交流実践紹介 異校種間交流

テレビ会議システムを活用した交流 part2
愛知県立豊田高等養護学校
 
 本校は軽度の知的障害のある生徒たちを教育する県下に2校しかない産業科の高等養護学校である。校訓は「勤勉・感謝・自立」であり、その意味は次のとおりである。
勤勉・・・まじめに学習し、何事も持続して行うことができる力をつける。
感謝・・・思いやりと優しさをもち、感謝の気持ちで人に接する。
自立・・・勤勉な態度と感謝の気持ちを支えとして、職業自立することを目指す。
本校の交流では、地域交流が主体であり、学校間交流については、部活動の練習試合以外には行っていなかった。
 昨年度のテレビ会議システム「Meeting Plaza」における交流では、1年1組の生徒と安城農林高等学校農業クラブとの交流を行い、生徒の感想としては、「緊張しながらも、楽しかった。便利だと思う。またやってみたい。」が多かった。しかし、課題としては、「機器の設定と操作の難しさ。生徒の目的の不明確さ。」があげられた。
 今年度(2年目)については、「より楽しい交流」を目指し、女子バスケットボール部と阿久比町立阿久比中学校(特別支援学級)との約30分間の交流の様子を報告する。

豊田高等養護学校の実践

1 交流計画
時  期 内    容
7月 阿久比中学校と交流内容について検討
交流実施計画立案(部会・運営委員会)
8月 阿久比中学校とテレビ会議システムのテスト
9月 ミーティングプラザにテレビ会議の予約
テレビ会議システムを使った交流について生徒に対して説明を行う。
阿久比中学校からの質問に対する回答と自己紹介の内容を考える。
10月 交流前日、機器の設定を行う
テレビ会議システムを活用した交流を実施
(本校女子バスケットボール部13名と阿久比中学校特別支援学級7名)
交流についての感想をアンケートにより集約する。

2 交流の実際
(1)使用機器
 本校視聴覚室を会場に交流のための機器のセッティングを行った。
  ノートパソコン
  デジタルビデオカメラ2台(撮影用と記録用)
  三脚
  外部スピーカー
  プロジェクター
  スクリーン
  有線マイク
  マイクスタンド

使用機器の様子(動画)
上の画像をクリックして再生
(2)交流の内容
 両校の学校紹介、自己紹介を行った後、阿久比中学校から本校への質問に生徒が答える形で進行し、打ち解けた後はお互いのパフォーマンスで盛り上がるというハプニングも見られた。
 ア 学校紹介
 愛知県で最初に創立された高等部のみの知的障害養護学校で、開講から17年目を迎えている。女子バスケット部は、部員数13名で12月に行われる県大会で優勝を目指していることをキャプテンから紹介した。

 イ 自己紹介
 阿久比中学校からの個人への質問(学年、名前、コートネーム、好きな教科、好きな曲、好きな食べ物等)を踏まえて各自が自己紹介を行った。



  ウ 阿久比中学校から本校への質問事項

テレビ会議の様子(動画)
上の画像ををクリックして再生
どんな授業がありますか。(学校)       

       テレビ会議の様子
好きな教科は何ですか。(個人)
中学校の時にこんなことをやっておくとよかったということはありますか。(個人)
力を入れていることは何ですか。(個人・学校)   
どんな行事がありますか。(学校)
中学校に比べて楽しいことは何ですか。(個人)
登校時刻、下校時刻、一日のスケジュールを教えてください。(個人・学校)
どんな部活動がありますか。(学校)
盛んな部活動は何ですか。(学校)
今、流行っていることは何ですか。(学校)
今、はまっていることは何ですか。(個人)
好きな曲は何ですか。(個人)
今、頑張っていることは何ですか。(個人)
好きな食べ物は何ですか。(個人)
 
 エ 交流後の生徒の感想(本校13名)
  (ア) 交流は楽しかったですか。
   はい:12名
       ・実際に顔や姿を見ながら話すことができ楽しかった。
   どちらとも言えない:1名
       ・声が聞き取りにくく、何を言っているか分からないときがあった。
 (イ) インターネットを使った交流は便利だと思いますか。
   はい:11名
       ・遠い人たちとも顔を見ながら話せるので便利だと思う。
   どちらとも言えない:2名       
 (ウ) もう一度テレビ会議システムを使った交流をしてみたいですか。
   はい:10名
      ・とても楽しかった。
   いいえ:1名
   どちらとも言えない:2名
      ・あまり話すことが得意ではない
 (エ) 次回はどんな交流をしてみたいですか。
     ・ 出身中学校
     ・ 春日井高等養護学校や高等学校
     ・ 他県の学校
     ・ 有名なバスケットボールチーム 

成果と今後の課題 
(1)成果
 交流活動としては、中学校時代から各学校において実践されているため、生徒たちは比較的抵抗感なく取り組むことができた。
 交流相手としては、昨年の学級ではなく、日ごろからスポーツを通して共に汗を流し、励まし合っている女子だけの集団である部活動を設定したことで、生徒たちの仲間意識も深まり、楽しく交流に参加できたと思う。
 また、ほとんどの生徒はパソコンの操作経験があり、コンピュータを使った交流にも興味をもつことができた。そして、今回のテレビ会議システムを使った交流に参加したことで、遠隔地の人たちと交流ができることを知り、出身中学校や高等学校、部活動のライバル校やバスケットの実業団チームへと興味は広がっている。
 今後は、校内におけるテレビ会議システムの活用についても考えていきたい。

(2)今後の課題
 ア テレビ会議システム「Meeting Plaza」の利用について
 研修ではマニュアルどおり活用できるが、期日が経過し学校で活用しようと思うと、うまく活用できなくなる。活用頻度を多くし、設定に慣れなければ、有効的な活用は今後も難しいと思われる。教師の研修が必要最低条件となっている。
 イ 機器の設定について
 交流会場を視聴覚室として、ノートPC、プロジェクター、外部スピーカー等、設定機器も数多い。今回は、交流途中で外部スピーカーが不良となり、音声が聞こえなくなるトラブルが発生した。四人の顧問で交流に参加していたため、代わりのスピーカーを用意することができたが、不測の事態に対応できるようにするため、校内の協力体制も必要である。
 ウ 交流日時の設定について
 教育課程の違いにより授業時間内の設定が難しいため、課外である部活動の時間を利用することとした。本校にとっては、交流しやすい時間であったが、相手校にとっては特別支援学級の生徒を残すことになった。本来は、授業として実践すべき内容であると思うが、特別時間割の設定や時間割変更が必要となるため、やはり学校全体の理解と協力が必要となる。
 エ 様々な相手との交流の可能性について
 テレビ会議システムを利用して、生徒の興味は広がりを見せた。春日井高等養護や桃花校舎等バスケットボールのライバル校や実業団チームとの交流を望んでいることが事後のアンケートより分かった。今後も交流の実践を積み重ねることにより、愛知エースネットの枠を超えた可能性についても引き続き研究が必要である。

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