交流実践紹介 異校種間交流
テレビ会議システムを使った交流 |
扶桑町立扶桑北中学校 |
扶桑町では、平成15年度に町内WANを構築した。その時に、町内でTV会議システムを導入した。ゲートキーパを内蔵し、会議室の作成、予約、管理について集中管理が可能である。PC上に最大8画面を表示し、会議参加者との映像・音声でのコミュニケーションの他、Officeドキュメント、アプリケーション、動画ファイルなどの共有を行うことが可能である。 当初、このTV会議システムを利用し、オーストラリアのタラバジュラ州立学校と扶桑北中学校での交流を計画した。扶桑町は、毎年夏休みに中学生と小学生をタラバジュラ州立学校へ派遣し、今年で7年になる。タラバジュラ州立学校は、全教室にLANにつながったコンピュータが設置されている。計画では、夏休みに、タラバジュラのコンピュータの設定を行い、いつでもTV会議システムを利用できる状態にしておき、英語や総合的な学習の時間での交流を予定していた。しかし、オーストラリアの州立学校は、一つのネットワークにつながっており、映像を送るポートを閉じた状態にしている。オーストラリアのネットワーク管理者と交渉を してもらったが、結局映像のポートを開けるのは、映像関係のセキュリティの問題をクリアできないため不可能になった。残念ながら直前で中止となった。 そこで、扶桑町内の小学校にTV会議を呼びかけたところ、山名小学校が応じてくれた。扶桑北中学校では、技術の時間にプレゼンテーションの授業を行う。テーマを「日本の良いところ」とした。小学校でも日本の良いところについて学習をする。そこでTV会議システムを利用し小学生にプレゼンテーションを行うことにした。これなら、小学生からの質問も受けられる。 |
扶桑町立扶桑北中学校の実践
1 交流計画の計画 | |
時 期 | 内 容 |
9月 | 交流相手を探す。 |
10月 | 交流について、小学校と打ちあわせを行う。技術的な確認を行う。 第1回TV会議「小学生から中学生への質問」 |
11月 | プレゼンテーションとプレゼンテーションソフトの基本について学習する。 |
12月 | 作品を制作する |
1月 | 中学校で、全員の発表を行い優秀な作品を選出する。 |
2月 | TV会議システムを利用して、交流授業を行う。 第2回TV会議「中学生の発表と質問」 |
3月 | 第3回TV会議「小学校から中学校の生活について質問」 |
2 交流の準備 | |
◆生徒 @ 技術・家庭科の時間に、プレゼンテーションの方法について学習をする。 A プレゼンテーションソフト(パワーポイント)の学習をする。 B プレゼンテーションの作成をする。 |
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◆教師 (準備物:WEBカメラ又は、USB接続できるデジタルビデオカメラ。マイク。プロジェクター又はプラズマディスプレイなど大型ディスプレイがあるとよい。) @ 交流の目的・内容・日時等を相手の学校と打ち合わせておく。 A 実際の交流の流れの打ち合わせを十分行う。 B テレビ会議システムの使い方を練習する。 C 相手の学校と、交信のテストを行う。(本番とできるだけ同じ条件で行う。) ※ マイクとスピーカーの調整は音量の調整とハウリング対策を十分行う。 |
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3 実際の交流 | |
扶桑町の導入したTV会議システムは、「PC上に最大8画面を表示し、会議参加者との映像・音声でのコミュニケーションの他、Officeドキュメント、アプリケーション、動画ファイルなどの共有を行うことが可能」という機能がある。Officeドキュメント(パワーポイント)の共有を行い、発表を試みることにした。 中学校は2年生の技術・家庭科の時間にプレゼンテーションソフトの学習をする。そのテーマと実際のプレゼンテーションを小学生に協力してもらうことにした。ただし、大テーマを「日本の良いところ」とし、サブテーマを小学生の興味関心のある内容を選んでプレゼンテーションすることにした。 小学生は、4年生の社会で日本について学習し、そのまとめと発展として、中学生のプレゼンテーションを見てもらうことにした。 |
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TV会議1 10月に、実際にTV会議を行った。初めての体験に、中学生も小学生も大いに盛り上がった。 中学生が技術・家庭科の時間に作成するプレゼンテーションのテーマの「小学生が知りたいこと」を直接小学生に質問し、その答えをプレゼンテーションするということにした。 |
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TV会議2 本校では、生徒会が中心となり手話合唱を行っている。小学校から、その手話を教えてほしいという要望があり、その小学校の卒業生を中心に手話合唱の講習会を行った。 |
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TV会議3 小学生からもらったテーマをプレゼンテーションにして、Officeドキュメントの共有機能を活用して発表を行った。 |
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4 交流相手校との連絡 | |
扶桑町は、町内の職員全員のメールアドレスを、メーラーに登録してあり、お互いにメールの交換が可能である。そこで、メールを中心に連絡をとった。また、職員間でも、TV会議システムを使っても連絡やリハーサルを行った。 |
5 成果と課題 | |
・1月に、小学校との1回目のTV会議を行った。TV会議システムは、これまであまり活用が進んでいなかったのだが、今回の第1回のTV会議授業のあと、生徒会が他の小学校との手話合唱の交流(中学生が小学生に手話を教える)計画がなされ、2月3日に実際の交流を行った。今後、更にTV会議システムの有効活用がなされることを期待したい。
・TV会議システムの設定上の問題として、次のような点が明らかになった。扶桑町は光回線でつないでいるので画質優先、速度優先など色々設定が可能である。今回は、画質優先で、最大のサイズで交信した。中学校はWEBカメラとマイク、小学校はデジタルビデオカメラとマイクで行ったのだが、小学校からは画質が悪いという指摘を受けた。どうやら、デジタルビデオカメラ(USB接続)のほうが画質が良いようなので、次回からは、中学校もデジタルビデオカメラで交信する予定である。 ・中学校は、技術・家庭科の授業として行ったため、授業時間が2時間余分に必要となり、この時間を教科として作り出すのはかなり苦しい。 |