交流実践紹介

地域への情報発信を目指した実践
大府市立大府南中学校

実践への動機

大府南中学校は,開校して今年で6年目を迎える。この間に,理科の先生を中心とした環境学習,社会科の先生を中心とした身近な地域の調査,また3年生を中心とした選択教科の学習では,開校以来研究が積み重ねられてきた。例えば,環境学習では,大府南中学校の環境の変化(おもに悪化)を取り上げ,深く研究がなされている。また,身近な地域の調査では,古くからこの地域に伝わる歴史的なものを題材として調査されている。いずれも,学校の中の発表で終わってしまうには惜しいものが多く,何とか地域から得た情報を,再び地域に返すことができないかと思い今回の実践に至った。

実践への経過

(1)地域へ情報発信をするための内容をホームページ上にオープンするまで
公民館や地域のコミュニティが主催する活動や総合的な学習の時間の一環としての奉仕活動に参加している生徒の活動の様子をホームページ上で紹介するための承認をお願いに回った。また,同時にそのときの活動の様子がわかる写真や資料を借りる。
河川,池等の生活環境の変化に伴う汚れについての環境の調査・研究結果のレポートを借りる。
身近な地域について,地理的な面,歴史的な面から調べられた資料を借りる。
(2) 地域への情報発信のためのホームページの作成
(1)で集めた内容をもとに,地域の人にぜひ見てみてほしい内容を選択し,「ようこそ 学習の広場へ」ページの作成をする。
選択国語で作成した詩を紹介するページの作成をする。
(3) 作成した内容を広める
文化祭を利用し,大府南中学校の生徒や保護者,その他来校者に,南中のホームページを紹介する。
公民館や児童老人福祉センターにお願いして,南中のホームページのPRをする。
(4) 地域からの反応
ホームページを見た感想をお願いしているわけではないので,多くの意見が寄せられるわけではないが,何点か好意的な意見および在校生へのメッセージ等をいただいた。
その内容を紹介すると,
<地域に住む女性>
 この地には,30年くらい前から住んでいますが,こんなに私たちの近くを流れる石ヶ瀬川が汚れているとは思いませんでした。この,調査結果を読んで,少しショックを受けましたが,それとともにこれからは汚さないように努力していかなくてはならないと思いました。
<昔この地で住んでいた男性>
1年生の子が調査した内容を見て,よく調べたなあと思います。私が住んでいたところの近くの土地名が出てくると,昔を思い出し懐かしく感じます。これからも,大府南中学校の公開されるホームページ内容を楽しみにしています。
<南中の卒業生>
今の3年生は,知的さを感じるようなポエムが多いですね。僕たちの時代の選択俳句は,みんなを笑わせようと,一つ一つの俳句に闘魂(猪木)を注入していました。
 さて,ここからが感想ですが,みんなのポエムは「う〜〜ん,なるほど!」と,うなずいてしまうものばかりです。これから,それぞれ違う道へ進んで行く3年生のみんなへ捧げるこの言葉,
   「道」
この道を行けば,どうなるものか,危ぶむなかれ
危ぶめば道なし。
踏み出せば,その一足が道となり,
その一足が道となる。
迷わず行けよ行けばわかるさ。


地域への情報発信を含めた今後の課題
今回,大府中学校で行っている学習の成果をホームページ上で紹介したわけであるが,当初は,地域に住む人を対象に作成した。ところがいただいた意見は,今はこの地から離れて住んでいるという人からもいただいている。そんな人たちも満足する内容を考えていく必要がある。
また,本校は,開校当時から地域に開かれた学校として今に至っている。特別な内容だけを紹介するだけでなく,普段の学校生活をもっと知ってもらえるホームページにしていけるようにこれから努力していくつもりである。