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西中学校区の小学校との交流について
尾張旭市立西中学校


   本校には,渋川小学校・瑞鳳小学校・白鳳小学校を卒業した児童が入学してくる。これまで毎年2月になると,西中学校から歩いて5分程度の場所にある渋川小学校から,6年生が部活動や中学校の施設見学に来ていた。しかし,移動の関係から,児童の帰宅時間が遅くなってしまう課題が挙げられていた。昨年度,その課題を解決するために,小学校3校と西中学校でテレビ会議システムを利用した交流を行った。
 しかし,日課の異なる4校が同時に交流を行うには,日程調整のことでいずれかの学校に負担がかかってしまうという大きな課題が挙げられていた。また,児童からのアンケート結果から,「授業の様子が見たい」「部活動の紹介だけでなく,活動の様子も見たい」という要望が多かった。
 そこで,今年度は,各学校に負担がかからないような日程の調整とあらかじめ作成した動画を利用した交流を企画して実践した。


1 交流の計画

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時 期

内  容

12月

交流校との日程調整
テレビ会議システムの機能の一つである「Web共有」の利用試験

1月

生徒会執行部へ交流会の依頼,準備
各部活動部長への部活紹介の依頼
交流校との接続試験

2月

テレビ会議のリハーサル
テレビ会議システムを利用した交流
事後アンケート

2 交流の対象

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   西中学校 生徒会執行部7名 部活動部長15名
   渋川小学校6年生    86名(3クラス)
   瑞鳳小学校6年生    59名(2クラス)
   白鳳小学校6年生   125名(3クラス)

3 交流の実際

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(1)交流会までの流れ


 
昨年度に引き続き,今回は2度目の交流ということもあり,事前の打ち合わせや準備等も比較的スムーズにできた。4つの学校が一斉に交流するということもあり,日程の調整が一番の問題であったが,今年度は,中学校側で,学年末テストの最終日の午後を設定したことで,改善することができた。

(2)使用機器,場所

  西中学校:テレビ会議システム「Meeting Plaza」が使用できるノートパソコン,
       電子黒板,ウェブカメラ,LANケーブル,マイク(各2セット)

   ★会議室,テニスコート前に設置
      *テニスコート前からの中継は,回線の不調で交流では使用できなかった。

  各小学校:テレビ会議システム「Meeting Plaza」が使用できるノートパソコン,
       電子黒板,ウェブカメラ,LANケーブル,マイク
(各1セット)

   ★パソコン教室,多目的教室等(6年生全員が入ることができる部屋)



(3)テレビ会議システムを利用した交流会2月22日の活動内容)

   @ 生徒会長からのあいさつ(西中学校)
  A 動画による授業の様子や学校内の施設紹介
  B 各部の部長から,部活動の紹介
  C 質疑応答

4 交流の様子

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 写真1 西中学校会議室の様子  写真2 パソコンを操作する生徒

 
 写真3 Web共有で動画の利用  写真4 白鳳小学校の様子
  
 
 
 写真5 瑞鳳小学校の様子  写真6 渋川小学校の様子

<交流後の児童生徒の感想>
 ○中学生
  ・テニスコート前が突然使用できなくなったけど,臨機応変に対応できた。
  ・見る側と紹介する側では大変さが違った。
  ・テレビ会議の使い方が簡単で,すぐに覚えることができた。
  ・小学校側と企画の段階から,交流できるとよかった。生徒会と児童会が協力して,
   内容を考えることができると,よりよくなると思う。

 ○小学生
  ・ビデオを流しながら紹介してくれたので,分かりやすかった。
  ・疑問に思っていたことを,質問できたのでよかった。
  ・質問したかったけれど,時間がきてしまってできなかった。

5 成果と課題

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<研究の成果>
○日程の調整
  中学校のテスト最終日(3時間で終了)を利用することと,交流の時間を短縮するこ
 とで,改善することができた。中学校側も午後の時間帯をフリーで使用できるため,余
 裕をもって準備や練習をすることができた。
○動画の利用
  授業の様子や施設紹介を動画にし,「Web共有」にすることによって,分かりやすく,
 また,段取りよく交流することができた。
○生徒による操作
  テレビ会議システム「Meeting Plaza」の使い方を生徒に指導した。各小学校では,中
 学校側の教員が各校へ出向いて操作を行ったが,中学校側の操作についてはすべて生徒
 が行った。


<研究の課題>

○時間を短縮したことによる課題
 ・直接発言できる児童が少なくなってしまった。
 ・接続状況や機器のトラブル等の問題が生じ,内容をカットしなくてはならなかった。
  (今回は,テニスコート前からの中継,小学校同士の学校紹介ができなかった)
○今後の課題
 ・このシステムがより身近なものになるよう,企画段階からテレビ会議を使用し,各小
  学校の児童会と連絡を取り合うなどの活動を多く設定していく。

 
今年度については,昨年度よりも様々な面でスムーズに進めることができた。また,昨年度の交流からのステップアップとして,動画を共有する「Web共有」機能を利用した。これによって,動画を双方で視聴することができ,中学校の授業の様子や施設の紹介などを分かりやすく伝えることができた。また,事前に撮影しておくことで,交流の時間を有効に使うこともできた。
 また,今回は,学年末テスト最終日に交流の時間を設定したことで,中学校側は比較的自由に動くことができた。さらに,生徒会役員の生徒たちが積極的に機器の操作を行い,昨年度よりも取組の意識が高かった。今後は,事前の打ち合わせにもこのシステムを利用していきたい。
 数年後には,小学校でこの交流を経験した児童たちが中学生になり,今度は伝える側になることもあろう。こうした交流が今後広がっていくことを期待したい。


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