はじめに
新たな時代を生き抜く子どもたちには,それぞれの夢や目標の実現に向けて,自らの人生を切り拓き,他者と助け合いながら,幸せに生きる力を身に付けることが求められています。そして,子どもたちに育むべきこのような力を言い換えるならば,それは「豊かな人間性」「健康・体力」「確かな学力」からなる「生きる力」であり,私たち教師は「生きる力」を育むために,初等中等教育における教育課程を通して,新たな指導や評価の在り方を構築していくことが必要であります。
そのためには,「何を教えるか」という知識の質や量の改善はもちろんのこと,「どのように学ぶか」という学びの質や深まりを重視することや,課題の発見と解決に向けた主体的・協働的な学習の指導方法,併せて学びの成果として「どのような力が身に付いたか」に関する学習評価の在り方について探究していく必要があると考えます。また,これらの教育を担う教師が果たす役割は大きく,これからの時代に求められる学校教育の実現に向けて,教師の資質能力の向上は重要な課題であります。
愛知県総合教育センターでは,このような教育課題に応えるべく,さまざまな校種の先生方や大学等と連携しながら研究に取り組んでいます。この研究紀要には,平成26年度教育研究調査事業から5件の研究を取り上げ,その研究成果を掲載しています。本研究紀要が,各学校での教育研究,教育実践,研修等の一助となれば幸甚です。
最後になりましたが,この研究紀要を刊行するに当たり,教育研究調査事業に多大なる御協力をいただきました関係者の方々に心から感謝の意を表しますとともに,皆様の忌憚のない御意見,御助言を当センターにお寄せくださいますようお願い申し上げます。
平成27年3月
愛知県総合教育センター
所長 杉 浦 慶 一 郎