交流実践紹介 音楽科交流
4年生・郷土音楽学習でのインターネット交流 |
大府市立吉田小学校 |
音楽科の学習の中で,インターネットを活用し,より高まりのある学習を目指すことにした。計画を立てる中で意識したことは,「遠隔地の学校にある児童と交流すること」と,音楽の学習であるので「音をインターネットで届けること」の2点である。 本校が位置する大府市吉田町は、3つの小さな集落からなりそれぞれの集落には古くからの神社がある。春と秋にはそれらの神社でお祭りが行われ、おはやしや神楽が演奏される。これらの曲は,子供たちにとって,もっとも身近な伝統音楽である。 4年生の子供たちは、3年生の時に吉田の地域を題材にして総合的な学習を行った。地域のお祭りについて調べた児童もいた。4年生になり,日本各地のお祭りの音楽を鑑賞したのをきっかけに、自分たちの住む地域に伝わるお祭りの音楽を調べることにした。調べて演奏できるようになったおはやしを,遠く離れた学校の子供たちに紹介するという目的をもつことにより,より高まりのある学習をすることができないかと考えた。 |
吉田小学校の実践
1 交流計画 | |
時 期 | 内 容 |
10月 | 実践の計画を立てる 交流相手校との打ち合わせをする ゲストティーチャーを依頼し,打ち合わせをする |
11月上旬 | お祭の音楽を聴く お祭の音楽の特徴をつかむ |
11月中旬 〜 11月下旬 |
吉田のお祭の音楽について調べる ゲストティーチャーに神楽の笛を教えてもらう ソプラノリコーダーで「笛」の練習をする ゲストティーチャーに太鼓の演奏の仕方を教えてもらう 締め太鼓とソプラノリコーダーで,神楽の練習をする |
12月上旬 | 神楽演奏を録画する 神楽の紹介メールを作る ホームページの内部ページにアップする |
12月中旬 | インターネットで交流する(一宮市立荻山小学校) ・聴いた感想を教えてもらう ・お礼のメールを送る |
斜体の事柄は,教師の準備・動き |
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2 交流の実際 | |
(1)日本各地の有名なお祭りの音楽を鑑賞する |
(2) 吉田地区のお祭りを調べる
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(3) お祭りの音楽「とっぴん」の演奏練習
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(4) 「とっぴん」の紹介文づくり
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(5) インターネット交流 この実践の計画段階では,児童の演奏の録音を添付してメールで交流先に送ろうと考えていた。しかし,助言をいただいて,本校のホームページの一部に内部ページとして載せて,相手校の児童に見てもらうことにした。 そのページには,児童が書いた「とっぴん」の紹介文と,「神楽『とっぴん』」,「口笛」,「練習風景」,「自分たちの演奏」の4つの録画をアップした。 交流先の萩原小学校の児童に,ホームページを見てもらい,感想を書いて送ってもらった。
荻原小学校の児童から,次のようなお便りが届いた。 児童に萩原小学校の児童から来た返事を紹介し,自分たちの音楽を聴いてくれたお礼のメールを書かせて送った。
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<成果> ・ 遠く離れた学校の小学生に,自分たちの町に古くから伝わる音楽を聴いてもらうという目的意識をもたせたことによって,自分たちの地域や地域特有の音楽を見つめ直すことができた。 ・ 他校の児童に聞いてもらうために,真剣に練習する児童が多く,練習の中で,「とっぴん」の曲のもつ面白さや味わいに気づくことができた。 ・ 教師自身,音楽ファイルや動画ファイルを作成したり,それらをネットにのせたりすることに自信がついた。 <課題> ・ 児童にとっては,初めて出会う交流相手だった。友達が通っている学校であるとか,同じような学習の取り組みをしている学校であるなど,交流の必然性があるとよい。 ・ こちらからの一方的な感じのする交流になってしまった。相手校からも音楽を紹介してもらう,または,テレビ会議システムなどを利用してリアルタイムに音楽を聞かせ合うなど,インターネットを活用した音楽交流の可能性をさらに広げていきたい。 |