はじめに
平成29年3月に,新学習指導要領(小学校,中学校)が公示されました。新学習指導要領では,各学校において,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を通して,創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で,子どもたちに生きる力を育むことを目指すことが示されました。
こうした中,教員には各教科等の指導に関する専門知識を備えた教えの専門家としての側面だけでなく,教科等を越えたカリキュラム・マネジメントの実現や学習・指導方法及び学習評価の改善に必要な力を備えた学びの専門家としての側面も求められています。そうした力を教員が身に付けていくためには,教員研修の在り方を見直し,学校内外の研修をいっそう効果的・効率的に行う体制を整備する必要があると考えます。
愛知県総合教育センターでは,このような課題に応えるべく,教育に関する専門的・技術的事項の研究,教育関係職員への研修,教育相談,教育に関する情報収集・提供及び農業教育に関する生徒実習指導などを,学校や教育委員会と連携しながら推進しております。特に,今年度の当センター研究発表会では,「学校の組織力を高める」というテーマを掲げ,「道徳教育」「教育相談」「外国語科指導法」「ICT教育」「家庭科指導法」についての研究成果を発表いたしました。
この研究紀要には,平成29年度教育研究調査事業から7件の研究を取り上げ,その研究成果を収録しております。本研究紀要が,学校での教育研究,教育実践,研修等の一助となれば幸甚です。
最後になりましたが,この研究紀要を刊行するに当たり,教育研究調査事業に多大なる御協力をいただきました関係者の方々に心から感謝の意を表しますとともに,皆様の忌憚のない御意見,御助言を当センターにお寄せくださいますようお願い申し上げます。
平成30年3月
愛知県総合教育センター所長 須田 文清