交流実践紹介 異校種間交流

テレビ会議システムを利用した小中学校の交流活動
尾張旭市立西中学校
 
 本校には、渋川小学校・瑞鳳小学校・白鳳小学校を卒業した児童が入学してくる。毎年2月になると、本校から歩いて5分程度の場所にある渋川小学校から、6年生が部活動や中学校の施設を見学に来ている。しかし、本校から距離のある瑞鳳小学校・白鳳小学校とは交流を行っていなかった。そこで、瑞鳳小学校と白鳳小学校の児童が本校に来なくても、テレビ会議システムを利用して、本校の様子を知ることができないかと考え、本交流を実践した。

西中学校の実践

1 交流計画
時  期 内     容
11月 生徒会執行部で、瑞鳳小学校・白鳳小学校との交流について検討
テレビ会議システムを利用して交流を行うことを決定
瑞鳳小学校・白鳳小学校に交流を依頼
12月 瑞鳳小学校・白鳳小学校と交流内容を検討
校内の接続試験実施
1・2月 生徒会執行部・各部活動部長で、学校・部活紹介の内容を検討
交流校を交えたリハーサル
交流後、アンケートを実施
1月18日 瑞鳳小学校と交流
交流後にアンケートを実施
2月 5日 白鳳小学校と交流
交流後にアンケートを実施
2月末 実践の成果と課題のまとめ
2 交流の実際
(1)使用機器
西中学校:
 電子黒板
 Webカメラ
 Webカメラ付き小型パソコン(データ通信端末でインターネットに接続可能)
 ネットワークケーブル
 マイク・ノートパソコン

瑞鳳小学校・白鳳小学校:
 電子黒板
 Webカメラ
 ネットワークケーブル
 マイク

電子黒板
(2)交流の内容(西中学校)
 A班:会議室(電子黒板利用)
 B班:運動場、体育館(Webカメラ付き小型パソコン利用)
 C班:テニスコート前(教室からネットワークケーブルをつないだノートパソコン)

@はじめのあいさつ(A班)2分
 ・西中学校生徒会長より
 ・司会進行は西中学校のA班が務める

A部活動の様子と校内の施設の紹介(B班・C班)25分
 ・運動場(B班)→テニスコート前(C班)→体育館(B班) 
  ※C班が交流をしている間にB班が移動

B中学生への質問(主にA班が答える)5分

Cおわりのあいさつ(A班)3分
 ・西中学校生徒会より
A班のが会議室で見ている電子黒板 B班が運動場から中継している様子
B班が体育館から中継している様子 C班がテニスコート前から中継している様子
成果と今後の課題 
(1)成果

 交流後の小学生のアンケート結果から見て、各部活動の部長による部の紹介ができたのは、成果のひとつと考えることができる。また、紹介をしたあとに小学生が質問できたことは大変好評だった。電子黒板を使用したことで、準備が容易にでき、初めてテレビ会議システムを扱う人でも抵抗なく交流をすることができた。さらに、電子黒板は、大きなディスプレイでスピーカーも付属しているので、大人数でも見やすく、小学生側の環境も整えやすかった。
 今回、本校と瑞鳳小学校、白鳳小学校で実践を行った。1月の瑞鳳小学校との交流時には、本校側は、A班とB班で学校紹介を行ったが、Webカメラ付き小型パソコンの電波の状態が安定せず充実した交流ができなかった。また、Webカメラ付き小型パソコンを手で持ちながら各部活動の紹介などをしたため、映像や音声がぶれて、見にくかったり聞き取りにくかったりということもあった。その反省を踏まえて、2月の白鳳小学校との交流時には、Webカメラ付き小型パソコンの接続状態が悪かった時のために、ネットワークケーブルでつないだノートパソコンも準備した。また、Webカメラ付き小型パソコンは手で持ちながらではなく、机に置くなどして本体を静止させた状態で交流を行った。その甲斐もあって、少し音声や映像が乱れたものの、部の紹介や施設の紹介などスムーズに行うことができた。

(2)課題

ア 機器について

 今回、本校では、ネットワークケーブルでつないだ電子黒板やノートパソコンとデータ通信端末でインターネットにつないだWebカメラ付き小型パソコンで交流を行った。電子黒板は、電波が安定していてスムーズに交流をすることができた。しかし、学校内を動きまわったWebカメラ付き小型パソコンは場所によって電波が安定せず、音声や映像が途切れたりすることがあった。小学生にとった事後アンケート結果からも、「何回も途切れてしまってわかりにくかった」という意見が多くあった。また、ネットワークケーブルにつないでいても突然、映像や音声が乱れることもあった。その原因と解決策を探っていく必要がある。

イ 交流の日程について

 本実践の日程は、相手校の負担が大きくならないよう配慮し、相手校の日程は通常通りとし、6限目に6年生全員が見ることができるよう設定した。それに対して本校は、朝の読書の時間をカットするなど、通常通りの日課には組むことができなかった。この点については、交流内容を見直し、双方が通常通りの日課の中でできる交流を考えていく必要があると感じた。

ウ 交流の内容について

 本実践は、生徒会執行部が中心に考えた内容がほとんどで、小学生が質問する時間を設けてはいるものの、一方的な紹介になってしまった部分があった。小学生のニーズにこたえることができるよう、事前アンケートを実施していくことが必要だと感じた。

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