交流実践紹介 生活科交流

1年生生活科を中心とした交流
知立市立知立西小学校
 秋の生活科の単元で、違う学校の同じ1年生と、秋のお宝を使った遊びの交流をする。小学校1年生なので、交流の方法はテレビ電話を使うことにした。

知立西小学校の実践

1 通信環境について
 インターネットは、ケーブルテレビの回線でつながっている。回線速度は最高、下り16メガ、上り1メガ。PCカメラは、Qcan−QV4000プロ(カメラとマイクの一体型)。テレビ電話の通信ソフトは、テレビ会議システムの機能はないので、お互いのコンピュータのOSがウィンドウズ98ということもあり、ヤフーメッセンジャーを使うことにした。
 画像はコマ送りのような感じとなるが、十分分かる。音声は、品質が非常に悪く音が割れてしまい、大きくできない。外付けスピーカーを使ったり、ボリュームをできるだけ絞って、その音をワイヤレスアンプで拡大したりするなど工夫したが、よく聞き取れないことも多かった。
2 単元の構想
 生活科の「秋のお宝を探すでござる」の単元では、秋のお宝を使って遊びを考え、自分たちで遊びの道具を作り、お宝ランド(グループで遊びのお店を開く)で、学年遊びをした。しかし、ドングリごまを選んでいる子が10人もいるなど、遊びのアイデア不足を感じた。また、次に2年生を招待するに当たって、全員にもう一工夫させたい。ただし、他の学級の遊びを参考にするわけにはいかない。
 そこで、違う学校とそれぞれの学校の考えた遊びの良さを交流し合えば、互いに刺激し合い、「あれをやってみたいな」「自分たちのここを直したいな」という気持ちが芽生えてくるのではないか、と考えた。
時期交 流 学 習生 活 科
9月   「忍たま隊 秋のお宝を探すでござる」
○五感を使って、秋の自然に親しむと共に、
 自然の物や身の回りの物を使って物作りを
 楽しむ。
○自分たちで考え、作り出す喜びと、友達と
 活動する楽しさを味わう。
1 「あき」ってなあに?
  秋の連想ゲーム
10月 ○はじめまして
「学級紹介・学校紹介」
(顔写真と声のテープ交換)
 (1時間)

○テレビ電話の使い方に慣
 れ学校や学級のことについ
 て互いに質問
 (テレビ電話)(1時間)
2 秋のお宝を探せ!忍たま隊出動!
   〈校庭探検〉〈公園探検〉
 *秋見つけビンゴ・ネイチャーゲーム

3 お宝変身大作戦
〈個人の作品作り・落ち葉アート・お宝変身
 発表会〉
*道具の使い方、物作りの基礎を学習する。
4 秋のお宝ランドで遊ぼう
 (1) みんなで遊ぶにはどんなものがいいかな
 (2) グループごとに製作
 (3) お宝ランドリハーサル
 (4) お宝ランドで遊ぼう 〜1年生〜
11月 ○お宝を使った遊びの交流
 (テレビ電話)(1時間)

○楽しかったよ。ありがとう。
 (手紙)
 (5) お宝ランドにようこそ
  〜2年生を招待〜
 
3 実践の概要
(1) 第1時 「はじめまして」
 交流に当たって、相手の学級や学校の紹介をするために、集合写真と声のカセットテープの交換をした。
(2) 第2時 「テレビ電話の使い方に慣れる」
 テレビ電話の使い方になれるために、前時にカセットテープを聞いて、出てきた質問などをテレビ電話を通して行った。事前に教員間で打合せをし、写真なども用意してカメラを通して見せられるようにした。
(3) 第3時 「秋のお宝を使った遊びの交流」
西小 → 八ツ田小 葉っぱ釣りビンゴ

 落ち葉を釣って、その裏に書かれている数字でビンゴをする。
  
八ツ田小 → 西小 葉っぱ合わせゲーム
 数字を書いた扉の裏に葉っぱなどが隠されている。同じ葉っぱを引くと当たりである。
  
西小 ←→ 八ツ田小 ドングリごまの通信対戦
 事前に学級予選で代表2名を選び、テレビ電話で違う学校の子と対戦した。長く回っていたほうが勝ちである。
  
西小 ←→ 八ツ田小 他の遊びの紹介
  
西小 ←→ 八ツ田小 「感想の交流」
(4) 第4時 「楽しかったよ・ありがとう」
 最後に、お礼の気持ちの交流を、手紙の交換で行った。
4 考察と課題
  •  この授業の後、交流校の遊びを真似したり、自分たちの遊びを見直すことができ、ねらい通りの効果があった。
  •  互いに、テレビ電話を通して全員参加型のゲームを取り入れたので、子供たちは、授業が楽しかったという感想が持てた。
  •  小学校1年生にとっては直接体験が大切である。しかし、他校や他地域とリアルタイムに交流したいときは、テレビ電話は、直接会いに行く時間、手間、費用などがかからず有効な手段だと思った。
  •  音声の状態が悪く、言葉が聞き取れないことがよくあった。子供たちははっきり伝えようと大きな声でしゃべったが、かえって音割れの原因にもなってしまい、子供がかわいそうであった。通信環境をもっと良くしないといけない。

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