第51回愛知県総合教育センター研究発表会
【発表の概要】 |
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本研究は,所内研究であった平成20・21年度の「新学習指導要領で求められる学力及び指導方法の在り方に関する研究」を継続・発展させ,「活用」を意識した授業,学習プロセスを大切にする授業について,実際の実践に基づいて授業の全体像を具現化させるとともに,指導と評価の一体化という視点から学習活動と評価について考え,授業改善をしていくための指針を示した。国語科では,小学校から高等学校までの学習の過程や系統性を整理し,その系統性を配慮した既習の知識・技能を用いて解決可能で思考力・判断力を発揮することが必要な言語活動を組み入れた課題を設定した単元・授業を組んだ実践を発表した。算数・数学科では,算数・数学的活動を基にした「話し合い活動」を取り入れ,幅広い経験や知識,帰納・類推・演繹などの考え方を必要とする課題を設定した授業を構想し,更にはその授業の中で思考力・判断力・表現力等の評価に関して評価規準を柔軟に補完し評価する授業実践を発表した。最後に研究のまとめとして,広島大学の影山和也先生から2年間の研究の総括をいただいた。 |
◇第2部会(小中高特) |
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生きる力をはぐくむESD実践カリキュラムの開発に関する研究 |
【発表の概要】 |
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平成20,21年度の「環境教育の在り方に関する研究−持続可能な社会構築を目指して−」の研究の研究成果を基に,環境省中部環境パートナーシップオフィス(EPO中部)と連携し,学校レベルにおいて,ESDの視点を取り入れた,生きる力をはぐくむ実践カリキュラムを開発,検討した。今回の研究で,ESDカレンダーやチェックシート型アプローチの利用などの工夫をすれば,各学校の既に在るカリキュラムにESDの視点を取り入れることが可能であることが分かった。また,ESDで求められる力は学習指導要領の目指す「生きる力」と大きく重なり,実践によって児童生徒の学びが深まり,次の学びに向けて意欲を高めるなどの効果が大きいことも分かった。来年度以降は,各実践校におけるESDの視点を取り入れたカリキュラムのブラッシュアップと評価にスポットを当てて研究を進めたい。 |
◇第3部会(小中高特) |
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高等学校における特別支援教育の実践に関する研究 |
【発表の概要】 |
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県内公立高等学校における特別支援教育に関する調査を基に,高等学校における特別支援教育の現状把握を行った。そこから,特別支援教育コーディネーターを中心に校内の支援体制を確立し,その上で実態把握や関係機関との連携等を進めることが課題であると分かった。そこで,校内支援体制が機能するためのポイントを取り上げ,具体的な校内支援体制例と生徒の実態把握,支援の方法のためのツールとして「気になる生徒のための支援シート」の活用を提案した。そして,「校内支援体制」「実態把握と個別支援」「関係機関との連携」の三つの視点を踏まえ,高等学校における具体的な実践事例を報告した。今後の課題として,自立した社会生活を目指し,生徒の多様性を踏まえた指導・支援のさらなる充実を図ることが示された。 |
◇第4部会(小中高特) |
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学校における教育の情報化について 〜ICTの授業活用と校務の情報化〜 |
【発表の概要】 |
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全体会で,教育の情報化に関する国や文部科学省の施策や取組を紹介し,それに対する総合教育センターの研修,研究内容の紹介及びICTの授業活用と校務の情報化の分科会の概要説明を行った。 ICTの授業活用の分科会では,ICT機器の様々な組み合わせによる授業での利用方法と利用効果を,実際にICT機器を操作しながら,授業の一部を想定して,具体的に活用例を紹介した。 校務の情報化の分科会では,グループウェアの機能や,共有フォルダのアクセス制限を実際に体験しながら,グループウェアや共有フォルダを導入時の留意点や,運用する際に必要となる事柄について具体例を示しながら理解を深めた。 |
◇第5部会(小中高特) |
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魅力と活力のある家庭・福祉教育を目指して 〜新学習指導要領の趣旨を踏まえた 教科指導の充実に関する研究〜 |
【発表の概要】 |
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平成25年度から年次進行により段階的に適用される新学習指導要領の趣旨を踏まえ,教育内容の主な改善事項で挙げられた「食育」,「言語活動」,「情報教育(教科指導におけるICT活用)」の充実に着目して研究を行った。専門教科「家庭」は,「食育の推進」を意識した専門性を深める指導の在り方について,共通教科「家庭」は,言語活動を通した思考力・判断力・表現力の育成について,教科「福祉」は,質の高い福祉サービスを提供できる人材の育成を目指すためのICT機器活用について,教材の収集・開発と実践研究を行った報告をした。また,県下高校生を対象にした教科に関するアンケート調査結果の分析,国の動向,具体的な指導例の堤案,評価の仕方などを示した。その後は,文部科学省が提唱した「リアル熟議」を活用した研究協議を実施した。最後に,県立吉良高等学校長より指導・助言をいただき,本研究のまとめをした。 |
◇第6部会(小中特) |
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理数系教員(コア・サイエンスティーチャー)養成拠点構築事業に関する研究 |
【発表の概要】 |
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平成22年度より,愛知教育大学,名城大学,愛知県教育委員会(総合教育センター)が連携して,理科教育の指導に優れた小中学校教員の養成,理数系大学生・院生が将来優れた小中学校の教員となるための養成プログラムを開発し,中核となる理数系教員の育成に取り組んでいる。また,拠点となる小学校・中学校を指定し,地域の理科教育の中核的役割を果たすように整備を進めている。 愛知教育大学の吉田教授の基調講演を受けて,初めに総合教育センターが現職教員養成プログラムの実施状況と課題についての中間報告を行った。その後,協力機関である一宮市,豊田市,豊川市の各教育委員会と各大学が中間報告を行った。中間報告の後,シンポジウム形式で,CST事業を推進する上で有効な養成プログラムの開発と拠点校の整備の在り方,拠点校における研修会等を通した各地域での理科教育の推進に向けた具体的な方策について協議し,最後に本事業のスーパーバイザーである蒲郡市生命の海科学館の川上昭吾館長より今後の指針を指導していただいた。
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7 おわりに
最先端の科学を分かりやすく具体的に話された篠原久典教授の御講演は,大変好評であった。また,「子どもの心に火を点ける」ことの大切さなど,教育に携わる私たちの心を揺さぶるお話もあり,参加者からは,「生徒に努力の大切さやその意義を伝えたいです」「理系ではないが、大変分かりやすく興味深い内容だった。人間の幅が広がった気持ちになった」「うまくなりたいなら夢の中に入ってしまえ,という言葉は生きていく上で大切なことだと思いました。子どもの心に火を点けるきっかけをつくりたいと感じました」等,紹介しきれないほど数多くの感謝の言葉があった。
また,午後の研究発表・研究協議においては,部会ごとに,実習や研究協議を取り入れるなどの発表形式を工夫した取組が好評であった。今後もセンターの研究活動が現場の先生方にとっての指針となるよう,研究を進めていきたい。