交流実践のはじめにもどる>

中学校社会科の授業を通しての実践
単元〜文化からみた日本〜を通して
東浦町立北部中学校


   テレビ会議システムの活用の在り方については,これまで様々な取組が報告されている。その中で,日常行われている授業での活用を図ることで,教科内容のより深い理解に結び付けることができないかという視点で構想を練ってみた。
 研究1年目の今年度については,複数年の実践を想定し,まずは相手校との交流会から進めていくことにした。その中で,成果や課題を浮き彫りにし,今後の実践のための環境整備につなげていきたい。
 交流の相手校として,岐阜県高山市の中山中学校に依頼した。今後,社会科の地理的分野を学習していく上で,太平洋側の東浦町と山間部の高山市の気候や風土の違いを実感させながら進めていくことができるのではないかと考えたからである。


1 交流の計画

▲ページの先頭へ

時 期

内  容

11月

中山中学校とテレビ会議システムを使っての授業交流をすることを確認

12月

テレビ会議のリハーサルと,テレビ会議システムを利用した交流会
お互いの学校紹介,質問など

2月

授業単元開始 課題の設定

3月

テレビ会議システムを利用した交流授業
授業後アンケートの実施(ここの内容は,次年度に報告する予定)

2 交流の対象

▲ページの先頭へ

 本校2年生1クラス39名と,岐阜県高山市立中山中学校2年生1クラス33名

3 交流の実際

▲ページの先頭へ


(1)交流会までの流れ


 
中山中学校に交流授業の趣旨を説明し,最初は,お互いの自己紹介などの交流会から始めることにした。また,北部中と中山中で接続テストを行う中で,マイクの感度の確認や音の大きさの調節など,機器や操作などの細かい打ち合わせを行った。

(2)使用機器

   「Meeting Plaza」が使用できるノートパソコン,ウェブカメラ,LANケーブル,
  マイク,ポータブルアンプ,電子黒板

(3)テレビ会議システムを利用した交流会12月14日の活動内容)

   9:00 交流開始・・・・・・・・・・北部中の挨拶,中山中の挨拶
  9:05 北部中の学校紹介・・・・・・規模,気候,部活,行事など
  9:15 中山中からの学校紹介・・・・規模,気候,部活,行事など
  9:25 北部中から中山中への質問
  9:35 中山中から北部中への質問
  9:45 交流終了・・・・・・・・・・北部中の挨拶,中山中の挨拶

4 交流の様子

▲ページの先頭へ

 写真1 中山中との交流の様子@  写真2 中山中との交流の様子A
   
 写真3 中山中との交流の様子B  写真4 中山中との交流の様子C
   
 写真5 北部中の発表の様子  写真6 質問に答える北部中の生徒

5 成果と課題

▲ページの先頭へ

<研究の成果>
生徒は,普段は会うことができない他県の生徒との交流に,興味をもって取り組むこと
 ができた。授業での探究活動などの学習でも意欲をもって取り組むことができると考え
 る。

中山中の発表を聞いている中で,東浦町との違いを考えながら聞いたり,質問したりす
 る姿が
見られた。この取組の中で,今後,教科の内容に結び付けさせながら効果的な学
 習活動にする可能性を見いだすことができた。

<研究の課題>
・授業で効果的に活用していくという点では,生徒同士の交流だけでなく,探究活動の狙
 いに沿ったゲストティーチャー
の話を聞いたり,質問をしたりできるような使い方もあ
 る。しかし,実践を通して感じたのは,その際には,相手方にアポイントメントを取る
 ことから始め,機器の設定・使い方などの説明に多くの時間を要することがある。シス
 テムの構築が今よりも簡単にすることができるように,このような実践に関する情報収
 集もあわせて行っていかなければならないと感じた。
他校と交流するためには,日課が違うと時間割を変更してもらうなど,調整が必要なこ
 とがある。そのため,テレビ会議システムを授業の全ての時間を使うのではなく,学習
 内容や単元のポイントを絞って使うなどの工夫が必要であると感じた。

 今後は,@教科書や資料集等の写真だけでなく,テレビ会議システムを利用して実際の姿や声を体感することで,より意欲的に学習することができるのではないか,Aテレビ会議システムを利用して気候や風土が全く違う地域の中学生と交流することによって,気候や風土の特色をより実感して学ぶことができるのではないか,という仮説のもと,社会科の地理的分野での実践を考えている。また,テレビ会議を行って授業を行う単元や項目を精選し,交流学習が生徒の学習内容の理解にどのようにすれば有効に活用できるかという視点をもって,実践的な研究に取り組んでいきたいと考えている。


交流実践のはじめにもどる