い,自身の課題が明確になれば,意欲の高まりが見られる」「必要な技能を身に付け,系統的に練習を進めていけば技能向上につながる」という仮説に基づいて実践を試みた。その結果,「取り組むべき目標がはっきりすれば意欲の高まりが見られる」「必要な技能と挑戦する技に必要な技能との関連性を明らかにし,系統に沿って練習を進めれば技能向上につながる」という成果を得ることができた。
真のスポーツの楽しさを求め,生涯スポーツへつなげる生徒の育成
−柔道の授業を通して−
蟹江町立蟹江北中学校 河 村 弘 樹
 真のスポーツの楽しさを知り,運動を生涯にわたり続けていこうと考える生徒の育成を目指していきたいと考えている。本研究では,基礎・基本の技能を定着させる。自己有用感,効力感を高め,意欲的に取り組む体験をさせることで,真の楽しさを味わわせる実践をした。事後アンケートでは,柔道に興味・関心があると回答した生徒が98.4%となり,事前アンケートに比べて39%増加した。このことにより,「真の楽しさ」を伝えることができたと言える。

道 徳

人との関わりを大切にし,ともに高め合える児童の育成
−総合単元的な道徳学習の中での,児童の変容把握の工夫を通して−
稲沢市立牧川小学校 馬 場 日登美
 児童の道徳的価値の自覚を深めさせ,道徳的実践力を高めるため,総合単元的な道徳学習の中で,道徳の授業方法の改善と体験活動の充実を図った。また,児童一人一人に目を向けたレーダーチャートを作成し,授業観察記録や「道徳ふりかえりカード」を活用して児童の変容把握に努めた。さらに,把握した児童の変容を,「ありがとう・がんばったねカード」や「道徳メッセージカード」を用いて伝え,実践意欲を高めた。その結果,児童は,よりよい解決方法を考えるようになったり,自己肯定感を高め感謝の気持ちを表したりするようになった。
互いに認め合い,優しい心を育む道徳教育の実践
−道徳の時間と体験的な活動の連携を生かして−
瀬戸市立效範小学校 柴 田 大 祐
 小学校1年の道徳教育において,道徳的価値の意味や大切さをより児童の心に響くものにし,優しい心を育みたいと考えた。
 本研究では,「総合単元的な道徳の学習において,道徳の時間と体験的な活動の連携が進めば,道徳的実践力が高まり,優しい心が育つであろう」という仮説に基づき,道徳の時間のカリキュラムを再編成し,「みんなのために」を合言葉にさまざまな取組を行った。「ありがとうカード」の取組を進めていくことで,互いに認め合う児童が増え,優しい心の育成につながった。
適切な判断力をもち,主体的に行動しようとする児童の育成
−問題解決型の道徳授業を通して−
武豊町立富貴小学校 山 下 克 文
 児童が日常生活における諸問題に対して適切な対応ができるように,多面的・多角的に考え,解決策を導き出すことができる問題解決型の道徳授業を取り入れることにした。本研究では「道徳の授業において,児童の身近な問題を取り上げ,互いに議論し,解決策を導く学習を行えば,集団の一員としての自己の生き方に対する考えが深まり,状況に応じて主体的に行動をしようとする児童が育成されるであろう」という仮説に基づいて実践した。その結果,自己の生き方や他者との関わり方に対する考えが深まり,主体的に行動しようとする気持ちが高まった。
仲間との関わりの中で,自己を見つめ直し,現実に抱える問題に対して主体的に考えようとする生徒の育成
−中学校2年道徳 多様な考えに触れる道徳授業の工夫を通して−
高浜市立南中学校 杉 浦   亘
 道徳において,仲間とともに考え,他者の多様な考えに触れることで,自分の一面的な見方・考え方にとらわれず,問題の解決に向けて主体的に考えようとする実効性のある力が育成されるだろうと考えた。
 仮説@では,生徒の実態に即した題材を選び,多様な考えに触れられるような手だてを講じた。生徒たちは自分や学級の問題として主体的に考えることができた。仮説Aでは,仲間の考えを全体で共有するための手だてを講じた。生徒たちは全員の考えに触れ,考えを更に深めることができた。

特別活動

自己や他者を認め,協働しようとする生徒の育成
−参画活動の充実を図ったホームルーム活動を通して−
愛知県立瀬戸高等学校 上舩津 暢 子
 高校を卒業するまでに,社会の中で自己や価値観の違う他者を受け入れ,各集団での自分の役割を見つけ,集団の一員として協働できる能力を身に付けてほしいと考え,目指す生徒像を「自己や他者を認め,協働しようとする生徒」とした。
 本研究では,「仲間と関わりをもち,互いに助け合い認め合う機会があれば仲間と協働しようという意欲がもてるであろう」という仮説に基づいて実践を試みた。その結果,他者の考え方を受け入れ,協働しようとする意欲を高めることができた。
合同体育祭における豊川特別支援学校本宮校舎との連携促進
−両校教員の相互理解と協力促進の取組−
愛知県立宝陵高等学校 井 筒 政 行
 同じ校舎で活動する本校と豊川特別支援学校本宮校舎との合同体育祭は,今年で第8回を迎えた。看護師と介護福祉士の育成を行う本校にとって,特別支援学校との交流は重要な教育機会であるが,その有効活用には多くの課題があると感じていた。本研究ではその課題解決の第一歩として,合同体育祭に至る準備や当日運営における両校教員の相互理解及び協力促進の取組について,合同体育祭後に実施した両校教員を対象とするアンケートを用いて検証した。その結果,今後の合同体育祭及びその他の 交流に関する方向性を見いだすことができた。

学級経営

仲間と関わり合い,自己有用感を味わうことができる児童の育成
−小学校5年 話し合い活動「ひまわり会議」の実践を通して−
田原市立童浦小学校 鈴 木 健 了
 本研究では,「自分の意見を積極的に伝え,自分たちで学級の諸問題を解決することができる児童」「互いのよさを認め合うことができる児童」を目指す児童像とし,小学校5年生を対象に研究を行った。「クラス会議の手法を用いた話し合い活動を進めることにより,学級の課題を意欲的に解決しようとする気持ちを高め,互いに認め合うことで,自己有用感を味わうことができるだろう」という仮説に基づいて実践を試みた。その結果,学級の課題に対して本気で向き合い,課題を解決していくような児童が増えた。

生徒指導

新しい時代を拓く,心豊かでたくましい児童の育成
−相手の気持ちを考えながら,自分の気持ちや考えを伝える活動を通して−
一宮市立浅井南小学校 長 崎   聖
 本研究では,「学級活動の時間において,互いを認め合える活動の工夫を取り入れれば,互いに認め合い,相手の気持ちを考えながら,自分の気持ちを伝える児童を増やすことができるであろう」という仮説に基づいて実践を試みた。アサーショントレーニングやオアシス活動などの取組を通して,児童は相手の気持ちを考えて自分の気持ちを伝えることの重要性に気付くことができた。自分自身を曖昧なイメージでしか捉えられていなかった児童も,トレーニングを繰り返すことで,より客観的に自己を見つめられるようになるという成果が得られた。
自主的に行動できる児童の育成
−自他のよさを知り,認め合う活動を通して−
豊山町立志水小学校 井 上 純 一
 本学級の児童は,周りの目を気にしすぎて自分の思いを言えなかったり,自分の意志で行動できずに何となく友達と行動したりする姿が多く見られる。本研究では,「自分や仲間のよさを知り,お互いに認め合うことで,自分に自信をもつことができるとともに,仲間のよさを尊重する心が育ち,みんなのために自主的に行動できるようになるであろう」という仮説に基づいて実践を試みた。常時活動や学級活動において自他のよさに気付かせる取組を適宜行った結果,一人一人の意識が変わり,お互いに声をかけ合って自主的に行動できる児童が増えた。
自ら進んで行動する児童の育成
−自分たちで企画・実行し,認め合う「あいさつプロジェクト」を通して−
みよし市立天王小学校 加 藤 健 二
 本研究では,「あいさつ運動」を通して,何事にも自ら進んで行動する児童を育成することをねらいとした。「みよし市NO.1のあいさつ」を目指そうと考えた児童の思いを形にするために,「あいさつプロジェクト隊」を立ち上げた。児童が「あいさつ運動」の仕方を練り合い,活動していくことで,「あいさつ運動」の時間だけでなく,ふだんの学校生活の中や地域でも挨拶が飛び交うようになってきた。自分たちの活動によって学校全体が変化してきたということを実感でき,今後も,自ら進んで行動しようという意識が高まった。
いじめ・不登校への予防的な関わりについて
−アサーショントレーニングにより自己肯定感を高める学習活動−
愛知県立江南高等学校 重 久 奈 美
 本研究では,互いの違いのよさに触れながら,自分の気持ちや考えを抑圧せずに表現することができる生徒を育てるために,保健の授業においてDESC法を用いながら話し合いをする場面を設定した。その結果,自分も相手も大切にする自己表現の経験(アサーショントレーニング)を重ねることで,自分の気持ちを明確に把握し,表現しようとする生徒が増え,自己肯定感を高めさせることができた。また,いじめや不登校への予防的な関わりという観点から,日常生活におけるDESC法の活用について考えていく必要性を認識できた。
本校における生徒指導の在り方
−生徒が自主的に動ける学校行事を通して−
愛知県立阿久比高等学校 池 谷 正 文
 本校に入学してくる生徒は,中学生時に中間層であった生徒が多いため,細かく指示をしないと動けない生徒が多い。今後社会で必要とされる人間は,自ら考え主体的に行動できることが強く求められると考える。
 本研究では,学校行事において主体的に動ける生徒,リーダーシップを発揮できる生徒の育成を目指し,三つの手だてを考案し実践した。その結果,生徒たちは仲間と協力することや計画することの大切さを実感するとともに,自ら主体的に活動しようとする意欲を高めることができた。
定時制における生徒指導の推進
−「社会に通用する人間の育成」を目指して−
愛知県立安城高等学校 土 屋 豊 樹
 本校の「社会で通用する人間を育成する」という教育目標の下,本研究では,欠席や遅刻の多い生徒に対して生活を振り返らせる面談を行い,生徒自身に生活習慣を内省させるとともに,継続的に経過を観察した。また,全校生徒を対象とした卒業生の講演会を実施して,欠席や遅刻に対する意識を高め,今後の学校生活と将来について考えさせた。その結果,生徒の進路選択に対する意識も高まり,例年の同じ時期よりも欠席と遅刻の数を減少させることができた。今後は,この実践を継続し学校全体での取組を深めていくことが必要である。

 
 
キャリア教育

主体的に,自分に合った進路選択を実現させるキャリア教育の実践
−社会の実状と自己分析・理解を通し,仕事に対する意識を高めながら−
愛知県立春日井高等学校 鎗   淑 子
 本校は9割以上の生徒が大学に進学する。進学先を決定する際,偏差値が合うからなど,安易な理由で選択をしている生徒が多いことに気が付いた。そのような大学の選択方法が将来の安易な離職につながっているのではないか,進学先選択までに将来の選択も視野に入れることができれば,より幸せな人生を送ることができるのではないかと考えた。そのための手だてとして,自己理解と社会の実状に対する理解を深めることで,いかに現実的に自分のこととして将来を考え進路実現に役立てることができるかを研究し,一定の成果を得た。
進路実現に向けて主体的に取り組む生徒の育成
−キャリア・パースペクティブの形成を目指した学級での取組を通して−
愛知県立名古屋聾学校 長 ア 京 子
 高校生が就職に対して主体的に取り組むためにはキャリア・パースペクティブを形成することが重要であると考えられている。そこで本研究では,キャリア・パースペクティブの形成を目指した学級での取組を行い,進路の見通しをもつことができたか,進路実現に向けて自己の課題に主体的に取り組むことができたかを検証した。その結果,担任による個別懇談や卒業生との懇談に影響を受けて,具体的な進路選択を行うことが確認できた。進路の見通しをもつことで,進路に必要な自己の課題に向かって努力する様子が見られた。
タブレット端末を活用した専門教科「流通・サービス(清掃)」の指導について
−自らの気付きを通して,意欲的に実習に取り組める生徒を目指して−
愛知県立豊川特別支援学校本宮校舎 坂 田 俊 則
 専門教科「流通・サービス」の清掃の学習におけるタブレット端末の活用法について研究した。タブレット端末の活用を通して,生徒の気付きを促す取組や,どのような気付きを促すことができるかを検証した。タブレット端末を活用することで,清掃技能を高めたり,清掃することの意義ややりがいを感じたりすることへの気付きを促すことができることが分かった。「流通・サービス」の目標である「意欲的に実習をする」「基礎的・基本的な知識と技術を習得する」ために,タブレット端末の活用が有用であることが明らかになった。
キャリア教育の充実を目指して
−自己理解を促した進路指導−
愛知県立春日井高等特別支援学校 青 木 孝 澄
 生徒が自分を客観的に見つめ,その行動や考え方に至るまで冷静に判断することができれば,先を見通し,これから起こりうる事態に備えて準備することができると考える。本研究では「今を取り巻く社会の状況」「自分を知ろう」「考えよう将来のこと」の三つを柱に,自己理解と就労をテーマに授業を展開した。生徒が自分史を作成し,自らの障害や社会を取り巻く状況について捉え,同じ不安や悩みを抱える友達同士で話し合いをしたことで,卒業後,自分が社会でどのように関わっていくのかを具体的に考えることができるようになった。

学力向上

基礎的・基本的な内容の定着を図り,学んだ知識を関連付けて表現できる児童の育成
−「船島小学びの基本」の充実とイメージマップを活用した社会科の授業を通して−
東海市立船島小学校 狐 塚 大 介
 学習習慣を身に付け,基礎的・基本的な知識や技能を習得し,学んだ知識を関連付けて表現できる児童を育てたいと考えた。本研究では,「船島小学びの基本」や「家庭学習の手引き」の活用,「課題確認テスト」や「船っ子チャレンジ」の実施によって学習の土台づくりに取り組んだ。また,学んだ知識を関連付けて表現する力を高めるために,イメージマップを活用した社会科の授業に取り組んだ。その結果,児童の学びに向かう姿勢や学習習慣,基礎的・基本的な内容の定着に改善が見られ,学んだ知識を関連付けて表現できる児童が増えた。

学年経営

リーダーの実践力を高める学年経営
−ランチミーティングを中心としたリーダーの育成を通して−
常滑市立鬼崎中学校 平 林 宏 樹
 まとまりのある学年・学級集団には,気付き,考え,行動できるリーダーの存在が必要不可欠である。そこで,リーダー育成を担当する教師と情報を共有し連携しながら生徒による委員会活動を充実させ,リーダー同士が刺激し高め合う場やPDCAサイクルを通して企画力等を培う場を効果的に設定すれば,リーダーとしての視野が広がり実践力も高まるだろうと考えた。その結果,リーダーは実践力を高め,学年・学級全体を意識しながら行動できるようになったり,見通しや信念をもって学年行事等の企画ができるようになったりした。

ESD

自己有用感を高めるESDの研究
−ふれあいロード整備交流を通して−
愛知県立みあい特別支援学校 長 尾 健太郎
 自己有用感とコミュニケーション能力を高めることは今後の生活をより豊かにすると考える。本研究では,本校のESD活動の一つである「学校花壇の整備交流」において,「褒められることで生徒の自己有用感が高まり,ボランティアと交流することでコミュニケーション能力が高まるだろう」という仮説に基づき実践を試みた。実践後の生徒アンケートでは,自己有用感が高まった様子が見られたり,自分から話しかけるようになったりするなどの変化が見られた。今後は,ESDの視点を入れた授業ができる環境を整えていくことが望まれる。

自立活動

重複障害児における自発的な意思や行動の表出を促す指導
−感触遊びの実践を通して−
瀬戸市立瀬戸特別支援学校 正 木 宏 樹
 重度重複障害児の生活は,身体の不自由さや意思の表出の困難さなどにより,受動的な生活になりがちである。卒業後の生活を見据え,児童が能動的に周囲に働きかける力を育む方法を考えた。
 本研究では,重複障害のある小学部5年生の児童を取り上げ,自立活動の時間に感触遊びを行った。指導に当たって,教師間での情報共有,扱う素材や環境設定,教師との関わりを工夫した。その結果,児童自ら取り組もうとする意思の表出や行動が現れるようになった。
 
 

部活動

部活動の教育的効果の考察
−部活動活性化の取組を通して−
愛知県立衣台高等学校 吉 田 智 弘
 部活動の効果については,学習指導要領においてもその意義や効果についてうたわれている。生徒が主体的かつ意欲的に部活動に取り組むことは部活動本来の姿であり,生徒の成長にとって大きな意味をなすこととなる。本研究では,本校の実情をアンケートなどから多角的に分析し,部活動を中心とし,学校行事,生徒会活動,ボランティア活動など生徒が主体となって活躍できる場面において,さまざまな手だてを講じた。その結果,変化が見られる生徒が少数ながら現れた。