教育研究リーダー養成研修


       国 語   社 会    生活科    算数・数学    理科   体育・保健体育    音 楽 
      
      総合的な学習の時間    外国語    道 徳    商 業   福 祉    工 業    人権教育 

      学年経営    特別活動    特別支援教育    キャリア教育 

国 語 

 仲間と学び合う中で,自分の考えを広げ,深めることのできる生徒の育成
―中学校2年生国語科「読むこと」の段階的な学習指導を通して―
 江南市立宮田中学校 小 川 景 子 
 中学校の「読むこと」の領域において,ワークシートやグループ活動の展開を工夫することで,考えを広げたり深めたりすることができる生徒の育成を目指した。課題に対する自分の考えをもたせるために,実践ごとに段階を踏んで力を付けられるようなワークシートを用い,考える時間を授業の中で確保することで,自分の考えをまとめられるようになった。また,グループ活動では「交流の約束」を決めて毎時間意識させることで,自分の考えを伝え,相手の考えと比べながら聞き,質問して考えを広げたり深めたりすることができた。 
 主体的に人と関わり,考えを深めたり,広げたりできる生徒の育成
―深い学びを実現させる話し合いのツールや活動を通して―
豊明市立沓掛中学校  渡 邉 英 樹 
 本校の中学3年生は,話し合い活動に対して,学びを深めるための活動という認識はもっているものの,学びに広がりや深まりは見られない。 本研究では,話し合いのツールや活動を工夫すれば,深い学びを実現することができるという仮説に基づいて,音声言語を文字や図で表す話し合いの「見える化」,ツールや活動をグループで一つにする「シングル化」,自己との対話を促すワークシートの工夫を取り入れて,実践を行った。その結果,生徒は主体的・対話的に活動し,自分の考えを広げ,深めることができた。  

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社 会

地域社会への愛着を深め,実感をもって社会事象を理解できる児童の育成
―4年「火事からくらしを守る」社会科授業の実践を通して―
 
 扶桑町立高雄小学校 安 達 武 馬 
 社会科学習「火事からくらしを守る」の学習において,地域への愛着を深め,実感 をもって社会的事象を理解できる児童を育成したいと考えた。本研究では,「身の回りの調査活動を行うことによって実生活への興味・関心をもつことができるだろう」「地域で活動する人を教材化して学習を行うことで地域社会に対する愛着をもつことができるだろう」という仮説に基づいて実践を試みた。実践によって,地域で活動する人の思いを知り,地域への興味・関心を高め,地域貢献への意欲をもつ児童の姿が見られた。  
社会的事象を広く捉え,自らの考えを深める生徒の育成
―中学校社会科における分野を横断した学習を通して―
 
 知立市立知立南中学校 国 塚 雄 樹
 社会科で現代的課題を学ぶ重要性が指摘されている中,社会科の3分野を横断した単元構想の必要性が増している。その中で,社会的事象を広く捉え,学びを深めていくことの重要性が高まっている。そこで,本研究では分野を横断した単元を構想し,「思考ツールを活用した板書」や「資料提示の工夫」,「トゥールミン図」や「思考の見える化」などの手だてを用い,その有効性について同僚とともに研究を進めた。その結果,学びを進める中で,社会的事象を広い視野で捉え,考えを深めていく姿が見られ,手だての有効性を明らかにできた。
自ら調べ,考えを深める生徒の育成
―1年社会科「アジア州」における,学びに参加する学習活動を通して―
 
 蒲郡市立大塚中学校 田 原 直 和 
 中学校社会科において,自ら調べ,考えを深める生徒を育成するために,学習活動の工夫をする研究を行った。手だてとして,「資料提示の工夫」「ブックパートナーによる学級文庫の充実」「学級で認め合える場の設定」の三つを主に行った。 三つの手だてを通して,研究実践の単元「世界の諸地域~アジア州~」の学習で,生徒が主体的に中国について調べる姿が見られた。また,認め合う場を通して,多角的・多面的な見方ができるようになっていった。


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生活科

自分自身や身近な人々のよさに気付き,関わりの大切さを学ぶ生活科学習
―気付きの質を高める工夫を通して―
 
 北名古屋市立西春小学校 井 上 佳 美 
 本研究では,「1年生活科『じぶんでできるよ』の学習において,体験活動や伝え合い活動を効果的に位置付けたり,振り返り活動を工夫したりすれば,自分自身や身近な人々のよさや関わりに気付くであろう」という仮説に基づいて実践し,検証を行った。「家族にこにこ大作戦」や「にこにこ発表会」などの活動を通して,児童は自分自身のよさだけでなく,友達や家族のよさにも気付くことができた。また,振り返り活動を工夫したことで,自分自身と友達や家族との関わりにも気付くことができたことが本研究の成果である。


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算数・数学

つながり合い,ともに学び合う子の育成
―対話を大切にした算数科の授業を通して―
 
 小牧市立一色小学校 和 泉 秀 典 
 対話を通して,他者とつながりながら学びを深めていってほしいとの願いを込め,研究主題を設定した。「効果的な対話が生まれれば,互いの意見を認め,尊重し合い,自らの考えを深められる児童が育てられるであろう」という仮説を立て,研究を進めた。児童が対話の重要性を感じられるような授業実践を行った。とりわけ算数科の「面積」の単元においては,対話する必要性をもたせた課題を工夫し,実践を行った。その結果,児童の対話に対する意識が変化し始め,対話する中で学びを深めていく姿が見られるようになってきた。
自ら考え,自信をもって表現できる子を育成する算数科学習
―考えを深め合う話し合い活動を通して―
 
 蟹江町立学戸小学校 佐 藤 太 介 
 課題や疑問に対して自分なりの考えをもって問題解決に臨み,その考えを自信をもって発表したり,友達に教えたりすることができる児童を育てたいと願い,本実践を行うこととした。本研究では,段階的に話し合い活動を取り入れることにより,児童は自信をもって発表できるようになり,教え合いの活動を取り入れることにより,互いの考えを共有したり共感したりすることができた。また,児童は考えを整理しながらワークシートにまとめて,考えを深めることができた。  
 生き生きと学び,「分かった」「できた」を実感する子の育成
―ユニバーサルデザインを取り入れた算数科の授業を通して―
豊川市立八南小学校  夏 目 直 子 
 第5学年算数科「面積」の学習において,主体的に取り組み,生き生きと学ぶ子,学習過程の中で「分かった」「できた」を実感する子の育成を目指した。単元の導入を工夫したり,思考をパターン化させたりするなど,課題解決への意欲や見通しをもたせ,共有化や適用化などユニバーサルデザインを取り入れた授業づくりを試みた。児童は,試行錯誤しながらも,見通しをもち,自分なりの面積の求め方を考えることができた。また,グループ活動で考えを共有することで,自分の考えに自信をもち,友達に伝えようとする姿も見られた。
他者との対話を通して,深い学びができる生徒の育成
―数学における,解法が複数ある問題を用いたグループワークを通して―
 
 愛知県立半田東高等学校 桑 山 真 弘 
 本校の生徒は,学習活動において自分自身の解答に自信がもてず,また,分からない問題に対して,あきらめの早い生徒が多い。本研究では,「問題の解法を複数考え,互いに共有すれば,問題を多面的に捉えることができるであろう」「互いを評価し認め合えば,自分の考えに自信をもち,他者に伝えることができるであろう」「全体での発表,個人での振り返りを行えば,問題の理解が深まるであろう」という仮説に基づいて実践を試みた。その結果,問題を多面的に捉え,自信をもって自らの考えを伝えることができるようになった。
主体的な学習と対話的な学習から深い学びを目指す教科(数学)指導の研究
―グループ学習と自己評価を通じて深い学びを実感させる― 
 愛知県立豊田北高等学校 加 藤 将 司 
 数学の授業において,課題発見型の学習により,主体的・対話的で深い学びの実現ができ,生徒の思考力・判断力の育成ができるのではないかと考えた。本校生徒における「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」を定義し,その実現に向けた手だてを設定し実践した。パフォーマンス課題の工夫やグループ学習での環境づくり及び振り返り活動により,問題解決の手順をより深く理解できるようになった,問題への理解度が上がったという成果があった。
主体的で深い学びができる生徒の育成
―数学における「各自で考える復習」と「相互添削」の指導を通して―
 
 愛知県立安城高等学校 日比野 守 孝 
  昨今,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善が求められている。本研究では「数学的に正しい過程を経て導き出されているか吟味する“相互添削”を行うことによって,深い学びができる生徒の育成につながるであろう」「授業の理解度に応じた復習の内容や方法を各自で考えることによって,主体的な学びができる生徒の育成につながるであろう」という仮説に基づいて実践を試みた。その結果,数学的な不備に言及した添削をしたり,自分で課題を見つけて解決しようとしたりする姿が見られるという成果が得られた。
協働的な学びで仕組みを理解し,課題解決を目指した数学Ⅰ・A学習指導
―グループワークやルーブリックによる自己評価,ICTを利用して―
 
 愛知県立蒲郡東高等学校 加 藤 雄 介 
 数学Ⅰ・Aにおいて,それぞれ得意なことを生かして協働的に学ぶことができる生徒の育成を目指した。また,数学の論理や解答の仕組みを理解して課題を解決し,主体的に学ぶことができる生徒の育成を目指した。本研究では,ルーブリックによる自己評価を用いた振り返り,小テストの点数変化,ICTの活用やグループワークによって達成感とやる気を高め,正しく仕組みを理解する実践を試みた。実践の結果,多くの生徒が前向きに授業に取り組み,学びの姿勢や家庭学習への取組にも変化が見られた。


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理 科

 粒子の概念を習得するために,主体的に追究し続ける中学理科学習
―ユニバーサルデザインの視点と振り返り活動の取組を通して―
 西尾市立一色中学校 小 嶋 輝 久 
 本学級には,発言に消極的な生徒や指示がないと動けない生徒が多い。また,特別な支援を要する生徒も在籍している。そこで,「ユニバーサルデザインの視点」と「効果的な振り返り活動」の二つを手だてとし,中学校1年理科の粒子領域の単元で,主体性を育む授業の在り方について研究した。予想外の現象と出合い,生徒自らが見いだした問いを単元の目標として設定し,ユニバーサルデザインの視点によって生徒の追究活動を支えた。そして,振り返り活動で生徒の問題意識と思考をつなげていくことで,主体的な学びへとつなげることができた。
自然科学への興味・関心を高め,知識の活用を目指した高等学校物理の授業実践
―天体観測の方法と観測データの活用―
愛知県立昭和高等学校  中 村 謙 之 
 本校生徒へのアンケート調査から,自然を探究する能力や態度の高まりが不十分であることが分かった。そこで,本研究では,高等学校物理の天文分野で,生徒たちのグループ活動を中心とした主体的な活動を通じて,自然科学への興味・関心を高くもち,自然科学の知識が活用できる生徒の育成を目的とした。研究の実践後において,自然科学への興味・関心を高くもち,自然科学の知識が活用できる生徒の育成に対する手ごたえが得られた。 
授業で学んだことを日常生活に生かすことができる生徒の育成
―高等学校理科における探究活動を通して―
 
愛知県立一宮興道高等学校  前 川 剛 司 
 日常生活の中で起きるさまざまな現象を,授業で学んだことを活用して考察する力に乏しい生徒が多い。そこで,新学習指導要領の探究活動を通して,活用する力を育てられないかと考え「単元を限定し,日常生活から現象を探してくる活動」と「単元を限定せず,対象を限定し考察する活動」,また「自己の考えと他者の考えを比較共有する活動」を実施した。取組の結果,日常生活の中で物理を意識する機会が増加し,授業で学んだことを日常生活の中に生かす力を育むことにつながることを確認した。
あらゆる生徒が主体的に参加できる学習方法の探索
―生物分野における主体的・対話的で深い学びの実現に向けた工夫―
 
愛知県立佐屋高等学校  成 田 敦 彦 
 農業科・家庭科が設置された専門高校である本校の生徒は,「総合実習」や「課題研究」を通して学習への自信をもっている。これは,新学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」の指導方針と符合する。一方,理科分野でも「主体的・対話的で深い学び」を導入しているが,自発的な発言をしない生徒が目にとまる。そこで,より多くの生徒が自発的に発言し,主体的・対話的に取り組む方法を検討した。その過程でクラスの状況と,実習方法への生徒の反応に相関があり,クラスの状況に合わせた実習方法を検討すべきであることが分かった。
実験事実から実感をもって化学を学ぶ生徒の育成
―段階的な設問を踏まえて行う生徒実験を通して―
 
 愛知県立三好高等学校 藤 井 泰 志 
 高等学校の多くの生徒は,知識は豊富で定型問題は解答できるが,知識を関連付けて課題を解決することが苦手で,抽出・整理した情報から関連性や傾向を見いだす力を育成することが必要である。そこで,段階的な設問を用意し,事実を積み上げていく実験と観点別の自己評価を行うことで,「情報を関連付ける力が育成されたか」「化学の自然現象に実感を見いだすことができたか」を検証した。3回の実験を通し,濃度計算など技能面が未熟なことによるつまずきはあったものの,多くの生徒が自ら結論を導き,化学の自然現象に実感を見いだすことができた。 


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体育・保健体育

児童自ら自己の課題を見つけ,その解決に向けて思考を深め,技能を高める体育学習
―動きの比較・分析を目的とした視覚的支援の工夫を通して―
 瀬戸市立幡山東小学校 伊 藤 孝 浩 
 本研究では,児童自らが自己の課題を見つけ,その解決に向けて課題に合った練習の場を選択すれば,児童は思考を深めながら試行錯誤し,その結果,技能を高めることができるであろうと考え,本研究の主題を設定した。動きを理解・分析できるよう,学習カードを工夫し,タブレット端末を使用して視覚的支援を講じた。また,児童自ら選択できる場を工夫した。その結果,ポイントを理解することができ,学習カードには課題解決のために思考を深めた記述が増えた。そして,多くの児童に技能の高まりが見られた。
 運動の楽しさを実感できる児童を育てる体育学習
―全員が夢中になるボール運動の実践を通して―
 碧南市立西端小学校 磯 貝 征 伯 
 これまで本学級の体育の実践では,自ら課題を発見し,解決していくことを目指して授業を展開してきたが,課題の解決まで至らないことが多かった。そこで,「できるようになる」という運動の楽しさを実感できる児童を育成するため,「ゲーム中心の単元構想を組み,教材・教具を工夫することで,課題を発見し」「映像を視聴させたり,プリントに朱書きしたりすることで,課題を解決できる」だろうという仮説に基づいて実践を試みたところ,児童自らが課題を発見し,それを解決するための有効な手だてを明らかにすることができた。
学び合うことで運動への関わりを深める体育学習
―運動感覚と技術ポイントの言語化の活用を通して―
 
愛知県立東海南校等学校  木津谷 篤 史 
 生徒が学び合う姿,つまり生徒自身が思考・判断し,発言したり行動したりできるようにするための授業づくりに取り組んだ。本研究の手だてとして,毎時間の学習カードやタブレット端末を使った動きの映像化,スポーツオノマトペなどを用いつつ,授業を種目ごとに実施した。授業を進めていく中で,生徒同士が対話し,学び合う姿が見られ,生徒が自らの技能を向上させるとともに,運動の楽しさを実感できたと考えられる。


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音 楽

リコーダー奏法の基礎を身に付け,自分の思いを表現できる音楽科の学習
―3年「曲の特徴を聴き取り,思いを深める」活動を通して―  
田原市立田原東部小学校  中 神 淳 子 
 音楽科において,思いをもって表現することは大切である。本学級の児童は,歌うことが好きである。しかし,音楽のよさを感じ取り,思いを言葉に出して表現する力が弱い。本研究では,3年生から習い始めたソプラノリコーダーの演奏を通して,基本的な奏法を身に付けるために,ゲーム感覚の練習を行う。そして,曲の特徴に合った表現をするために,身体表現を試みた。その結果,基本的な奏法を身に付けることができ,曲の特徴に合う表現をする活動に主体的に取り組むことができた。


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総合的な学習の時間

 主体的に課題を解決しようとする生徒の育成
―総合的な学習の時間「豊橋市の課題を解決する」を通して―
 豊橋市立豊橋高等学校 瀬 尾 匡 史 
 総合的な学習の時間「豊橋市の課題を解決する」を通して,「主体的に課題を解決しようとする生徒の育成」を目指し,研究を行った。本研究では,「自ら課題を発見し,他者と協働的に解決策を導き出し,その過程を振り返ることで探究することの意義を実感できれば,自己の在り方・生き方を問い続ける態度が身に付くだろう」という仮説に基づき,実践を試みた。その結果,直面した課題を主体的に解決することを通して,自己の在り方・生き方や社会をよりよくしたいという生徒の思いが高まった。 
 人と関わりながら自己効力感を高め,主体的に動くことができる生徒の育成
―総合的な学習の時間「我ら役立ち隊になろう!」の実践を通して―
豊田市立豊田特別支援学校   春 本 規 裕  
 本研究では,総合的な学習の時間「我ら役立ち隊になろう!」の授業において,「課題に進んで取り組む生徒」「自己効力感を高める生徒」を目指し,人と関わりながら活動する実践を行った。友達と目標や活動の共有化を図ったり,他者から認められる環境を設定したりして,ごみの分別活動を実施することで,生徒に自分の役割を自覚する主体的な言動が見られるようになった。実践を通して,生徒は人の役に立つ達成感を肌で感じ,自分の行動に自信を得ながら,自己効力感を高めていくことができた。 


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外国語

 主体的にコミュニケーションを図ろうとする生徒を育成する外国語科学習指導
―「
CAN-DOリスト」の形での学習到達目標の設定と領域統合型のコミュニケーション活動の充実を通して―     
 稲沢市立明治中学校 宇佐見 行 政 
 主体的にコミュニケーションを図るとともに,さまざまな相手と互いの思いや考えを的確に伝え合うことができる生徒の育成を目指して,本研究に取り組んだ。学期や題材などのまとまりにおいて,「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標を設定することにより,生徒は自律的学習者としての態度や姿勢を身に付けることができた。また,領域統合型のコミュニケーション活動を充実させることにより,生徒は「聞くこと」「読むこと」「話すこと[やり取り]」「話すこと[発表]」「書くこと」の五つの領域を結び付け,英語力を向上させることができた。
英語で「やり取り」できる力を育てる授業の実践
―中1英語 即興で伝え合う活動を通して―
 
 春日井市立坂下中学校 伊豆原 章 人 
 中学校学習指導要領解説外国語編(2017)において,「『やり取り』・『即興性』を意識した言語活動が十分ではないこと」が課題として挙げられている。生徒の「英語を話す力を伸ばしたい」という気持ちを踏まえ,新学習指導要領にて設定された領域「話すこと[やり取り]」に着目し,目指す生徒像を「即興で伝え合う活動を通して,英語で『やり取り』できる生徒」とし,本研究を進めることにした。対話を継続・発展させる方法を指導し,即興で伝え合う活動を行ったところ,英語で「やり取り」できる力を伸ばすことができた。
持続可能な社会を目指し,英語で考えを表現できる生徒の育成
―協同的探究学習の実践を通して―
 愛知県立天白高等学校 奥 田 紀 子 
 高校英語の「自然との共生」をテーマにした単元において,持続可能な社会を目指す生徒,及び英語で考えを表現できる生徒の育成を目指した。本研究では,「深い学び」の実現のために「協同的探究学習」を取り入れ,英語で考えを表現できるよう,グループでの個の役割の工夫や英語表現の例を与える支援をした。その結果,生徒は多様な意見を知り,「持続可能な社会を目指す」ことに関して考えを深めた。また,「協同的探究学習」を英語で行うことで,自信をもって英語で考えを表現できる生徒が増加する成果が得られた。


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道 徳

学び合いの中で自分の生き方について再考することができる児童の育成
―グループミーティングを用いた道徳科学習を通して―
 
 一宮市立浅井南小学校 藤 田 しのぶ 
 道徳科の授業を通して,道徳的価値に関わる諸事象を自分のこととして捉え,自己の生き方についての考えを深めることができる児童の育成を目指して本研究に取り組んだ。道徳的価値の諸事象を自分のこととして捉える活動や,友達の考えに出合う学び合いの場の工夫を柱として,グループミーティングを授業の中心に位置付けた実践を行った。その結果,道徳的価値を曖昧にしか捉えられなかった児童も,実感を伴った理解をした上で自分の考えを見つめ直し,今後の生き方を再考できるようになるという成果が得られた。
学び合い,高め合う子の育成
―2年道徳科 話し合いの工夫や,こころのカードの活用を通して―
 
尾張旭市立渋川小学校  川 澄 真由子 
 本学級の児童は,積極的に発言をすることが苦手だったり,多面的・多角的に考える力が不十分だったりする児童が多い。そこで,ペアワーク・グループワークなどを活用したり,児童の意見をつないで焦点化・共有化したりする手だてを取り入れ,話し合い活動を工夫した。また,中心発問やゆさぶり発問を工夫し,「こころのカード」を効果的に提示したり,OPPシートを活用したりすることにより,多様な考えに気付き自分の考えを深められるよう取り組んだ。このような実践を通して,学び合い,高め合う子の育成につなげることができた。
自分の考えを,自信をもって伝え,課題を追究できる生徒の育成
―中学3年生道徳 考えを認め合い,課題を捉え,向き合う活動を通して―
長久手市立南中学校   深 谷 麻 衣
 本学級の生徒の実態から,自分の考えを自信をもって伝えることができたり,課題をよりよく解決していこうと追究できたりする生徒を育成したいと考えた。そこで本研究では,「友達と意見を共有し,認め合えば,自分の考えに自信がもてるようになるであろう」「自分自身の問題として捉え,向き合う活動を行えば,課題をよりよく解決できるようになるだろう」という二つの仮説に基づいて,四つの手だてを講じた。その結果,生徒は自分の考えに自信をもつとともに,議論し追究する力を高める姿が見られた。
自己の生き方についての考えを深め,主体的に判断できる児童の育成
―考え,議論する道徳科の学習の実践を通して―
 東海市立加木屋小学校 山 下 将 弘 
 本研究では,考え,議論する道徳科の授業を通して,友達と関わり合う中で自分の考えを深め,よりよい生き方を考えられる児童の育成を目指した。児童が価値に多面的・多角的に迫れるような発問を吟味したり,児童の興味・関心が導入から中心発問や振り返りにまでつながるように授業展開を工夫したりした。また,児童が自らの変容に気付くことで成長を実感し,よりよく生きようと主体的に判断できるように,授業の振り返りの方法を工夫した。実践を通して,これらの手だてが有効であることが明らかになった。
道徳的な問題を自分事として捉え,考えを深めていく生徒の育成
―生徒の経験を生かした授業の構成とワークシートの工夫を通して―
南知多町立篠島中学校  宮 下 裕 紀 
 道徳の教科化に向けたPDCAサイクルを通して,「道徳的な問題を自分事として捉え,考えを深めていく生徒」を育成したいと考えた。その中で,生徒の実態に合った手だてを考えたり,授業づくりについて学び合ったりする研修を実施した。本研究では,生徒の経験を生かした授業の構成とワークシートの工夫を手だてとして,実践を試みた。その結果,生徒たちは実践前と比べて道徳的な問題を自分事として捉えられるようになり,また自分の考えの深まりを実感できるようになった。
自己を見つめ,多様な視点で考えを深める児童の育成
―話し合いを充実させた道徳科の実践を通して―
安城市立今池小学校  稲 田  喬 
 本学級の児童は道徳科の授業において「自分の考えをもつことが苦手」「自分の考えと違う考えの意見を受け入れることができない」という課題があった。そこで,「話し合い」や「発問」を工夫することで,多様な視点で考えを深めさせることができると考えた。実践を通して,多様な視点で考えを深めるために,考える時間や話し合う時間を確保するなどの話し合いを工夫することは有効であった。発問の工夫は,主発問や補助発問が児童の実態に合っていれば有効であり,児童の実態に合わせた発問になっているかの吟味が必要だと分かった。
児童の自尊感情を高めるための3年道徳科の授業
―話し合いをメインにした授業の工夫を通して―  
 幸田町立豊坂小学校 可 知 佳 奈 
 道徳の時間が「特別の教科 道徳」として新たに位置付けられた。そこで,目指すのは「自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の生き方について考えを深められる学習」である。本研究では,道徳科の授業を通して児童の自尊感情を高めることで,道徳的な実践意欲の高まりにつながると考えた。手だてとして,三人一組での話し合いの場を中心とした実践を行った。その結果,児童は自尊感情を高めるとともに多面的・多角的な考えに触れ,道徳的価値に対する実践意欲の高まりや実践する姿が見られるようになった。
自己肯定感を高め,仲間とよりよく生きようとする子どもの育成
―対話活動を工夫した6年道徳科「
Love is All」の実践を通して―  
 豊橋市立下地小学校 石 田 実友希 
 自分自身を大切にする思いをもち,仲間とともによりよく生きようとする子どもを育成するために,道徳科の授業において,「グループトーク」「愛・Iカード」を活用し,対話活動を工夫した実践を試みた。自己の価値観の変容に気付き,自己肯定感を高める手だてとして,振り返りカードの中で「LOVEバロメーター」を活用した。この実践を通して,自分の思いを素直に伝えられるようになり,あらゆる場面で自他を認め,意欲的に学校生活に関わっていく姿が見られるようになった。
 よりよい生き方について考えを深める子どもの育成
―自分自身へ問いかけていく道徳科の授業づくり(5年生)を通して―
豊川市立天王小学校  小 倉 愛 子 
 「特別の教科 道徳」において,児童がよりよく生きるための考えを,自分の内面から探し出したり,友達の考えをきっかけに新たに気付いたりする授業を実践したいと考えた。そこで,ねらいを貫くテーマ発問,道徳ノート,ファシリテーショングラフィックを意識した板書を手だてに,授業を組み立た。その結果,道徳科の授業において,自分の思いや考えをもつことができた児童が増えた。さらに,児童の自尊感情にも,肯定的な変化が見られる成果が得られた。
 自分の考えを伝え,互いを認め合える道徳教育
―友達との関わり合いを意識した話し合い活動を通して―
 新城市立東郷中学校 山 本 英 司 
 道徳の授業において,話し合い活動を生かした学習活動を行えば,友達の考えのよさから,多面的・多角的に考えを深めようとする力が育まれるだろうと考えた。多様な価値観に触れさせるため,二つ以上の道徳的価値を含んだモラルジレンマ教材を使った問題解決型の授業に取り組んだ。また,友達と互いに認め合うための「To Go Card」の活用や,自分事として話し合いができるよう,学校生活での身近な問題を提起する授業を展開した。これらの手だてを通して,自分たちで議論し,考えを深めることができる生徒へ成長していった。


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商 業

国際人として貢献できる社会人基礎力の育成
―多様な人々をつなぐ職業人としての心構えに関する学習を通して―  
 愛知県立春日井商業高等学校 児 玉 恵 理 
 本研究の目標は,生徒を,グローバルな経済社会で求められる社会人基礎力を有し,多様な人と人とをつなぐ人づくりができる人材に育成することである。傾聴力や情況把握力,自己効力感が不足する生徒の実態に対し,就業体験活動や海外修学旅行,国際理解教育をはじめとした取組を通して,国際人として貢献するために必要な社会人基礎力の育成を目指した。その結果,グローバルなビジネス人材として必要とされるための心構えを明確にもたせることができた。


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福 祉

福祉科における効果的な学習内容とその評価方法について
―社会福祉に貢献できる心豊かな介護福祉士を目指して―
 
 愛知県立古知野高等学校 岩 城 令 佳 
 本研究は,高校福祉が社会に果たす役割を踏まえ,よりいっそうの教育内容の充実を図るとともに社会福祉への貢献を念頭において進めてきた。心豊かな介護福祉士の育成のために,授業では科目間の横断的学習の実践を通して,物事を多角的に捉えることを目指し,介護実習では自己の能力を客観的に捉え,課題解決能力を高めることを目標とした。このことから,主体的・対話的で深い学びの実践が学習意欲に大きく影響し,生徒自身の目標が経験とともに高度なものへと変化することが分かった。


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工 業

知識を定着させ,生徒の考える力を育成する授業の在り方
―体験的な活動を通して学ぶ土木構造設計―
 
 愛知県立豊橋工業高等学校 熊 谷 広 芳 
 本研究では生徒の知識を定着させ,考える力を育成するためには,図解や模型を用いることが効果的であると考えた。さらに,その知識を生かして,グループワークやプレゼンテーションを行うことで,対話的で深い学びにつながるであろうと考えた。学びを深めるために身近にあるパスタを用いて橋の模型を製作させ,プレゼンテーションや載荷試験を行った。生徒の振り返りやアンケートより,構造についての理解が高まったことが分かった。課題として,プレゼンテーションで育てたい力を明確にし,発表内容や活用方法を検討する必要がある。 


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人権教育

多様性を認め,自他の存在を尊重する意識を高める人権教育の取組
―他者との交流活動を通して―
 
 津島市立天王中学校 峯 村 周 一 
 本研究では,学校教育全般にわたって他者と関わる活動を充実させ,よりよく関わる技能を高めるとともに,互いの違いを認め自他を大切にする気持ちを養いたいと考えた。そこで,人権に視点を当てた体験的な活動を設定したり,話し合い活動の工夫をしたりした。さらに,振り返り活動を充実させることで,互いの違いを認め合い,これからの生き方を考えさせた。その結果,自分の意見に自信がもてるようになったり,相手の考えを聞いて,自分の見方や考え方を深めたりする生徒の姿が見られるようになってきた。


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学年経営

よりよい生活を目指し,協力して主体的に取り組む児童の育成
―児童の願いを生かし,達成感を感じさせる学年経営を通して―
 
 一宮市立葉栗小学校 稲 木 華 代 
 よりよい生活を目指し,協力して主体的に取り組む児童の育成を目指して,小学校6年生を対象に研究を進めた。本研究では,「学年行事における取組で,児童の願いを生かし,達成感を感じさせること」と「認め合う関係づくりや協力の仕方を学ぶグループワーク」の二つを手だてとして,実践を試みた。これらの手だてにより,自分たちで考え行動し,協力して活動する力が伸びた。また,学年経営において,学年の教師が,目指す児童の姿を共有し,共通理解の基で指導に当たる重要性を実感することができた。 
自啓自発を体現できる生徒の育成
―担任会の充実と学校行事等を通して―
 
愛知県立日進西高等学校  愛 知 輝 樹 
 本校の校訓である「自啓自発」とは自己啓発のことであり,全ての生活の中で,「自己を高めよう」とする積極的な意志をもって努力することである。そこで,学年主任として学年団(教員)にアプローチして教員と生徒との関係を改善することにより,校訓を体現し,主体性をもって自分を磨き,自律心をもって行動することのできる生徒の育成につなげたいと考えた。


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特別活動

人との関わりを大切にし,チャレンジできる生徒の育成
―振り返りと次の目標設定を取り入れた学級活動を通して―
 
 みよし市立三好中学校 朝 岡 信 博 
 本研究では,目指す生徒像を「自分や学級を見つめ,成果や課題を的確に把握し,目標を設定することができる生徒」「友達との関わり合いを生かしながら,目標を追求することができる生徒」とした。合唱コンクールに向けた取組の中に学級活動を意図的に設け,振り返りや目標設定,話し合いにおける比較基準の設定やファシリテーターの配置などの手だてを講じて,実践を試みた。実践を通して,学級活動やその後の活動において,グループの話し合いに進んで参加して合意形成を図り,全体で決めた目標に向けて自ら行動する生徒の姿が見られた。 


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特別支援教育

 他者と楽しく関わり,外国の生活や文化に興味をもつことができる盲学校重複障害学級児童の育成
―生活単元学習における外国語活動の実践を通して―
 愛知県立名古屋盲学校 中 山 浩太郎 
 本研究では「生活単元学習において,英語で簡単な挨拶やゲームをしたり,歌を歌ったり季節の行事を行ったりすることで,他者との関わり方を深めたり文化の違いに気付いたりすることができるのではないか」という仮説を基に,他者と楽しく関わり外国の文化に興味をもつことができる児童の育成に取り組んだ。児童は挨拶や歌を通して学習したフレーズを用いて友達に話しかけることができた。また,ハロウィンなどの行事において,飾りやお菓子などの具体物を用いた活動を通して,外国の文化に親しむことができた。
重複障害学級の生徒が主体的に取り組む自立活動の指導
―アセスメントチェックシートと授業計画シートの作成と活用を通して―
 
 愛知県立豊川特別支援学校 柴 田 涼 子 
 本校の中学部重複障害学級には,知的障害と自閉スペクトラム症などの障害を併せ有し,日常生活全般で介助を必要とする生徒が在籍している。本研究では,「重複障害学級用アセスメントチェックシート」「授業計画シート」の作成と活用を通して,客観的な実態把握や発達段階に合った目標設定と授業計画を行い,生徒が自立活動に主体的に取り組むようになることを目的とした。対象生徒の変容や教師への聞き取り調査を通して二つのシートの有効性を検証した結果,実態把握や目標設定などのツールとして有効であることが明らかになった。
 肢体不自由児の主体的な学習に向けた取組
―自分でパソコンを操作して文章を書くことを通して―
 愛知県立岡崎特別支援学校 荻 原 久美子 
 障害により一人で文字を書くことに困難さのある児童が,支援機器を操作して自分で文章を書くことができるようになれば,主体的に学習を進めることができると考えた。また,自分の要求を適切な言葉遣いで正しく相手に伝える力を伸ばすことにも取り組んだ。検証の結果,実態に合った機器や環境を整え,段階的に学習を繰り返し行ったことで,児童は一人で文章を書くことができるようになり,学習に主体的に取り組むようになった。今後は,適切な話し方の習得に向けた継続的な支援と,教師への支援機器の活用に関する研修の充実が課題である。


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キャリア教育

 グローバルな視点から,学ぶことや働くことの意義を見つけようとする生徒の育成
―外部機関を活用し,仲間と協働して学ぶキャリア教育を通してー
武豊町立富貴中学校  東  航 平 
 本研究は,「グローバルな視点から,学ぶことや働くことの意義を見つけようとする生徒の育成」を研究主題として設定し,キャリア教育の分野で継続的な実践を試みた。代表生徒を募集して外部機関を活用した学びの場を設定することで,多様な他者の考えや立場を理解できるようになった。また,全校生徒に学びを共有する機会を設定することで,自らの役割について自覚を深めることができ,学ぶことや働くことの意義を見つけようとすることができるようになった。
自らの役割を理解し,主体的に活動ができる生徒の育成を目指したキャリア教育
―教科・領域の関連をより重視した取組を通して― 
愛知県立三好特別支援学校  榎 本 一 行 
 本校高等部の知的障害のある生徒が主体性を身に付けるための取組である。作業学習を実践の主たる場として,主体性を発揮するためには,自らの役割の理解と状況に応じて周囲と協力し課題を解決していくことが必要だと考える。また,生徒に関わる教員がアセスメントを基に生徒の実態を適切に把握し,方向性を整えた支援を行うことで,生徒の成長を促すことができると考える。また,教科・領域を超えて連携を図り,教育を展開することで,生徒は自分に自信をつけながら成長することができると考える。


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