ここでは,生徒アンケート結果を基に分析して得られた特徴的な傾向などについて報告する。


※   「率」について…数値はすべて少数点以下第2位を四捨五入したものである。また,無効回答もあるため,各項目の合計は100%とならない場合がある。
 設問に対する回答は,項目の中から一つだけを選んだ結果である。
   


1 情報機器の利用状況

(1) 児童生徒が友達との連絡によく使う情報機器について<小問8,中高問7>

 家庭用電話機利用が多いのは小学生であり,中学,高校と上がるにつれて,携帯電話の利用が多くなる。小学6年生から高校1年生までの間で友達との連絡に使う情報機器として携帯電話の利用が急増している。特に,中学校3年間での変化が大きいことが分かる(図1)。この結果は,当センターが平成19年度に行った「情報教育推進のための実態調査」アンケートの結果と比較をすると,ほぼ同じような分布になっている(図2)。なお,この問では,普及が急速に進むスマートフォンと携帯電話の分けていない。
 当調査と同時期の平成24年11月に内閣府が行った「青少年のインターネット利用環境実態調査」では,高校生のスマートフォン保有率が55.9%であった。今回のアンケート結果にある,携帯電話という回答の中にもスマートフォンの利用が多く含まれ,平成19年度調査の「携帯電話」という回答と内容が大きく異なっていることが考えられる。

小学4年生 小学5年生 小学6年生 中学1年生 中学2年生 中学3年生 高校1年生 高校2年生 高校3年生
1.家庭用電話機 63.9% 71.0% 65.5% 47.3% 31.8% 20.8% 1.9% 1.3% 1.7%
2.携帯電話 20.0% 15.7% 20.6% 37.8% 54.6% 60.5% 92.2% 93.0% 91.6%
3.ファクシミリ(ファックス) 1.0% 0.4% 0.3% 0.3% 0.0% 0.3% 0.4% 0.2% 0.4%
4.パソコン 0.9% 0.9% 2.0% 3.9% 6.6% 7.1% 1.5% 2.5% 2.4%
5.タブレット端末 0.3% 0.8% 0.6% 1.8% 0.8% 1.9% 1.9% 1.0% 1.6%
6.通信機能付き音楽プレーヤー 0.4% 0.7% 1.3% 1.0% 2.5% 4.2% 1.4% 0.8% 0.6%
7.通信機能付きゲーム機 2.0% 1.5% 2.2% 2.3% 0.7% 0.5% 0.1% 0.1% 0.1%
8.インターネット対応テレビ 0.0% 0.0% 0.1% 0.1% 0.0% 0.0% 0.0% 0.1% 0.0%
9.その他の情報機器 0.6% 0.6% 0.3% 0.0% 0.0% 0.3% 0.1% 0.0% 0.1%
10.情報機器を使っていない 9.0% 6.2% 5.3% 3.3% 1.6% 2.4% 0.1% 0.5% 1.0%
無答 1.9% 2.2% 1.6% 2.2% 1.5% 2.2% 0.4% 0.5% 0.6%

図1 児童生徒が友達との連絡によく使う情報機器について(H24年実施)

情報教育推進のための実態調査(平成19年度実施) 本調査(平成24年度実施)
※比較のため選択肢5〜8をその他として集計
図2 連絡に使う情報機器の比較

(2) 家庭で利用するパソコンで一番目,二番目によくしていることについて<小問9,10,11,中高問8,9,10>

 自分のパソコンを利用する生徒は高校生でも2割に満たないが,家族のパソコンを含めるとどの校種でも8割以上になり,多くの児童生徒が家庭でパソコンを利用していることがわかる。このような,家庭でのパソコンやインターネットの利用状況を踏まえ,小学生の段階からこれらの利用について保護者の指導や見守りが必要であることが分かる。

小学生 中学生 高校生
1.自分専用のもの 6.9% 10.9% 18.4%
2.家族のもの 70.3% 68.9% 64.5%
3.パソコンはあるが使わない 15.6% 11.9% 11.5%
4.パソコンはない 5.1% 6.1% 4.7%
無答/誤答 2.0% 2.3% 0.9%
*「小学生」は小学4年生〜6年生を意味する。以下同様。 

 
図3  家庭で利用するパソコン 校種別

パソコンで一番目,二番目によくしていることについて
小学生 男女別
パソコンで一番目,二番目によくしていることについて
中学生 男女別
パソコンで一番目,二番目によくしていることについて
高校生 男女別
     
図4 パソコンでよくしていること

*図4は一番目,二番目の回答を合わせた200%のグラフ


2 携帯電話の利用状況

(3) ふだん使う携帯電話について<小問12>

 小学生の携帯電話の利用については,6割以上の児童が携帯電話を利用すると答えている。男女別では,男子56.5%,女子66.7%と,女子の方が携帯電話の利用が多くなる(図5)。また,自分の携帯電話を利用している割合は学年が上がるにつれて増加し,6年生では約3割の女子児童が自分の携帯電話を利用している(図6)。

小学生全体 小学生男子 小学生女子
1.自分の携帯電話 24.1% 20.8% 27.5%
2.家族の携帯電話 37.4% 35.7% 39.2%
3.携帯電話は使わない 31.5% 36.1% 26.6%
無答/誤答 7.0% 7.4% 6.7%

 
 図5 ふだん使う携帯電話(小学生 男女別)

4年男子 4年女子 5年男子 5年女子 6年男子 6年女子
1.自分の携帯電話 21.1% 24.7% 17.6% 26.8% 23.5% 30.5%
2.家族の携帯電話 42.0% 43.8% 40.0% 40.3% 26.4% 34.2%
3.携帯電話は使わない 27.9% 24.2% 33.3% 24.1% 45.7% 31.2%
無答/誤答 9.0% 7.2% 9.1% 8.8% 4.4% 4.1%
総計 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

 
 図6 ふだん使う携帯電話(小学生 学年男女別)

(4) 携帯電話の取得時期について<中高問11>

 中学生では卒業前までに5割以上の生徒が携帯電話を取得している。また,高校生では高校入学前後までで9割以上が携帯電話を取得している。高校入学前後に約1/4の生徒が携帯電話を取得することがわかる。このことから,携帯電話に関する情報モラル指導のタイミングも携帯電話の取得が増える中学校が重要な時期の一つであると言える。

中学生 高校生
1.小学6年生の2月まで 25.0% 22.6%
2.中学入学前後(3〜4月) 7.7% 10.3%
3.中学1年生(5月〜) 10.7% 11.1%
4.中学2年生 8.6% 11.5%
5.中学3年生(〜2月) 1.8% 9.3%
6.高校入学前後(3〜4月) 25.2%
7.高校1年生(5月〜) 5.1%
8.高校2年生以降 0.5%
9.持っていない 39.3% 1.6%
無答/誤答 6.9% 2.7%

 
 図7 携帯電話の取得時期 中高の比較

(5) 携帯電話でよくしていることについて<小問13,14,中高12,13>

 学年が進むにつれて携帯電話本来の「通話」機能よりも,「インターネットやメールの利用」という回答が多くなる。携帯電話がインターネットやメールのためのコミュニケーションのツールとしての利用が多くなることが分かる。

小学生 中学生 高校生
1.通話 67.8% 56.0% 51.0%
2.インターネットやメールを利用する 36.3% 75.2% 85.4%
3.音楽CDなどを取り込んで聴く 7.5% 13.5% 15.8%
4.テレビを見る 7.8% 7.5% 3.2%
5.写真の撮影 20.5% 12.1% 15.9%
6.ゲームアプリの利用 ※             19.7% 11.3% 12.0%
7.電子書籍(マンガを含む)を読む 1.5% 1.3% 2.1%
8.学習に利用 3.2% 1.5% 1.3%
9.その他 4.8% 3.0% 1.4%
10.特にない 22.9% 11.3% 7.7%
無答 7.9% 7.4% 4.1%

※小学生6.(インターネットにつながらない)ゲームアプリを使う


図8 携帯電話でよくしていること(校種別) 

(6) 授業以外の学習時間とふだんの携帯電話でのメール送受信回数について<小問3,問16,中高問4,問16>

 メールの送受信回数と授業以外の学習時間との関係を見ると,小学生では学習時間に関係なく,メールの送受信回数が「ほとんど使わないから10回以下」という回答が9割以上と多くなっている。11回以上と答えている生徒も含め,全体的なグラフの分布を見ると,学習時間との相関は見られない。小学生では,携帯電話でのメールは学習時間に影響していないことが分かる。中学生ではメールの利用が増え,授業以外の学習時間が少ない生徒ほど,メールの送受信回数が増加する傾向が出てくる。51回以上と答えた生徒の割合も増え,メールの送受信やインターネットの利用に時間をとられているのでないかということが考えられる。高校生では学習時間が短かい生徒ほどメールの送受信回数が多い生徒の割合が多くなるという傾向が,最も顕著に現れてくる。
 また,中学生よりも,メールの利用が10回以内の生徒の割合が増えている。これは,スマートフォンを取得した高校生がメールではなく,無料通信アプリなどを利用してメッセージをやり取りしたり,SNSを利用したりすることが増えているためではないかと思われる。本研究会の研究協議の場でも,研究協力委員の先生から,児童生徒は無料通信アプリの利用がほとんどで,メールは使わないという生徒がいたとの報告もあった。

小学生 中学生  高校生
ほとんど使わない
〜10回
11〜20回 21〜30回 31〜50回 51回以上 ほとんど使わない
〜10回
11〜20回 21〜30回 31〜50回 51回以上 ほとんど使わない
〜10回
11〜20回 21〜30回 31〜50回 51回以上
ほとんどしない 91.8% 0.0% 6.1% 0.0% 2.0% 39.1% 10.2% 10.9% 10.2% 29.7% 55.1% 11.3% 10.1% 7.7% 15.8%
30分未満 92.3% 3.0% 3.0% 1.8% 0.0% 45.0% 10.0% 10.8% 10.8% 23.3% 59.6% 13.3% 9.5% 7.6% 10.1%
30分以上1時間未満 92.5% 3.4% 2.2% 0.7% 1.2% 58.1% 9.7% 11.4% 7.2% 13.6% 64.8% 13.7% 6.7% 6.6% 8.2%
1時間以上2時間未満 92.4% 3.4% 2.7% 0.6% 0.8% 57.3% 15.5% 10.0% 7.8% 9.4% 66.0% 14.3% 7.0% 5.6% 7.1%
2時間以上3時間未満 91.6% 3.1% 1.9% 2.7% 0.8% 49.8% 18.6% 11.2% 10.4% 10.0% 73.7% 9.7% 6.4% 5.9% 4.2%
3時間以上 91.3% 3.6% 3.6% 1.4% 0.0% 60.5% 14.3% 8.4% 5.9% 10.9% 80.6% 10.1% 2.2% 3.4% 3.7%
普段の携帯でのメール
送受信回数
92.2% 3.2% 2.7% 1.2% 0.8% 53.0% 13.9% 10.5% 8.6% 13.9% 63.2% 12.4% 7.8% 6.6% 10.0%

小学生 中学生 高校生
図9 授業以外の学習時間とふだんの携帯電話でのメール送受信回数

(7) 保護者と決めた携帯電話の利用方法,利用内容のルールについて<小問21,問23,中高問21,問22>

 保護者と決めた携帯電話の利用方法のルールについては,小中で5割近くの児童生徒がルールがあると答え,高校生でも4割近くになる。利用内容のルールについても,利用方法のルールと同じような傾向が見られる。この結果を当センターが平成21年度に高校生を対象に行った「情報モラル教育に関する実態調査」の結果と比較すると,どちらも若干増えていることが分かる(図10)。

   携帯電話の利用方法のルール  携帯電話の利用内容のルール
小学生 中学生 高校生 高校生
(H21調査)
小学生 中学生 高校生 高校生
(H21調査)
1.ある 48.0% 51.0% 39.3% 33.8% 47.7% 60.9% 39.7% 36.6%
2.ない 46.7% 46.2% 59.4% 65.0% 42.8% 36.4% 59.1% 61.9%
無答/誤答 5.3% 2.9% 1.3% 1.2% 9.4% 2.7% 1.3% 1.5%
合計 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

携帯電話の利用方法のルール 校種別 携帯電話の利用内容のルール 校種別
図10 携帯電話の利用に関するルールの比較 


(8) 携帯電話のフィルタリング利用状況について<小問25,中高問23>

 フィルタリングについては,平成21年4月から18歳未満の青少年には,保護者から申し出がある場合を除いてフィルタリングを適用することが義務付けられている。 小学生では,「フィルタリングが何か分からない」という回答が,自分の携帯を持っている児童の5割を超えていた。これは,小学生ではインターネットで利用できるサイトが制限されている契約であったり,フィルタリングされるサイトにアクセスしたりすることがなかったりして,フィルタリングを意識することがないためとも考えられる。
 高校生では「フィルタリングしている」という生徒は31.8%だが,「フィルタリングしているかどうかわからない」という回答も18.3%あった。また,中学生の携帯電話所持者では,2割を超える生徒が,高校生では4割を超える生徒が「フィルタリングを解除した」「初めからしていない」と回答しており,フィルタリングの重要性についてさらに指導する必要がある。

小学生 中学生 高校生
フィルタリングをしている 7.1% 25.7% 31.8%
フィルタリングをしていたが,解除した 1.6% 4.0% 13.7%
初めからフィルタリングをしていない 6.6% 17.8% 29.7%
フィルタリングをしているか分からない 7.3% 33.1% 18.3%
インターネットが使えない機種・設定になっている 10.3% 16.5% 4.9%
フィルタリングが何かわからない 56.9%
無答/誤答 10.3% 3.0% 1.5%

図11 携帯電話のフィルタリング状況(校種別)

(9) フィルタリングを「解除した」または「初めからしていない」理由について<中高問24>

 男女ともに多い理由は,「音楽を聴いたり動画を見たりするため」と「危険なサイトを見ないから必要ない」というものである。 女子では「プロフやブログを利用するため」という理由が多くなっており,男子では「掲示板を利用するため」「オンラインゲームをするため」というものが多い。
 警察庁の「コミュニティサイトに起因する児童被害の事犯に係る調査結果について(平成25年上半期)」によると,コミュニティサイトに起因して被害に遭った児童の95%がフィルタリングを利用していなかったとされている。また,被害児童の学校での指導状況についても,2割の生徒が指導はあったが「自分は大丈夫だと思っていた」としている。本調査結果においても,フィルタリングをしていない中高生の中で,「危険なサイトを見ないから必要ない」との回答があることから,生徒自身の過信からトラブルに巻き込まれる危険性があることを児童生徒に伝えることも必要である。

解除した男子 解除した女子 初めからしていない
男子
初めからしていない
女子
1.プロフやブログを利用するため 24.0% 42.7% 11.0% 27.9%
2.掲示板を利用するため 16.7% 5.5% 4.3% 1.3%
3.音楽を聴いたり動画を見たりするため 12.0% 10.7% 16.8% 10.0%
4.オンラインゲームをするため 4.7% 1.5% 6.5% 1.0%
5.メル友サイトを利用するため 0.7% 0.6% 0.2% 0.8%
6.購入時にはフィルタリングサービスがなかったため 0.0% 0.6% 2.0% 2.5%
7.フィルタリングサービスを知らなかった 0.0% 0.9% 4.7% 5.5%
8.危険なサイトを見ないから必要ない 19.3% 23.2% 35.6% 34.7%
9.その他 20.0% 12.8% 14.1% 12.0%
無答 2.7% 1.5% 4.9% 4.2%

図12 フィルタリングを「解除した」または「初めからしていない」理由(中高生男女別)


3 インターネットの利用状況

(10) 学校以外でのインターネット利用状況とインターネット利用機器<小問27,28,中高問25,26>

 学校以外でのインターネット利用時間は,校種が上がるにつれて利用が増えていることが分かる。 当センターが行った,平成21年度の「情報モラル教育に関する実態調査」の結果と高校生で比較すると,3時間以上利用と答えた生徒の割合が増えている(図13)。
 次に,インターネットを利用するときに主に使用する機器について校種別に見てみると, 県内の児童生徒の間にもスマートフォンが普及しつつあることがわかる(図14)。特に,中学,高校では携帯電話よりスマートフォンでのインターネット利用が多くなり,高校ではパソコンよりも多くなっている。 スマートフォンはアプリをインストールすることによりさまざまなサービスを利用することが可能であり,持ち歩くことのできる小さなパソコンといえる。 このことを考えると,児童生徒は携帯電話以上にインターネット上のさまざまなサービスが利用可能な小さなパソコンを常に持ち歩き,これまで以上にいつでもどこでも幅広いインターネットのサービスを利用することが可能になっていると言える。

学校以外でのインターネット利用状況 校種別 
小学生 中学生 高生生 高校生
(H21調査)
1.使っていない 22.3% 13.3% 5.1% 5.4%
2.ほとんど使っていない 25.8% 17.6% 8.8% 9.7%
3.30分より少ない 15.9% 11.9% 12.1% 16.2%
4.30分〜1時間より少ない 16.2% 17.8% 18.8% 23.1%
5.1時間〜3時間より少ない 12.8% 23.9% 32.2% 30.0%
6.3時間〜 3.7% 13.2% 21.2% 13.7%
無答/誤答 3.4% 2.3% 1.9% 1.9%

図13 学校以外でのインターネット利用状況(校種別)

インターネット利用機器 校種別
小学生 中学生 高校生
1.パソコン 62.5% 53.1% 25.6%
2.携帯電話 6.2% 14.6% 23.3%
3.スマートフォン 14.6% 16.9% 43.3%
4.タブレット端末 4.3% 4.2% 2.2%
5.通信機能付きゲーム機 6.0% 2.7% 1.0%
6.通信機能付き音楽プレーヤー 2.6% 5.1% 3.6%
7.インターネット対応テレビ 0.6% 0.3% 0.1%
8.その他の機器 1.6% 0.6% 0.1%
無答 1.6% 2.5% 0.8%

図14 インターネット利用機器(校種別)


(11) プロフ・ブログの公開経験について<小問32,中高問29>

 プロフ・ブログの公開経験がある生徒を男女別に見てみると,どの校種でも6割以上が女子児童生徒となっている(図15)。校種別では,男女ともに校種が上がるごとに公開経験が「ある」児童生徒の割合が増えている(図16)。また,どの校種でも女子児童生徒の方が男子児童生徒より公開経験が「ある」の回答が多くなっており,高校生の女子生徒では,6割弱の生徒が公開経験が「ある」と答えている。

プロフ・ブログの公開経験がある児童生徒 
小学生 中学生 高校生
男子 32.5% 35.2% 28.3%
女子 67.5% 64.8% 71.7%

図15 プロフ・ブログの公開経験がある児童生徒(校種男女別)


  小学生男子 中学生男子 高校生男子 小学生女子 中学生女子 高校生女子
1.ある 4.8% 19.2% 36.6% 10.3% 35.0% 58.8%
2.ない 93.6% 75.2% 59.9% 88.1% 61.3% 38.4%
無答/誤答 1.6% 5.5% 3.5% 1.6% 3.8% 2.7%

図16 プロフ・ブログの公開経験(校種男女別)

(12) インターネットで知り合った人と実際に合った経験<小問37,中高41>

 インターネットで知り合った人と実際に会った経験を学年別に見ると,学年が上がるごとに割合が多くなっている(図17)。高校3年生では2割弱の生徒が実際に会ったことがあると答えている。高校生全体では1割を超える結果となっている。
 高校生の結果を男女別に見ると,実際に会った経験は女子生徒の方が多く,高校3年女子では2割を超える生徒が実際に会ったと答えている(図18)。「プロフ・ブログの公開経験」と「ネットで知り合った人と実際に会った経験」の関係を見ると,プロフ・ブログの公開経験がある生徒の方が「ネットで知り合った人と実際に会った経験」の割合が高くなっている(図19)。

小学4年生 小学5年生 小学6年生 中学1年生 中学2年生 中学3年生 高校1年生 高校2年生 高校3年生
1.ある 1.6% 1.0% 0.4% 1.9% 3.9% 7.2% 14.3% 16.1% 18.8%
2.ない 96.3% 98.2% 98.2% 96.1% 94.1% 91.0% 84.6% 82.3% 80.4%
無答/誤答 2.0% 0.8% 1.4% 1.9% 2.0% 1.8% 1.1% 1.6% 0.7%

図17 ネットで知り合った人と実際に会った経験(学年別)

高1男子 高1女子 高2男子 高2女子 高3男子 高3女子
1.ある 9.6% 17.3% 11.7% 18.8% 14.1% 22.0%
2.ない 89.7% 81.4% 86.1% 80.0% 85.4% 77.1%
無答/誤答 0.7% 1.3% 2.2% 1.2% 0.5% 0.9%

図18 ネットで知り合った人と実際に会った経験(高校生男女別)

図19 プロフ・ブログの公開経験」と
「ネットで知り合った人と実際に会った経験」(校種別)

(13) インターネット利用でのトラブルの経験と相談相手<小問39,40,中高43,44>

 インターネット利用でのトラブルの経験と相談相手との関係を見ると,トラブルの経験がない場合は,どの校種でも児童生徒は保護者が一番の相談相手と答えている(図20)。実際にトラブルの経験にある児童生徒では,中学生では「相談しない」,高校生では「友だち」が一番になり,小学生でも保護者の割合が減少するという同じ傾向である。実際にトラブルに会った場合,その内容に応じた対応をしていると考えられる。
 誰にも相談しないと答えた生徒の理由を見ると,「自分で解決できる」,「無視,相手にしない」という理由が多くなっている(図21)。また,「保護者や先生にしかられる」「どうしたらいいのか分からない」「相談できる相手がいない」という理由の児童生徒おり, トラブルに会ったときにすぐに相談できるような人間関係や環境を保護者や教員が築いていく必要がある。

インターネット利用でのトラブルの経験と相談相手 校種別
ある(小学生) ある(中学生) ある(高校生) ない(小学生) ない(中学生) ない(高校生)
1.保護者 34.1% 25.0% 29.1% 73.3% 57.0% 43.4%
2.兄弟姉妹 11.4% 4.5% 4.2% 4.6% 4.4% 4.1%
3.祖父母 0.0% 3.6% 1.8% 0.6% 0.6% 0.3%
4.学校の先生 4.5% 4.5% 0.7% 0.8% 1.0% 0.8%
5.友達 20.5% 14.3% 33.0% 5.7% 15.5% 31.3%
6.警察 2.3% 1.8% 0.4% 1.2% 0.7% 0.8%
7.相談窓口 1.1% 1.8% 1.1% 1.3% 1.3% 1.7%
8.ネット上で知り合った人 0.0% 2.7% 2.1% 0.5% 1.0% 1.2%
9.その他の人 0.0% 0.0% 1.1% 0.6% 0.8% 0.9%
10.だれにも相談しなかった(相談しない) 23.9% 30.4% 24.6% 8.0% 7.1% 6.8%
無答  2.3%  11.6%  2.1%  3.5%  10.6%  8.7%

図20 インターネット利用でのトラブルの経験と相談相手(校種別)

誰にも相談しない理由 校種別 
小学生 中学生 高校生
1.自分で解決できると思った(思う) 18.5% 16.8% 17.6%
2.保護者や先生からしかられると思った(思う) 3.1% 4.7% 3.3%
3.友達から馬鹿にされると思った(思う) 0.9% 0.0% 0.4%
4.どうしたらよいのか分からなかった(思う) 9.3% 5.8% 5.1%
5.相談できる人がいない(いないと思う) 3.1% 2.6% 3.3%
6.無視した,または相手にしなかった(無視する,または相手にしないと思う) 30.0% 49.2% 55.5%
7.その他 27.8% 15.7% 12.5%
無答/誤答 7.5% 5.2% 2.2%

図21 誰にも相談しない理由(校種別)

4 児童生徒の情報モラル意識

(14) 携帯電話・ネット利用のルールやモラルを大切にした行動をとっているか<小問41,42,44,中高問46,47,49>

 児童生徒が携帯電話やネット利用のルールやモラルを大切にした行動をとっているかを見ると,どの校種でも「強く思う」「少し思う」を合わせる8割以上となり, 多くの児童生徒がルールやモラルを意識している(図22)。
 しかし,ルールやモラルを大切にしていると「強く思う」と答えた児童生徒の違法動画・音楽のダウンロードについての意識を見ると,「よくないと思う」と答えた児童生徒が,小学生で約8割,中学生で5割半ば,高校では約3割に減少している(図23)。また, キャラクター等の無断使用についても同じような傾向であった。 児童生徒のモラル意識と行動にずれがあることがこの結果から分かり,必ずしもルールやモラルを大切にした行動がとれているとは言えないことが分かる。

 携帯電話やインターネットの利用について,ルールやモラルを大切にして行動していると思うか 校種別
小学生 中学生 高校生
1.強く思う 43.7% 36.4% 27.2%
2.少し思う 37.4% 47.0% 59.1%
3.あまり思わない 9.1% 9.1% 10.2%
4.全く思わない 5.8% 4.6% 1.9%
無答/誤答 4.1% 2.8% 1.6%

図22 携帯電話やインターネットの利用について,ルールやモラルを大切にして行動していると思うか(校種別)

「ルールやモラルを大切にした行動」(強く思うと回答した児童生徒)と「違法動画・音楽のダウンロード」 校種別
小学生 中学生 高校生
1.よいと思う 2.1% 7.9% 20.4%
2.まあよいと思う 2.8% 10.3% 18.5%
3.あまりよくないと思う 14.4% 24.3% 29.4%
4.よくないと思う 79.1% 56.7% 31.4%
無答/誤答 1.7% 0.8% 0.2%

「ルールやモラルを大切にした行動」(強く思うと回答した児童生徒)と「キャラクター等の無断使用」 校種別
小学生 中学生 高校生
1.よいと思う 4.1% 17.1% 27.3%
2.まあよいと思う 10.7% 22.6% 29.1%
3.あまりよくないと思う 25.4% 26.2% 23.9%
4.よくないと思う 59.4% 33.4% 19.2%
無答/誤答 0.4% 0.7% 0.6%

「ルールやモラルを大切にした行動」
(強く思うと回答した児童生徒)と
「違法動画・音楽のダウンロード」校種別
「ルールやモラルを大切にした行動」
(強く思うと回答した児童生徒)と
「キャラクター等の無断使用」校種別 
図23 意識と行動のずれ

(15) 携帯電話・ネット利用の危険性についてだれに教わったか<小問45,中高問50>

 携帯電話・ネット利用の危険性についてだれに教わったかを見ると,小学生では保護者が,そして校種が上がるごとに学校の先生の割合が多くなる(図24)。情報モラル指導について,保護者と学校の先生の役割の重要性がこの結果から分かる。

小学生 中学生 高校生
1.親 51.9% 37.7% 20.0%
2.学校の先生 13.4% 23.0% 32.9%
3.兄弟姉妹 1.6% 2.8% 1.9%
4.友だち 1.4% 3.8% 7.1%
5.携帯電話ショップや電気店の人 1.1% 5.6% 4.8%
6.インターネット 1.1% 3.1% 6.9%
7.テレビや本、雑誌 6.7% 4.1% 8.2%
8.その他 2.2% 5.5% 8.7%
9.教えてもらってない 16.7% 12.4% 8.2%
無答/誤答 4.0% 1.9% 1.5%

図24 携帯電話・ネット利用の危険性についてだれに教わったか