交流実践紹介 地域との交流

老人ホームボランティアを通した地域との交流
愛知県立新城東高等学校本郷校舎


 本校は愛知県北東部の山間部にある生徒数64名の分校である。また、本校の位置する北設楽郡は愛知県内でも高齢化率の高い地域でもある。身近に高齢者とふれあう機会も多いこともあり、例年、福祉・介護関係への進学や就職を希望する生徒も多い。
 そうした生徒のなかから自然発生的に老人ホームでの1日ボランティアの要望が出てきて、生徒会の呼び掛けにより、平成13年より夏休みを利用して町内の老人ホームでの介護体験が始まった。3年目となる今年は女子生徒12名が呼び掛けに応じてボランティアに参加した。
 

実践への経過

1 生徒会から生徒への呼び掛け
 6月下旬に生徒会から生徒に向けて、各教室に自作のボランティア募集のプリントを掲示したり、参加を呼びかける校内放送などをしたりして、生徒のボランティア参加を募った。女子生徒を中心に参加の希望が生徒会に寄せられ、希望生徒に大まかな活動の内容、期日、注意事項などが生徒会の担当生徒から伝えられた。

2 ホームとの打合せ
 7月中旬に生徒会顧問と生徒会長が、直接、ホームへ赴き、訪問期日・参加人数等について打合せをした。ホームからは、生徒にやってほしい活動や、ホーム内で、あるいは、高齢者の方と交流するときに気を付けることなどについてお話をいただいた。打ち合わせた内容については、ボランティア参加者に対する説明会を開き、参加者全員に伝達した。

3 ボランティア当日

廊下のふき掃除や窓ガラスの清掃など、入所者の方が気持ちよく過ごせるようにと一生懸命取り組む。
 
所員の方に教わったベッドメイキングを慣れない手つきで行う。
 ボランティアの当日は、まず最初に所員の方から作業内容や留意事項などについての説明を聞いた。なかでも「人生の先輩として敬意を持って接してください」との言葉に生徒は襟を正して真剣に聴き入っていた。
 今年は主に所内の清掃とベッドメイキングを中心に作業を行った。生徒は、慣れない仕事に戸惑いもあったが、所員の方の親切な助言と、入所者の方からかけられる暖かい言葉に励まされて、一生懸命作業をすることができた。作業の合間に入所者の方達と歓談することもできて、生徒たちも満足した様子だった。
 また、終了後に「もっと掃除の他にも私たちがしてあげることがあるのではないか」と来年に向けての参加の決意をしたり、改めて介護や福祉の仕事の大変さとすばらしさを感想に述べる生徒も多かった。

4 老人の日カード
 夏休み中のボランティア後、参加した3年生徒の何人かが、老人の日のお祝いのカードを作成して送りたいと相談をしてきたので、情報の授業の時間を使ってパソコンでのカード作成をして、後日ホームへ送ることにした。生徒の中には自分で撮ってきた写真をスキャナで読み込んで入所者の方との2ショット写真を入れる者もいた。

5 生徒の感想
 生徒の中には今回の体験を機に、福祉の道を自らの進路として考えるようになった生徒もいる。自分と介護・福祉について考えるよい機会となったようである。
 2年生(女)
  今回のボランティアに参加して、介護の仕事の大切さが分かりまし
 た。わたしのおばあちゃんも老人ホームにお世話になっているので、
 所員の方の苦労が少しでも分かってよかったです。私も卒業したらお
 年寄りの人たちが快適に過ごすためのお手伝いができたらいいと思い
 ました。


 1年生(女)
  初めて老人ホームで作業をしました。上手くベッドメイキングがで
 きなかったけど、おばあちゃんたちが喜んでくれたのでとてもよかっ
 たです。作業の後少しお話をすることができて楽しかったです。


 他の多くの生徒も参加してよい経験を得たとの感想であった。




今後の課題
 例年行っているボランティア活動であるが、参加した多くの生徒が「参加してよかった」「人のお世話をすることの大変さとすばらしさが分かった」とおおむね好意的な反応であった。この交流を年に1回の単発的な行事に終わらせずに「地域に開かれた学校づくり」と連携して、継続した生徒とお年寄りの方々との交流が深まるような活動をさらに実践していく必要がある。来年度に向けて、文化祭やふれあい研修などへの招待などを行うことを検討中である。より多くの生徒との交流を通して、地元唯一の高校として、地域との交流・連携がより密になるようにしていきたいと考える。
 また、今回は訪問先が地元だったこともあり、インターネットを使うことはなかったが、山間地の僻地だからこそ、ネットを使った交流学習も、都市部の学校以上に重要と言える。積極的にネットを使った交流についても検討していきたい。