交流実践紹介 異校種間交流

理科課題研究を通した交流
豊田市立前林中学校・愛知教育大学附属高等学校
 愛知教育大学附属高等学校では、平成2年度から理科課題研究を理系学級において実施している。研究をまとめた後、発表会を校内で行っているが、研究成果を校外に向けても発表したいと考えていた。
 豊田市立前林中学校では、理科の授業において、発表する表現力を育てるため、課題研究及び発表を取り入れている。しかし、これまでは時間的な制約等のために、生徒に対して、実験(観察)・まとめ・発表までの指導を効果的に行うことができない状況にあった。
 そこで、今年度、両校の課題研究発表会の交流を行うこととした。

愛知教育大学附属高等学校の実践

1 交流計画
6月中旬   附属高校 理科課題研究実施
9月下旬   附属高校 校内理科課題研究発表会
10月中旬   前林中学校において、附属高校代表生徒が理科課題研究発表
  (附属高校代表生徒前林中学校訪問)
11月○○   前林中学校 理科課題研究実施
12月上旬   前林中学校 校内理科課題研究発表会
12月中旬   前林中学校において、前林中学校代表生徒が理科課題研究発表
  (附属高校代表生徒前林中学校訪問)
 
2 交流の実際
(1) 附属高校代表生徒の理科課題研究発表
 代表4グループの生徒が前林中学校を訪れ、中学生の前で発表を行った。テーマとしては、「水素吸蔵合金の研究」、「光触媒の研究」、「DNAを用いた豊明市ナガバノイシモチソウ群落のクローン解析」、「瑞浪層群の化石の研究」であった。生徒たちは自分たちの研究をなんとか理解してもらおうと、プレゼンテーションも工夫して発表していた。発表後、中学生の「とても素晴らしい研究で、自分たちの目標としたい」などの感想に、充実感でいっぱいであった。
 
高校生の発表風景1           高校生の発表風景2
 
(2) 前林中学校代表生徒の理科課題研究発表
 12月、前林中学校において、第2回合同発表会を行った。今回は前林中学校の生徒が行った研究を、愛知教育大学附属高校の生徒を招き、発表し、感想や質問を出し合った。 本校の生徒は「電気パン焼き」「永久ごま」「(黒豆)豆腐作り」「ライデン瓶」「マーガリン石鹸」について研究した成果を発表した。生徒たちはHTMLで作った発表資料をもとに、精一杯の発表を行った。高校生側からより深い質問をされ、戸惑う場面も多く見られたが、それだけに発表を終えた時には晴れやかな表情であった。
 
中学生の発表風景           高校生が中学生に質問
生徒の感想
  •  カエルの臓器にも詳しくなったし、すごく楽しかったので、またやってみたいです。高校生の発表は難しくて理解するのが大変だったけど、レベルの高い発表を聞けていい経験になりました。難しい内容なんだけど、きれいにまとめてあったりして聞いてて楽しかったです。特に化石の話はすごく興味があるので、自分でも調べてみたいと思います。
  •  今日、初めて発表をしました。人の前に立って発表したことに、とても緊張しました。話す手順も決めてなくて、結局あわてて発表するだけで精一杯になってしまいました。もっとうまくできたら、と思っています。それに比べると附属高校から来た先輩たちは、とても落ち着きがあり、しかもぱっぱと人の入れ替えがあって、スムーズで見ていて苦にならずびっくりしました。今思ってもしょうがないのだけど、あの発表のやり方を参考にして発表をすればよかったと思いました。
  •  附属高校の先輩達が来た時には、その内容にも調べ方にも驚かされました。一つの題材を調べるのに大きな器具を使ったり、実験のデータをすみずみまで調べていて、そのやる気、やり方に驚かされるばかりでした。
3 今後の課題
 中学、高校の教員が、自分の得意分野を生かして、相互に交流相手校の生徒の指導をしたり、高校生と中学生が同じ研究テーマを共同で行うことができれば、更に多様な課題に挑戦できると思われる。また、電子メール、Webページ(掲示板など)を利用して情報交換しながら、研究を進めていくことも考えられる。

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