交流実践紹介 異校種間交流

西中学校区の小学校との交流について
尾張旭市立西中学校

 
毎年4月になると,本校には,西中学校区の3つの小学校(渋川小学校・瑞鳳小学校・白鳳小学校)を卒業した児童が,それぞれ入学してくる。例年,月には,本校から歩いて分程度の場所にある渋川小学校から,年生の児童が部活動の様子や中学校の施設を見学しに来ていた。
 しかし,その児童たちの本校までの移動にかかる時間によって,帰宅時間が遅くなってしまうなどの課題が,小学校側から挙げられていた。また,昨年度については,渋川小学校以外の瑞鳳小学校と白鳳小学校において,それぞれ校ずつ,日を変えてテレビ会議システムを利用して交流を行ったが,交流会を行うたびに,本校の日程を大幅に変更しており,このことが問題点として残った。
 この課題を解決するために,今年度は,渋川小学校も含め,4校同時に回線を結んでテレビ会議システムを利用して交流をすることで,移動時間や日程的な問題をクリアできると考えた。これまでの課題の解決に向けた,今年度の実践について報告する。


1 交流計画の計画

時 期

内  容

12月

交流校との日程調整

1月

・生徒会執行部へ交流会の依頼・準備
・各部活動部長への部活紹介の依頼
・交流校との接続試験

2月

・テレビ会議のリハーサル
・テレビ会議システムを利用した交流
・事後アンケート

2 交流の対象

 ・西中学校生徒会執行部名 部活動部長15
 ・渋川小学校年生  83名(クラス)
 ・瑞鳳小学校年生  63名(クラス)
 ・白鳳小学校年生  103名(クラス)

3 交流の実際

(1)テレビ会議システムを利用した交流活動の内容

  @ 生徒会長あいさつ(分)※本校会議室

  A 部活動紹介@(15分)※本校テニスコート前
   ・外で活動する部活動の紹介を行う。
   ・紹介した部活動への質問。※各小学校から

  B 部活動紹介A(15分)※本校会議室
   ・校舎内・体育館で活動する部活動の紹介を行う。
   ・紹介した部活動への質問。※各小学校から

  C 校内紹介(10分)※本校会議室
   ・カメラを静止画モードにして本校の施設を表示させる。

  D 部活動以外のことでの質問(分)※本校会議室より

  E 生徒会長より終わりの言葉(


(2)使用機器

   西中学校:電子黒板       1台
        ノートパソコン   
        ウェブカメラ     1台
        マイク        1台
        LANケーブル     数本

   各小学校:電子黒板       1台ずつ
        マイク        1台ずつ


(3)交流の様子


 写真1 本校会議室 写真2 本校テニスコート前   写真3 静止画モードの利用
 写真4 白鳳小学校の様子  写真5 瑞鳳小学校の様子  写真6 渋川小学校の様子

(4)交流後の感想

〈中学生〉
 ・ 練習や準備が大変だったが,3校に分かりやすい紹介をすることができた。
 ・ この交流で,小学生が「中学校は楽しそうだ」と思ってもらえたらうれしい。

〈小学生〉
 ・ 部活動の部長さんが紹介してくれて,どんな活動をしているのかがよく分かった。
 ・ 交流をした先輩と会うのが楽しみ。
 ・ 他の学校の質問を聞くことができたのも楽しかった。
  ・ 授業の様子を見てみたい。
  ・ 先生の紹介をしてほしい。

 (資料)アンケートの結果
 

4 成果と課題 

(1)成果

課題であった移動時間や日程の問題は,本校と小学校1校が,わずかながら時間調整をしたが,4校同時交流を行うことができた。交流自体は,小学生が一番興味をもっている部活動を中心とし,各部活動の部長から紹介をした。また,部活動以外にも,テレビ会議システムの静止画表示の機能を利用して,学校内の施設の紹介もすることができた。部活動や学校内の施設の紹介の後に,小学生から質問をしてもらった。
 交流全体としては,小学生が中学校についての疑問や知りたいことを積極的に質問していて,中学生の生の声を聞きながら理解していった。
 交流を進めていく上で,中学校側の成果としては,小学生に少しでも中学校の事を知ってもらうために,ウェブカメラに向かって紹介する練習や,台本の作成など,事前の準備を自分たちで考えながら進めることができた。このことによって,生徒会執行部と各部活動の部長中心の交流ではあったが,中学生のコミュニケーション能力の向上を図りながら上級生としての自覚を促すことができたことが大きな成果である。

(2)課題

 小学校3校が,本校とともに同時に交流するということで,様々な課題を解決することができた。その一方で,4校にすることで,他校との兼ね合いが,1対1の交流のときよりも複雑になった。例えば,あることに対して中学生に質問したくても,よいタイミングで質問できなかった児童もいたと聞いている。質問できなかったことは,事後アンケートに書く欄を設けたが,少しでも多くの児童がテレビ会議システムで交流できるように,活動内容を工夫する必要がある。
 また,中継先のテニスコート前では,野外ということもあり,雑音が入ってしまい音声が聞き取りにくかったようである。野外での音声(集音)がもっとクリアになるように,マイクなどの音声機器も工夫しなければならない。今後も小学生にとっても中学生にとっても,効果的な実践に結び付けるように改善していきたい


<今後取り組んでいきたい改善ポイント>
 ・ 多くの児童が質問をできるように,交流内容や流れを工夫すること。

 ・ 音声や映像がよりクリアにできるように,機器を接続すること。
   ・ ウェブ共有を利用して,動画なども各学校で見られるようにすること。


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