はじめに


 学校は,今を生きる子どもたちにとって,現実の社会の中で日々の生活を築き上げていく場であるとともに,未来の社会に向けて準備をする場でもあります。グローバル化の進展や人工知能の飛躍的な進化などにより社会が激しく変化する中,学校には,子どもたちが自信をもって自分の人生を切り開き,よりよい社会を創り出していくことができるような資質・能力を育んでいくことが期待されています。
 そのような力を子どもたちに育むためには,まずは教員自身が研究や研修を重ね,力量を高めていく必要があります。教育内容のみならず,学習・指導方法や学習評価の改善,さらには,学校組織の改善が求められており,そのためには教育研究や教員研修などの質的な改善や,教員一人一人の力量が発揮できる環境を整えていくことが必要です。
 愛知県総合教育センターでは,このような課題に応えるべく,教育に関する専門的・技術的事項の研究,教育関係職員への研修,教育相談,教育に関する情報収集・提供及び農業教育に関する生徒実習指導などを,学校や教育委員会と連携しながら推進しております。特に,今年度の当センター研究発表会では,「学校の力,教師の力を高める(3年次)」というテーマを掲げ,「ミドルリーダーの育成」「評価手法」「情報モラル」「特別支援教育」「国語科指導法」「理科の評価手法」についての研究成果を発表いたしました。 この研究紀要には,平成28年度教育研究調査事業から6件の研究を取り上げ,その研究成果を収録しております。本研究紀要が,学校での教育研究,教育実践,研修等の一助となれば幸甚です。
 最後になりましたが,この研究紀要を刊行するに当たり,教育研究調査事業に多大なる御協力をいただきました関係者の方々に心から感謝の意を表しますとともに,皆様の忌憚のない御意見,御助言を当センターにお寄せくださいますようお願い申し上げます。

 平成29年3月

愛知県総合教育センター所長 磯谷 和明


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