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本校との「ゆめまつり」(学校祭)交流
- 学校祭への意欲的な参加のために -
愛知県立半田養護学校桃花校舎

   愛知県立半田養護学校桃花校舎は,平成18年に分校舎として愛知県立桃陵高等学校の敷地内に高等部のみが併設された。開校当初は半田養護学校本校の運動会,「ゆめまつり」(学校祭),作品展に桃花校舎の全生徒で参加し,本校の生徒も高等部第2学年生徒が桃花校舎と桃陵高校で共催される「桃華祭&桃花祭」(学校祭)に参加するなど,年に何回か直接交流してきた。しかし,年が経つにつれ行事の日程調整が難しくなり,本校へ訪れる機会が減ってきた。また,本校生徒が桃花校舎を訪れる機会もなくなった。
 そこで今回この研究の交流相手として,かつて行っていた半田養護学校本校との交流を復活させる取り組みを行った。
 第1学年の生徒にとっては今回の「ゆめまつり」が初めての半田養護学校本校への訪問であり,本校の生徒と接する初めての機会となる。そこで,交流の前に少しでも互いのことを知る機会を設けることにより,ゆめまつり交流の意義が高まるのではないかと考え計画した。


1 交流計画の計画

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時 期

内  容

5月

桃花校舎内での検討開始,本校への協力を依頼
8月 機器等の調整作業

10月

学校祭PRポスター紹介

11月

桃花校舎の紹介文等作成
本校生徒会と桃花校舎第1学年の交流

2 交流の対象

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 半田養護学校本校高等部生徒会役員と桃花校舎第1学年

3 交流の実際

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(1)交流までの流れ

 
同じ半田養護学校とはいえ,行事等がそれぞれ別に計画されているだけでなく,会議等も別に組織されている。そこで,まず桃花校舎内で計画の細部にわたる検討を行った。その後本校の管理職会での原案の提案,情報機器の担当教員への機器購入依頼や調整をお願いした。また交流を担当する教務主任同士での調整や交流を直接担当する生徒会担当の教員との打ち合わせを行った。

(2)使用機器

 ノートパソコン,Webカメラ,LANケーブル,マイク,スピーカー,プロジェクタ,ミキサー

(3)テレビ会議システムを利用した交流の実践

  1 日時
    11月12日(火)2時間目
  2 授業の概要
   1)桃花校舎の紹介,挨拶
   2)本校生徒会より「ゆめまつり」の紹介
   3)お礼の言葉
 前日に教員でリハーサルを行った。部屋の明るさやWebカメラの位置,スピーカーとマイクの調整を行った。リハーサルでは回線速度が遅いせいか画質がきれいな時と,かなり粗くなるときと安定しなかった。本番では互いの表情もはっきりと読み取るぐらい画質は良かったのだが,桃花校舎から本校への音声の遅れが目立って会話がスムーズに行かない面も見られた。(写真は全て桃花校舎側で撮影されたもの)

写真1 交流の様子1 写真2 交流の様子2
写真3 交流の様子3(他学年も見学) 写真4 交流の様子4(機器の様子)

4 交流の様子

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 当日は,定刻前に生徒全員が座席に着き,TV交流が始まるのを期待する気持ちと緊張する気持ちが相半ばする状態で待っていた。今回の交流は第1学年が対象であったが,他学年も交流の様子を見学に来てますます期待が高まっていった。ところが,前日のリハーサルではうまくいっていた機器が不調となり,MeetingPlazaになかなかログインできず,交流時間が短くなってしまった。
 初めに,挨拶をしてから本校の皆さんに桃花校舎のことを知ってもらうために桃花校舎の代表生徒が学校紹介を行った。事前に原稿を用意し練習をしていたのでスムーズに紹介することができた。続いて,本校生徒会の役員の生徒から「ゆめまつり」の内容について紹介をしてもらった。桃花校舎の生徒はみんな音声が聞き取りにくい状況にもかかわらず,一言も聞き漏らさないように真剣に画面を見ていた。
 交流後,生徒にアンケートを取ったところ,
・「ゆめまつり」の説明をしてもらって,TV交流はとてもよく理解できました。
・色々なイベントや展示の事を紹介してもらい,「ゆめまつり」のことがよく分りました。
・一年生全員で桃花のすばらしさを伝えることができたのでよかった。
・TV交流で本校の皆さんに会えて,理解してもらえると思いました。
と肯定的な意見が多かった反面,
・画質も音質も悪くて分かりにくかった。
・よく見えなかった。トラブルがなければやってもいい。
など,問題を指摘する意見もあった。


5 成果と課題

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<研究の成果>        
・本校のゆめまつり参加の事前学習の一環としてテレビ会議システムを使い交流を行った。生徒は,同じ半田養護学校でありながら普段行き来することのない半田養護学校本校の生徒と顔を見ながらやりとりをすることができ,ゆめまつりへの参加の意欲を高めることができただけでなく,本校への理解を少し深めることができた。

・実際にTV交流している時間は大変短かったが,互いの授業時間が違う中あまり無理をせず行うことができた。

・交流後のアンケートでも生徒の意見として,
 ・もっと桃花校舎のことを他の学校にも紹介したい。
 ・ネットワークの設定や画面の調整に時間がかかるけど,本校とのコミュニケーションがとりたい。
 など積極的な意見が見られた。

<研究の課題> 
 ヘッドセットを使うときには問題にならないが,おおぜいの生徒が同時にやりとりする場合にはマイクとスピーカーを使用する必要がある。その場合のノウハウがまだ十分でなく引き続き研究していく必要がある。できれば,もう少し気軽に始められるようになるとよい。TV会議システムが常設ではない場合,交流以前の機器の準備に手間取ることが多く,まだまだ大変だと感じた。
 また,今回桃花校舎から本校への音声が画像に比べて数秒遅れて伝わっていたため,昔の衛星中継のようであったが,生徒はなんとか対応していた。しかし,できればもう少しやりとりがスムーズにできると,更に会話が弾み互いの距離も近くなると思われる。
 今回は,普段なかなか会うことのできない本校生徒との交流の機会をもつことが目的であったが,相手のことを知りたい,伝えたいという思いは高まった。今後も色々な機会を通して交流を広げていきたい。

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