教育研究リーダー養成研修

国 語   社 会   算数・数学   理 科   体育・保健体育  総合的な学習の時間
外国語   道 徳   農 業   技術・家庭   学習指導
学級・ホームルーム経営   学年経営   生徒指導   特別支援教育   キャリア教育

国 語

豊かな表現力を育む6年国語科の授業
−分かりやすく話す,比べて聞くの指導を通して−
犬山市立犬山南小学校 岩 井 杏 奈
 自分の意見を分かりやすく話したり,自分と友達の意見を比べて聞き,考えを深めたりすることは豊かな表現力につながると考える。本研究では「語彙力を高め,活用できれば分かりやすい話し方ができるようになるだろう」「自分と友達の意見を比べながら聞く意識を高めれば自分の意見をより深めることができるだろう」という仮説に基づいて実践を試みた。実践によって意識が高まり,自分の思いをより詳しく話そうとする児童や友達の意見を聞きたいと積極的に友達と関わろうとする児童の姿が見られた。
登場人物の気持ちにせまる2年国語科学習
−「しかけ」づくりで本文の表現に着目する活動を通して−
岩倉市立五条川小学校 今 枝 成 晃
 物語文において、「しかけ」づくりで本文の文章表現に着目して,登場人物の気持ちに迫り,表現できる児童を育てたいと考えた。本研究では,文章表現に着目した「しかけ」やスモールステップで進められるワー クシートの活用を軸に,「揺さぶる発問」や「再考する場」「ペア・グループ学習」を適宜取り入れながら実践を試みた。視覚化と焦点化を意識した「しかけ」により文章表現に着目した読みができるようになり,ワークシートの活用により気持ちを素直に表現できるようになるなどの成果が得られた。
互いの意見を比べながら,考えを深めることができる児童の育成
−5年国語科「対話的な活動」を取り入れた指導を通して−
春日井市立勝川小学校 今 西  亮
 本研究は,教材との対話や他者との対話,自分との対話(再考)を通して,自分と友達の意見の似ているところや異なるところを比べながら,物事を深く考えることができる児童を育むことを目標としている。そのために,全員が考えをもつことができるよう,時間を確保し,他者との対話をグループで行った後,別グループでも行った。さらには,全員の意見が書かれたプリントを見せ,多くの意見に触れさせた。友達と自分の意見を比べながら考えを見つめ直し,再考することで,考えを深めることができた。
自分の考えをもち,仲間と協働しながら生き生きと活動する児童の育成
−1年国語科における「児童の思考に寄り添った学習活動」の実践−
阿久比町立草木小学校 蜷 川 早 容
 自分の考えをもって仲間と協働し,生き生きと活動できる児童の育成を目指し,本実践に取り組んだ。児童の意見を基にした課題設定や授業の振り返りを継続して行ったことで,児童は学習内容を自分のこととして意識し,主体的に学習に取り組むことができた。また,ステップを踏んだ話し合い活動や,根拠や理由を明らかにして自分の考えを発信する活動により,児童は互いの思いや考えを広げたり深めたりすることができた。さらに,児童の思考に寄り添った学習活動を展開したことで,意欲を継続しながら学びに向かう姿を見ることができた。
自分の考えや思いを表現できる生徒の育成を目指した「書くこと」の指導
−自己PR文の作成を通して−
愛知県立日進高等学校 尾 身 圭 介
 昨年度3年生の進路指導をしている際に,本校には自身の考えや思いなどを文章で表現することが苦手な生徒が多いことを痛感した。それを踏まえ,本年度は1年生を対象に「自己PR文」の指導において,ワークシートを用いた段階的な指導を行った。その際,材料探しの段階,推敲作業の段階において,協働的な学習を取り入れ,相互承認の体験から自己肯定感を高める取組を行った。その結果,作文に対する苦手意識に改善が見られ,「自己PR文」を書き上げることで,自分の考えや思いを表現する力を身に付けることができた。

社 会

現代の民主政治について,議論を基に自分の考えを表現することができる生徒の育成
−対話を中心とした公民的分野「現代の民主政治」の実践を通して−
北名古屋市立師勝中学校 笠 巻 一 倫
 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたため,社会科の公民分野では「主権者教育」が重視されている。将来良識ある有権者になるためには,議論を通して自らの意見を見直し,深めながら,自分の考えを表現することが大切だと考える。 本研究では,いろいろな考えの人との意見交換やクラス全体で討論などの「対話形式の工夫」を,「単元構想での位置付け」によって効果的に行い,幅広く知識を得て,議論を基にして自分の意見を書くという活動を行った。その結果,自分の考えを深め,議論を基にして意見を書くことができた。
資料を活用して学び合い,学びを深める生徒の育成
−中学社会科「世界の諸地域」におけるマイ研究を通して−
みよし市立北中学校 今 村 伸 昭
 世界の国々が互いを尊重し,幸せな未来を築くことは人類普遍の願いである。世界の諸地域についての理解を深め,よりよい社会を築こうとする生徒を育てたい。本研究では,資料活用能力を伸ばして学びを深められるように,単元の学習項目の順序を入れ替え,級友との対話を通して世界の諸地域の地理的特色を追究した。また,生徒それぞれが関心をもった今日の国際問題の解決方法を考えた。この結果,資料や 国際問題を多面的に捉え,理解を深める姿が見られた。そして,主体的に学びを深め,共生社会の意義を見いだすという成果が得られた。
仲間と関わり合う中で,自らの考えが広がり深まる生徒の育成
−中学3年社会科「消費生活と経済」の学習を通して−
豊川市立一宮中学校 宇 野 和 宏
 本学級の生徒は,自分の考えをノートに書いたり,グループで発表したりすることはできる。しかし,グループ内での意見交換にとどまってしまう。話し合い活動を通して,自らの考えを広げ,深めていけるように生徒たちにとって身近なコンビニエンスストアなどに着目し,「消費生活と経済」の学習に取り組んだ。話し合い活動を重視していくことで,他者の関わりの中から自分の考えを見つめ直し,より考えが広がり,深まっていった。
自ら課題を見つけ,他者との関わり合いを通して学びを深める地方自治の学習
−3年社会科公民における学習計画の工夫と対話的な学習を通して−
新城市立鳳来中学校 請 井 隆 彦
 新学習指導要領が目指す「主体的・対話的で深い学び」の実現のために,他者との関わりが苦手な生徒たちが学びを深めることができないかと考えた。本研究では,地域素材を教材化することで生徒たちの学習意欲を高めながら,一人調べで根拠に基づく考えをもたせていく。自分の考えに自信をもたせた上で話し合い活動を設定し,対話的で深い学びを目指そうと試みたところ,生徒が自ら課題を見つけ,他者と関わり合いながら学びを深める姿を見せ始めた。
自律的な判断を目指した公民科(現代社会)の授業
−多面的・多角的な判断材料の考察を通して−
愛知県立刈谷高等学校 遠 藤 慎 也
 本研究では,多面的・多角的な考察を通じて自律的な判断ができる生徒の育成を目指した。高校の「現代社会」の授業で,現代社会の課題について生徒が自ら情報を収集・整理し,グループワークを通して考察を深める取組を繰り返すことにより,生徒が多面的・多角的に思考し,自律した判断ができるようになると仮説を立て,実践を行った。実践の結果,生徒の多面的・多角的に思考する能力は高まり,現代社会の課題に対してより確かな根拠をもって判断することができるようになった。

算数・数学

自分の考えをもち,学び合いを通して,考えを深めていく生徒の育成
−三つの学びを取り入れた,1年数学科「変化と対応」の実践を通して−
一宮市立木曽川中学校 田 島 圭 祐
 どんな課題でもあきらめずに自分の考えをもち,学び合いを通して,考えを深めていく生徒を目指して本研究に取り組んだ。 既習事項を想起させ,自分の考えをもたせる「学び直し」,互いに話し合わせ,他者の考えのよさを活用させる「学び合い」,多様な考えに気付かせ,学びを再構築させる「深い学び」の三つの学びを手だての柱として,「変化と対応」の学習で実践を行った。 その結果,自分なりの考えを書こうとする生徒,意欲的に話し合いに取り組み,考えを深める生徒を増やすことができた。
できる喜びを味わいながら,自ら学ぶ児童の育成
−深く学ぶ学習活動の工夫をした6年算数科の学習指導−
稲沢市立祖父江小学校 森  永 理 奈
 6年間単学級で生活してきた児童が,自己実現に向かってもっと粘り強く努力し,ともに高め合えるようになってほしいと願う。できる喜びを味わいながら,自ら深く学ぶ児童の育成を目指すことで,現代社会を生き抜く力が身に付くと考えた。本研究では,「学びルート」の視覚化,「相手重視」の話し合い,「わかりなおし」の振り返りの三つの手だてを柱とし,6年算数科において実践を行った。その結果,自ら深く学ぼうとする児童が増え,特に,「学び合いレベル」を意識させた小集団での学び合いが効果的であることが分かった。
自分の考えを論理的に表現し,伝え合い,学び合う児童の育成
−プログラミング的な思考を用いた算数科の授業を通して−
大府市立吉田小学校 新 美 賢一郎
 お互いの考えを伝え合い,学び合う児童を目指す児童像とし,「算数科の授業において,プログラミング的な思考を用いて,論理的に考える場を工夫すれば,お互いの考えを伝え合い,学び合う児童が育つであろう」を研究仮説とした。仮説に対する手だてとして,ステップチャートを@表現するためA学びを深めるための二つの場面で手だてとして実践を行った。自分の考えを順序立てて表現できる児童が増え,考えを伝え合い,学びを深める様子も見られた。表現する,学びを深める場面においてステップチャートが有効であるという成果が得られた。
自ら追究し,自分の考えを語り合う子を育成する算数科学習
−課題設定の工夫と言語活動の支援を通して−
安城市立梨の里小学校 淺 野  徹
 身に付けた知識や考えを友達に分かりやすく伝えたり,主体的に問題解決したりする児童を育てたいと願い,本実践を始めた。 本研究では,児童は,操作活動をしたり,ゲーム形式の課題に取り組んだりした。課題に主体的に取り組む中で,算数的用語を使って友達に自分の考え,分かったことを伝える力を高めた。児童が友達との関わりの中で,自ら課題を追究し,語り合う姿が見られた。今後も児童が,楽しみや喜びを感じながら語り合える研究実践を積み重ねていきたい。

理 科

共通体験や既習事項を基にした自分の考えをもち,伝え合う児童の育成
−単元構想と話し合いの形態を工夫した5年「電磁石の性質」の実践を通して−
碧南市立鷲塚小学校 高 松  豪
 本学級は,生活体験や既習事項に関連付けて考えることや,自分の意見を発表し,それが学級での学習に役立っているという有用感を得られている児童が少ない。そこ で,共通体験や既習事項を基にした自分の考えをもち,伝え合う児童の育成に取り組んだ。本研究では,導入やまとめなどの単元構想や話し合いの形態を工夫したり,既習事項をキーワード化したりする手だてによって,問題意識の醸成と人の意見を取り 入れて自分の考えを再構築することが図られた。
「なぜ?」を意識し,考えることを楽しむ生徒を育むために
−学びの意識化を目指した『電流と回路&磁界』の授業づくり−
西尾市立鶴城中学校 河 井 恭 子
 本研究では,学びを見つけ出し,自ら考えをもち,考えを関わり合わせることを楽しむ生徒の育成を目指した。「学びを見つけ出す出会いの工夫」と「自らの考えを構築・深化できるようにする支援」の二つを手だてとし「電流と回路」「電流と磁界」の単元で実践した。身近な電化製品を教材として取り上げることで,生徒は身の回りに理科の学びがあることを実感し,問題を見つけ出すようになった。また,学習形態の工夫や学びのつながりを表した脳内マップを活用することで,自ら考えを構築し,対話の中で深めようとする生徒の姿が見られた。
「化学」の実験を通して考察力を高める指導方法の研究
−自分で考えさせる活動を中心に−
愛知県立一宮高等学校 金 廣 伸 也
 次期学習指導要領で目指す「主体的・対話的で深い学び」を理科で実現するためには,「科学的探究や問題解決に必要な観察・実験等の技能」「科学的な探究能力や問題解決能力」「主体的に探究しようとしたり,問題解決しようとしたりする態度」の育成が不可欠である。本研究では「生徒自身による実験計画の立案」「発表時の質疑応答の活発化」を軸として,新しい手法に沿って「化学」の探究活動を実施した。生徒のアンケート結果等から,上記の3点を伸ばす成果を得た。また,他校で同様の実践に取り組む際の要点をまとめた。
作問を通して法則を活用する力を養う高校物理
−モデル化や作図をする習慣を通して−
愛知県立岡崎高等学校 鈴 木 俊太郎
 本研究では,日常生活の中にある物理現象を,学習した内容に理論的に結び付けることができる生徒の育成を目指した。その手だてとして各分野の単元の最後に,生徒に作問に取り組ませ,その単元の重要な考え方や法則を主体的に使う機会を設けた。作成した問題を生徒間で交換して解答・解説をし合うことで他者の考え方に触れさせ,理論的に正しく作られているかを振り返らせた。その結果,自分で作問をして他者と解答・解説をし合うことは,物理を活用できるようになる手段として有効であると考える生徒が増えた。

体育・保健体育

自信をもって積極的に運動に取り組む児童の育成
−練習の工夫や仲間と積極的に関わるソフトバレーボールの学習を通して−
一宮市立大和南小学校 岩 田 真 孝
 体育科において,自分の技能に自信をもち,積極的に運動に取り組む児童を育てたいと考えた。そこで,本研究では,「ソフトバレーボールにおいて,練習の工夫をすれば技能が高まるであろう」「仲間と積極的に関われば主体的に運動に取り組むだろう」という仮説に基づいて実践を試みた。その結果,段階的な練習の場や方法の工夫によって技能と自信が高まり,対話的な学習を取り入れた単元構成の工夫によって,運動に対する意欲が向上することが明らかになった。
自己有用感が高められる体育の授業を目指して
−児童同士の関わり合い活動の工夫を通して−
あま市立七宝小学校 宮 ア 潤 平
 体育科において,運動量の確保や技術の向上とともに,言語や動作等の見本による教え合いや個やチームでの言葉がけ,準備や後片付けを協力して行うなど,コミュニケーションをとりながら行うことが大切だと考える。 本研究では,体育の学習において,互いの技能や到達度を認め合う活動や場を設ければ,学習意欲が増し,技能の向上とともに自己有用感が増していくだろうという仮説に基づいて実践を試みた。その結果,児童は関わり合いを通して,自己有用感を高めることができた。
主体的に運動に親しみ,動きや技能を高めることができる体育学習
−仲間と関わり合う場づくりと,教師の指導力向上への取組を通して−
豊川市立平尾小学校 北 野 陽 平
 本研究では,全校児童が主体的に運動に親しみ,動きや技能を高めることができる体育の授業を目指し,二つのアプローチからねらいに迫ることを試みた。一つ目は,教具の工夫やPDCAサイクルを導入し,仲間と関わり合いながら問題解決をする授業づくりをすることである。二つ目は,現職研修で同僚教師の体育の指導力を向上させることで,児童の動きや技能を高めることである。その結果,児童は仲間と関わり合いながら技能を高め,同僚教師の体育授業力を底上げすることができた。
思考力を高める高等学校科目「保健」の授業づくり
−ジグソー法を取り入れた実践を通して−
愛知県立瑞陵高等学校 和 久 佳 代
 主体的に考え,判断・行動し自らの課題を解決できる力を育成することをねらいとし,思考力を高める科目「保健」の授業づくりに取り組んだ。知識構成型ジグソー法を用いて自分の考えや学んだ内容を他者に説明したり,他者の意見や発表を聴いたりする活動を通して,生徒は互いの考えの違いに気付き,自らの考えを深めることができた。また,人に対して興味・関心をもち,その多様性を論理的に理解しようとする志向性や思考の柔軟性,自分の考えを他者に対して論理的に説明するために必要な態度の向上が認められた。
客観的視点を生かした技術向上のための授業実践に向けて
−タブレット端末を活用した関わり合う器械運動の実践を通して−
愛知県立国府高等学校 杉 浦  聡
 本研究では,自己分析や仲間へのアドバイスを積極的に行い,それを技術向上につなげることができる生徒の育成を目指した。「自分の動きを動画で撮影すれば,客観的に動きを観察・分析することができ,技術の向上につながる」「アドバイスの視点を明確化し,動画を基に助言し合うことができれば,技術と意欲の向上につながる」と考え,器械運動(マット運動)の単元で授業実践をした。その結果,動画を用いた分析が技術向上に有効であることや,明確化された視点に基づいたアドバイスは意欲向上に有効であることが明らかになった。

総合的な学習の時間

さまざまな視点からともに学ぶ,総合的な学習の時間の授業
−地域から学び,人から学ぶ,つなごう「エコ・プロ」の活動を通して−
田原市立田原東部小学校 松 井 浩 子
 『菜の花エコプロジェクト』の活動をきっかけに,環境問題を考えていく活動を通して,「さまざまな視点からともに学ぶ,総合的な学習の時間の授業」を目指して研究を進めた。本研究では,「体験活動や施設見学の場を設けたり,関わり合いの場を工夫したりしながら地域について学んでいけば,地域の一員としての自覚が芽生え,自分の役割について考えるだろう」という仮説を立てた。それに基づいて実践を試み,ふるさと田原の一員として自分は何ができるか考えようとする姿が見られた。

外国語

主体的に学習に取り組む生徒の育成
−基礎・基本の定着を図った英語科の授業を通して−
一宮市立南部中学校 高 柳 伸 吾
 英語科の授業において,主体的に学習する態度を育成するためには,基礎・基本を定着させ,自分の言葉で表現する機会を増やす必要があると考えた。本研究では,基礎・基本の定着のために,「Hi, friends!」を使用した導入,「文法プリント」を実施した。また,主体的に学習する態度を育成するために,一問一答の会話シートである「Talkまっち」,与えられたテーマで内容を考え作文する「自由英作文」を行い,より表現を深めるための実践を行った。その結果,基礎・基本を身に付け,意欲的に自分の考えを表現することができるようになった。
習得した英語表現を基に,自分の考えを英語で表現できる生徒の育成
−「ユニバーサルデザインを紹介しよう」の実践を通して−
刈谷市立刈谷東中学校 杉 浦 美 晴
 新出文法として接続詞を学ぶ生徒たちが,その用法を正しく習得し,それを基に,自分の考えを英語で表現できるようになってほしいと考える。本研究では,「新出文法の用法を理解させる工夫」「新出文法を定着させる工夫」「習得した表現を活用できる話題をテーマにし,考えを伝える活動の工夫」を考え,実践を試みた。その結果,文の構造を正しく理解し,接続詞を正しく用いて自分の考えを英語で表現できるようになっていく生徒たちの変容を見ることができた。
伝え合うことの楽しさを感じ,進んでコミュニケーション活動に取り組む児童の育成
−話型提示や課題設定の工夫を通して−
高浜市立吉浜小学校 江 坂 雅 史
 外国語活動において,「自分の考えを英語で伝えることのできる児童」「英語を話すことの楽しさを知り,進んでコミュニケーション活動に参加する児童」の育成を目指して,授業実践を行った。本研究では,「話型の提示方法を工夫すれば,英語を話すことに自信をもつことができるであろう」「必然性のある場面や課題設定をすれば,進んで会話しようとすることができるだろう」という仮説に基づいて実践を試みた。その結果,児童は自分の考えを英語で上手く伝えることができ,積極的にコミュニケーション活動に参加する姿が見られた。

道徳

郷土のよさを実感し,郷土を愛する児童を育てる道徳教育の研究
−地域素材を生かした自作資料・自己の思いを伝え合う学習活動を通して−
小牧市立小牧原小学校 伊 藤  崇
 郷土を愛する心情を育てるためには,郷土のよさと触れ合い,先人や地域の方への尊敬と感謝の念を抱くことで,自分もまた,地域を受け継ぎよりよくしていく地域の一員であることを自覚し,そのために努めようとする心を育てていくことが大切である。そこで,本研究では,地域素材を生かした自作資料と自己の思いを主体的に伝え合う学習活動を手だてとした道徳の授業を通して,主題に迫ろうとした。研究の結果,郷土のよさを実感し,郷土をよりよくしようと生活する姿が見られるようになった。
進んで話し合い,自己の生き方についての考えを深める道徳の授業
−中心発問・問い返しの発問の精選と話し合い活動の工夫を通して−
日進市立北小学校 山 田 悠 介
 本学級の児童の課題として,「発言する児童が限られる」「話し合いが成立しない」「自分の意見をもてず受け身になる」ことが挙げられる。しかし,道徳の授業では,進んで話し合うことを通して多様な考えに触れさせることが大切である。そこで,「考えてみたい」「話し合ってみたい」という思いをもたせることを目指し,中心発問と問い返しの発問を精選した。また,話し合いが活発になるよう,ホワイトボードや名札を活用し,段階を踏ませた指導を試みた。実践を通して,これらの手だてが有効であることが明らかになった。
他者との違いから学び合い,磨き合える生徒の育成
−道徳の時間における「話し合いの場」と「振り返りの場」の工夫を通して−
東郷町立諸輪中学校 齋 藤  健
 これからの社会を生きていく生徒にとって,道徳の時間に学ぶべきことは非常に多い。そこで,道徳の時間において,他者との違いから学び合い,磨き合える生徒を育てたいと考えた。 本研究では,主題を貫く授業づくりを進めるための「話し合いの場」,授業で学んだことを継続して捉えたり共有したりするための「振り返りの場」の工夫を手だてとして実践を試みた。その結果,生徒は,多様な価値観に触れながら自分の価値観を再構築することができた。
道徳の授業を中心とした道徳教育の充実
−生徒自らが考えを深めていく授業実践−
知多市立八幡中学校 黒 田 有 貴
 本校では,道徳の授業において意見を発表する生徒は多くなく,自らの考えと他者の考えを比較し,自分なりの思いをまとめるだけで授業を終える生徒が多い。そこで,進んで意見を述べたり他者と議論し合ったりできるよう授業を工夫すれば,進んで発表をし,議論し合うことが楽しいと感じる生徒が増えると考えた。本研究では,授業の終盤に自らの考えを振り返る時間を確保したり,生徒同士が議論し合える場面を設定したりすることで,多角的・多面的に自らの考えを深めていくことができ,意見を発表したり,議論し合ったりするようになった。
仲間と学び合い,よりよく生きる生徒を育成する道徳
−話し合い活動を活性化する工夫を通して−
弥富市立弥富北中学校 児 玉 や こ
 道徳の授業において,互いの考えを尊重し合える話し合い活動を積み重ねることで,生徒はさまざまな価値観を受け入れ,よりよく生きるようになると考えた。話し合いを活性化させるために,ホワイトボード・ミーティングなどの参加型手法を取り入れ,多くの意見に触れられるシェアリング方法を用いた。一般化する発問に工夫を凝らすことで,今後の生き方について考えられるようにした。話し合い活動や道徳の授業を通して成長を感じた生徒が多く,互いの思いや価値観を伝え合い,認め合うことで視野を広げ,自らの生き方に生かす姿が見られた。
対話を楽しみ,他者と関わる生徒の育成
−道徳の授業改善を促し,教職員の同僚性を高める取組を通して−
東浦町立東浦中学校 竹 内 稔 博
 道徳授業において,対話を軸にした問題解決的な手法を取り入れた指導をすれば,生徒は他者の意見を聞いて心を響かせたり,それらを自分の考えと結び付けたりして,対話を楽しむことができるであろう。また,道徳の授業づくりの支援を継続すれば教職員の同僚性が構築され,担任は道徳授業を積極的に実践するであろう。本研究の結果,生徒は対話することを楽しいと感じたり,他者と積極的に関わったりする生徒が多くなった。また,本校の教職員も,以前より道徳授業を生き生きと実践している。
さまざまなつながりの中にある自分を見つめ,よりよく生きていくための基盤を養う道徳教育
−家庭と連携した自分事で考える道徳の時間の実践を通して−
蒲郡市立形原北小学校 河 合 貴 宝
 道徳の授業でのさまざまな出合いから児童が自分への関心を高め,これからの人生をよりよく生きていってほしいと考えた。本研究では,「自分事で考える道徳の授業を,複数時間を関連付けて,親子道徳で家庭と連携しながら行えば,児童は自分の生き方を見つめ,よりよく生きていこうとする気持ちをもつことができるであろう」という仮説に基づいて実践を試みた。児童の道徳の授業での振り返りには,自分事で考えることができた記述が見られるようになり,アンケート調査でも自分の生き方について考える児童が増加したという結果が得られた。

農業

農業の魅力を伝える実験実習の研究
−農業土木科における科目「農業と環境」の実践を通して−
愛知県立稲沢高等学校 武 田 誠 司
 農業土木科1年生の専門科目「農業と環境」において,栽培学習と環境調査の取組を通して主体的に課題解決に取り組ませる授業実践を行った。また,学科の教員間で課題や情報を共有し,協力態勢を構築することを図った。その結果,生徒は農業や地域環境への理解を示し,仲間と協働で学習課題を解決する能力を身に付けることができた。また,学科の教員との情報共有により,学習環境の整備や授業の支援への協力態勢を構築できた。あわせて,環境調査の取組を通して,農業土木科における「農業と環境」の授業改善を図ることができた。

 
技術・家庭

科学的な理解を深めながら,自立して生活する能力を高め,実践しようとする生徒の育成
−高等学校家庭科における被服実習,調理実習の学習を通して−
愛知県立丹羽高等学校 野 田 ひとみ
 家庭科の被服実習,調理実習を通して,家庭生活に関する知識・技術を習得することで自立して生活する能力を高め,自分や家族の家庭生活の改善,向上を図ろうとする意欲をもつ生徒を育てたいと考えた。そのために,@科学的な根拠に基づいた説明を加える,A個々の技能や意欲に応じた内容を自ら選択し実践する場を設定する,という手だてを講じて実践を試みた。その結果,生徒は知識・技術を向上,発展させ,それらを自分の家庭生活の中で活用工夫しようとする意識を高めることができた。

学習指導

課題における学習指導の在り方
−生徒が主体的に取り組む課題の在り方と教員の連携による効果的な学習指導−
愛知県立横須賀高等学校 田 中 佑 一
 本校の生徒の多くは学習課題に真面目に取り組んでいるが,取組の状況に対して十分な成果を得ることができていない生徒も多い。本研究では,生徒が毎日のように取り組む課題が,ただ取り組むだけのもので終わるのではなく,主体的な取組となり,成果を上げることができる効果的な取組となるような学習指導を実践した。また,教員間の連携を図ることで,多方面からの指導を取り入れた。その結果,生徒の課題に対する意識が変わり,学習への取組に変容が得られた。

学級・ホームルーム経営

主体的に学習に取り組む生徒を育成する学級経営
−生徒の進路目標に応じた指導の実践を通して−
愛知県立大府東高等学校 竹 内 正 人
 本校の生徒は,学習時間が少なく,学習に対する意識が低い。また与えられた課題以上のことに取り組まず,学習に対する受け身の姿勢も目立つ。本研究では,担任として「学習や進路実現に向けた気付きを生徒に与えることで,生徒は主体的に学習に取り組むであろう」という仮説を立て,それを検証した。面接では振り返りシートを活用し,「総合的な学習の時間」の授業ではグループワークを取り入れ,学習や大学受験に対する課題や意識の共有,改善を図った。その結果,生徒の学習に対する姿勢や意識に変化が見られた。
自立した学習習慣を育成するための組織的な指導の在り方について
−自己肯定感と学習意欲を自ら高め続けることができる生徒の育成を目指して−
愛知県立豊田高等学校 橋 本 泰 介
 本校の生徒の多くは真面目かつ素直であるが,明確な目的や目標をもって学習に取り組めていない。教員から指示されたことには取り組めるが,自分の抱える課題を見据え,その解決に向けて自ら考え行動する力の乏しい生徒も少なくない。本研究では生徒が自己肯定感と学習意欲を高め,自立した学習習慣を身に付けることができるようにするため,学ぶ意義や楽しさを理解させる組織的な指導を担任を中心とした学年の教員で実践した。3か月という短い実践期間でも,自分の課題を理解し自主的に学習に取り組むことができる生徒が増えた。
主体的に進路決定をする生徒の育成
−グループ協議を通して進路希望を実現するために,自ら進んで行動する生徒の育成を目指して−
愛知県立時習館高等学校 大 河 靖 知
 生徒が興味をもつ進路希望先について,個別研究と進路希望別のグループによる協議を中心とした研究を進めた。それによって,一人一人の主体性が向上し,進路について積極的に考えるようになり,自己肯定感が育まれていくのではないかと考えた。個別研究やグループ協議を実施し,研究発表を行う過程で,参加者の主体性が向上していく様子が観察された。主体的に進路について考える様子や,自己肯定感の醸成が見られ,本研究の効果が感じられた。

学年経営

温かい人間関係の中で,主体性をもって活動に取り組む生徒の育成
−コーチングの理論を活用した学年経営を通して−
豊橋市立二川中学校 山 下 洋 平
 教師と生徒のよりよい関係づくりと,主体的な生徒の育成を目指し,「コーチング」の手法を取り入れて学年経営の実践を行った。学年職員に対してコーチングの研修を行い,学んだことを生徒との関わりの中で実践したり,学級活動でコーチングを取り入れた認め合いの活動を行ったりした。また,清掃活動についてもコーチングを取り入れて実践を行った。実践を通して学年職員の生徒への関わり方に変化が見られるとともに,生徒もさまざまな活動に主体的に取り組むようになるなど,成果が得られた。

生徒指導

昼間定時制高校における自尊感情・自己肯定感を高めるための生徒指導
−生徒との積極的かつ日常的・組織的な関わりを通して−
愛知県立刈谷東高等学校 渡 邊 敬 人
 本研究では,生徒の自尊感情や自己肯定感を高めることを目標とし,「関わりを感じる経験」「共感される経験」「認められる経験」「適切な行動を具体的に理解する経験」を通して,存在を受け入れられていると実感できる生徒指導を実践した。その結果,自尊感情測定尺度の値が高まりを見せ,自尊感情・自己肯定感をもてる生徒,感謝の気持ちをもてる生徒を育むことができた。また,指導を通して同僚性の構築を校内で進めるきっかけをつくることができた。
自己有用感を高める指導について
−互いに認め合う活動やボランティア活動を通して−
愛知県立岡崎聾学校 五 藤 秀 典
 自己有用感とは,他者や集団の中で自分を価値ある存在として受け止める感覚である。本研究では,本校高等部生徒の自己有用感を高める実践を取り上げる。さまざまなボランティア活動に積極的に参加するように促し,活動の様子を通信や掲示などで紹介し,高等部以外の教員や児童生徒から感謝されたり称賛されたりする機会を設定した。また,教員が他人を褒める視点を示し,生徒同士が互いを褒め,認め合える雰囲気づくりを行った結果,生徒の自己有用感を高めることができた。
 

特別支援教育

病弱児の自己肯定感と他者と関わる力の向上を目指した学級活動
−小学部での異年齢集団における音楽活動を通じて−
愛知県立大府特別支援学校 吉 田 大 作
 病弱児の自己肯定感と他者と関わる力の向上を図り,自ら進んで他者とよりよく関わろうとする姿勢を育成することを目指して実践に取り組んだ。本研究では合唱のグループ練習や認め合いの時間を設定し,教師の受容的・肯定的支援体制を整備するとともに学級活動の時間に異年齢集団での音楽活動を行った。その結果,教師の適切な支援の下で児童が自ら他者と積極的に関わり,お互いを認め合う姿が増えた。これらの力を育むためには,意図的に児童同士が関わる機会を設定することと合わせ,継続的に指導を行うことが効果的であることが分かった。
生徒が目標を意識して主体的に取り組む作業学習
−視覚的な支援の活用−
豊橋市立くすのき特別支援学校 小 林 大 樹
 中学部の作業学習(木工班)の「木製コースターづくり」の授業において,「自ら進んで活動する生徒」「目標を意識して活動する生徒」を目指し,視覚的な支援を工夫した実践を行った。生徒の実態に応じた作業工程の検討や視覚的な補助具の活用を通して,道具の準備から片付けまで主体的に取り組む生徒の様子が見られた。そして,教師とのやりとりの中で,作業学習での自分の目標を確認し,学習活動において目標を達成するための行動をしようとする生徒の姿が見られた。
 
 
キャリア教育

学校全体として取り組む情報ビジネスコースのキャリア教育
−身に付けた知識・技術を生かし,主体的に進路選択ができる生徒の育成−
愛知県立守山高等学校 前 田 泰 成
 主体的に進路を選択できる生徒を育てるためには,生徒が自ら考えて知識・技術を身に付けるようにすることから始める必要があり,それについて教員間で同じ方針をもって指導することができれば進路実績も向上するのではないかと考える。本研究では,生徒に対する「上級学校との連携授業を実施する」「情報に関する資格について知る」という二つの手だてと,コースの意義などについて教員間で情報共有する取組を実践したところ,これらは生徒の主体的な進路選択に一定の効果があった。
「働く理由」を考え,深めることのできる生徒の育成
−自分と社会を見つめ,多様な価値観を学ぶキャリア教育を通して−
愛知県立犬山南高等学校 川 村 純 一
 本校2年生は,職業に就いて社会で生きるイメージをもっていない生徒や,就きたい職業の知識が不十分な生徒が多い。そこで本研究では,目指す生徒像を職業の知識を学び,働く理由を考えて深めることのできる生徒とした。そのための手だてとして,卒業生など身近な人から生き方を語ってもらい,自己の生き方を考えさせた。また,自己分析を踏まえて職業調査を行い,まとめる実践を試みた。この結果,自己の長所や特徴と関連付けて職業の理解を深め,将来自分が働いているイメージをもつことができる生徒が増加した。
学級指導における,自己理解を深める取組
−自信をもち,意欲的に活動できる生徒の育成−
愛知県立豊田高等特別支援学校 隅 田 裕 二
 本研究では,生徒が3年間を通して自分の障害に向き合い,自分自身の特性等を理解していくことで,苦手なことを自分で伝えることができるようになり,自信をもって働くことができるようになると考えた。自己理解を深める取組として,各学年で「特別支援学校での自分」「自分の障害と手帳」「自分について」をテーマに,段階的に自分の障害や特性等について担任と一緒に考えていくことによって生徒自身の自己理解が深まり,生徒自身が自己肯定感の高まりを感じ,自信をもって学校生活を送ることができるというような変容を感じることができた。