メールサーバを利用した校務処理

1 はじめに

   メールサーバを利用することにより,アンケートの集計やe−ラーニングにおけるテストの集計処理などがたやすくなります。ここでは,イントラネット環境とセキュリティの面を考えて,生徒実習室で既存の教師用パソコン(Windows XP)をメールサーバとして立ち上げる方法を紹介します。
   また紹介する実習室のネットワークは図1のようになっています。

   図1 実習室のネットワーク図



2 メールサーバの設定について

   「BlackJumboDog」は札幌ソフト開発工場(SAPPOROWORKS)が開発したソフトで,イントラネット用の簡易サーバ機能を持つフリーソフトです。Web・メール・プロキシー・FTPの4つの種類のサーバ機能があり,以下のサイトからダウンロードできます。 
   http://www.spw02.sakura.ne.jp/spw/bjd/download.html

   (1) 初期設定

   「BlackJumboDog」を起動させた後,メニュー「設定」−「メールサーバ」を選び,メールサーバを使用するのチェック入れる。

   図2 メールサーバ設定ダイアログ


   チェックを入れると,図3のようなメールサーバ設定ダイアログが表れます。

   図3 メールサーバ設定ダイアログ


   (2) 基本設定

   ドメイン名をまず決めます。ドメイン名がbjd.ne.jpでユーザ名がseito01の場合,ユーザのアドレスは,seito01@bjd.ne.jpとなります。またメール送信(SMTP)のポートは25,メール受信のポートは110で通常は構いません。待ち受けるネットワークは,全てのネットワークを受け付ける場合, INADDR_ANY を指定してください。実習室環境のネットワークで使用する場合は,サーバのアドレスを入れます。

   (3) 利用者の登録

   基本設定を設定した後に,利用者のアカウントを登録します。「アカウント」の欄にはユーザ名(アカウント)を半角英数で入力します。「パスワード」も半角英数で指定をします。「コメント」は管理上必要があれば入力します。
   すべての項目を入力した後「追加」ボタンを押すと一覧の中に入れることができます。

   図4 利用者の登録画面



3 各メールユーザの設定(Outlook Expressでの利用例)

   (1) 表示名の入力

   メニューから「ツール」−「アカウント」−「追加」−「メール」を選択します。表示名に自分の名前を入力後,「次へ」をクリックします。

   図5 表示名の入力


   (2) 電子メールアドレスの設定

   次に,電子メールアドレスを設定します。アドレスの設定は2の(3)で設定したアカウントと2の(1)のドメイン名を組み合わせたものにします。

   図6 電子メールアドレスの入力


   (3) 電子メールサーバの設定

   受信メールサーバと送信メールサーバは「BlackJumboDog」がインストールされているパソコンのIPアドレスを設定します。

   図7 インターネット接続ウィザード


   (4) インターネット メールログオン

   アカウント名とパスワードは2の(3)で設定したものを使用します。

   図8 インターネット接続ウィザード


   以上で各ユーザの設定ができ,メールが利用できます。アカウントの設定は生徒用パソコンが20台ならば,SEITO01〜SEITO20まで設定し,そのアカウントを授業時のみ使用して,各クラスで使いまわすほうが良いでしょう。

   図9 メールを送信した際のログ



4 メールを利用したアンケート処理

   通常アンケート処理を行う場合,CGIの機能を用いるのが一般的です。
   『例:CGIを利用したアンケートの回答・集計  (http://www.aichi-c.ed.jp/joho/network/jisshuulan/2018/questionnaire/index.htm)』
   しかしながら,ホームページビルダー12のアンケート機能を用いれば,CGIを使わなくても簡単にアンケートの結果をメールで集計することができます。

   (1) ホームページビルダーの「ナビメニュー」の「その他の挿入」−「アンケート」をクリックします。

   図10 ホームページ・ビルダーのナビメニュー


   (2) ウイザードに従って,アンケートの名称と説明を入力します。

   図11 アンケートの設定


   (3) 設問の追加を行います。

   図12 設問の追加


   (4) 設問文と選択形式,選択肢を入力して追加します。

   図13 選択式設問


   (5) さらに必要な設問を追加した後,送信方法を選択します。その際に,「mailto:を使用する」をチェックし,送信先メールアドレスを入力します。もちろんCGIを利用することも可能です。

   図14 送信の設定


   (6) 上記の手順で作成したアンケートの例です。下記のページを学校内のWEBサーバに立ち上げるか,校内LANでアクセスできるようしておきます。

   図15 ホームページ・ビルダーのページ編集


   (7) アンケートに回答した後,図15の送信ボタンをクリックすると,図16の画面が現れ,再度送信をクリックすると指定されたアドレスにアンケートの結果を送信します。

   図16 送信


   (8) 送られてきたアンケートは図17のようになります。

   図17 送信結果


   それぞれの問いについての解答が,Q1=2,Q2_1=onというように記載されています。図15のQ1のように,単一選択問題の場合は2番の選択肢を選ぶとQ1=2のように表示され,Q2のように複数選択問題の場合,1番の選択肢を選ぶとQ2_1=onのように表示されます。



5 データの集計

   送られてきたデータをエクセルなどで集計します。

   (1) メールで送られてきたデータを一度テキスト形式で保存し,「メモ帳」などで開きます。その後,「=」や「_」などの記号を「,」へ置換し,保存します。

   図18 送信結果をメモ帳で開いた状態


   (2) その後エクセルで保存されたファイルを呼び出します。呼び出されたファイルはテキストファイルなので,テキストファイルウィザードが始まります。ウィザード1では,「カンマやタブなどの〜区切られたデータ」を選び,「次へ」をクリックします。

   図19 エクセルのテキスト ファイル ウィザード−1/3


   ウィザード2では「カンマ」を選択し,「次へ」をクリックします。

   図20 エクセルのテキスト ファイル ウィザード−2/3


   ウィザード3では「G/標準」を選び,「完了」をクリックします。

   図21 エクセルのテキスト ファイル ウィザード−3/3


   「完了」を選ぶと図22のようにデータがエクセルに取り込まれ,編集が可能となります。

   図22 エクセルに取り込まれた状態


   上記で説明した方法以外にもCGIを利用したアンケートの回答・集計の「他のソフトでのデータ利用」を参考にしてください。
   (http://www.aichi-c.ed.jp/joho/network/jisshuulan/2018/questionnaire/index.htm



6 メールを使ったテストの集計

   ホームページビルダーのテスト作成機能とメールを利用すれば,テストの点数と合否をメールで送ることもできます。詳細は,e-ラーニング教材作成ソフトウェアの使用法
   (http://www.aichi-c.ed.jp/joho/network/contents/2018/extension/index.htm
を参考にしてください。



7 おわりに

   上記のようにメールサーバを利用すると,アンケートの集計やe−ラーニングにおけるテストの集計処理など,ネットワークを利用する用途が広がります。今回は生徒実習室でメールサーバを立ち上げて,処理を進める方法を説明しましたが,もちろん外部とのやり取りもできるので,自宅からアクセスした結果をメールで学校に送ることも可能です。いろいろと活用してみてください。



8 参考文献・WEB

   IBM,IBMロゴ,HotMedia,ホームページビルダーは,International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標です。

   Microsoft,WindowsはMicrosoft Corporationの米国およびその他の国における商標です。