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岡崎東高等学校との交流及び共同学習
高等部1年 総合的な学習の時間「岡崎東高等学校との交流」の実践
愛知県立岡崎特別支援学校

   本校は,愛知県立岡崎東高等学校と毎年,年3回の交流及び共同学習を行っている(高等部2年生のみ年4回)。また,交流に向けた事前・事後の学習を総合的な学習の時間を使って行っている。1回目の交流会では,本校の生徒が交流内容を企画・計画・準備をして岡崎東高等学校の生徒を迎えている。2回目の交流会では,岡崎特別支援学校の文化祭に参加してもらいながら日々の活動内容を紹介している。3回目の交流会では,岡崎東高等学校の生徒が交流内容を企画・計画・準備をして本校生徒が訪問している。例年,いずれの交流会も,最初は緊張している生徒たちが,時間が経過するにつれて表情が明るくなり自然に会話ができるようになっていく。
 高等部1年生(生徒数18名)は,初めての交流会ということもあり,これまで総合的な学習の時間で,インターネットを使って交流相手校のことを調べたり,交流会の日程や内容を確認したりした。

1 交流の計画

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時 期

内  容

3月

TV会議システムを使った交流について依頼

5月

本年度の交流について職員打ち合わせ

7月

事前の接続テスト
第1回TV会議交流(自己紹介・交流内容紹介)
岡崎特別支援学校にて第1回交流及び共同学習

11月

第2回TV会議交流(文化祭の取組紹介)
岡崎特別支援学校にて第2回交流(文化祭交流)

12月

岡崎特別支援学校にて第3回交流及び共同学習
第3回TV会議交流(一年間の交流反省会)

2 交流の対象

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本校高等部1年生生徒18名
岡崎東高等学校1,2年生生徒15名
(交流委員8名,JRC部員6名,ライフサポート系列選択者1名)

3 交流の実際

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(1)第1回TV会議交流(自己紹介・交流内容紹介)(7月中旬)

 初めてのTV会議は,高等部1年生の交流委員2名が生徒代表として参加した。交流会議を始める前に話す内容をまとめたり,何を言うか考えたりして,カメラに向かって話す練習をした。ヘッドセットを付けて話すことが初めてのため,直接耳に入ってくる声に戸惑っている様子が見られた。また,練習で自分の顔がテレビに映った途端に急に恥ずかしがって前を向くことができなかったが,TV会議のポイント「相手に顔を見せて話すこと(相手の顔を見ながら話すこと)」を伝えると,気持ちを切り替えて取り組むことができた。
 会議が始まり相手の顔がテレビに映ると,お互いが急に照れてしまい,しばらく何も話せなくなってしまった。最初は教師が進行をして交流会議を進めたが,次第に慣れてくると練習したとおりに会議が進んだ。「私の名前は○○です。よろしくお願いします」とお互いに自己紹介をしたり,交流会で行うハンドアーチェリーのデモンストレーションを映して見せたりすることができた。

 

写真1 TV会議の練習
 

写真2 お互いに自己紹介

(2)岡崎特別支援学校にて第1回交流及び共同学習(7月14日)

 初めに,岡崎東高等学校の代表生徒が挨拶をして,その後本校生徒がクラスごとに自己紹介をして交流会がスタートした。本校生徒の企画により「クラス対抗ハンドアーチェリー大会」を行った。交流ペアの生徒と一緒にクラスごとに分かれ,一人一回ずつの矢を投げ得点を競う。会場となる教室の中央に的を置いて,全員が注目できるように設定した。岡崎東高等学校の生徒の中には特別支援学校へ来ることが初めての生徒もおり,緊張している様子であった。ゲームを進める中で,お互いに声を掛け合い交流会の雰囲気が盛り上がってくると,得点が入るごとにハイタッチをしたり拍手をしたりする姿が見られた。TV会議で交流をした本校の生徒たちは,事前にテレビを通して顔を合わせているので嬉しそうな表情であった。

 

写真3 ハンドアーチェリー
 

写真4 プレゼントどうぞ

(3)第2回TV会議交流(文化祭の取組紹介)(11月初旬)

 本校文化祭で高等部1年生が発表する内容を事前に知らせて,発表会場に来てもらうためのPRを行った。「イントロクイズ」を行うことを紹介し,クイズの形式を説明したりイントロクイズのテーマソングを歌って聴いてもらったりした。今回のTV会議交流は,高等部1年生の1組と2組(11名)が参加した。iPadと大型テレビを使用したことで,全員の顔を順番に映し出すことができた。2回目のTV会議交流に参加した生徒は,恥ずかしがらずにスムーズに進行することができた。

(4)岡崎特別支援学校にて第2回交流(文化祭交流)(11月8日)

 岡崎特別支援学校の文化祭では,岡崎東高等学校の生徒は自由に校内を見学した。その中で,交流のペアになっている生徒の活動を見学に行ったり昼食を一緒に食べたりして交流をした。昼食時は全員がリラックスした雰囲気の中で食事をすることができた。その後も,一緒に写真を撮ったり話をしたりすることができた。

 

写真5 イントロクイズに参加
 

写真6 体育館で文化祭発表を見学

(5)岡崎特別支援学校にて第3回交流及び共同学習(12月15日)

 岡崎東高等学校の生徒が交流内容を企画・運営して行われた。高等部1年生は「爆弾ゲーム」を行った。全員で大きな輪を作り,爆弾に見立てたボールを隣の人へ手渡し,音楽が止まったときにボールを持っていた人が出し物をするというゲームである。3回目の交流であったため,リラックスして声を掛け合いながらゲームをしている姿が見られた。

(6)第3回TV会議交流(一年間の交流反省会)(12月中旬)

 年3回の交流会を終えた反省会を,TV会議システムを使って行った。「ゲームをしたり一緒に話をしたりして,楽しい一年間でした」,「プレゼントありがとう」,「来年は歌合戦をやりたいです」などと,自由に交流会の感想を伝え合うことができた。さらに,「来年はボッチャをやりたいです。ボッチャって知っていますか?」と本校の生徒から質問をする場面もあった。

4 交流後の感想

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TV会議交流を終えた後の本校生徒たちの感想

・自分の顔がテレビに映ったとき,恥ずかしかった。びっくりして何も話せなくなりそうでした。
・相手の顔がテレビに映って緊張した。話したいことをまとめてから話さないと,何を言ってよいのか焦ってしまう。
・TV会議交流の回数を重ねるごとに,テレビに向かって話すことに慣れてきました。
・相手の顔を見ながら話ができるので楽しい。
・交流会の前に顔を見ることができたので,1回目の交流会から初対面という感じがしなかったことがよかったです。

TV会議交流を終えた後の岡崎東高等学校の生徒たちの感想

・楽しかったです。
・交流会の前に岡崎特別支援学校の子の顔が見られてよかったです。
5 成果と課題

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 <研究の成果>
 本年度行ったTV会議交流は,一部の生徒のみの参加であった。後日,TV会議交流に参加した生徒から会議の様子をクラスの生徒に知らせると,「自分もTV会議交流に参加してみたい」という生徒が出てきた。
 生徒たちは,そのつどTV会議交流について反省し,事前に何を話すか考えて会議に参加するようになった。回を重ねるごとに緊張もほぐれて,リラックスしてテレビに向かうことができた。テレビ画面に交流相手が映ると,「こんにちは」と自然に声を掛け合ったり手を振ったりする姿が見られた。
 普段,自分から発信することの少ない本校の生徒たちが,TV会議システムを利用することで手軽に外部の人たちと関わることができた。初めてのTV会議交流の時は,自分の顔が映し出されるだけではしゃいでいた生徒が,落ち着いて話ができるようになったり,相手に伝わりやすいように考えながら話をしたりすることができた。自分から質問をする姿や,逆に,質問されたことに対して分かりやすく相手に説明しようとする様子が見られたことは,TV会議交流に慣れ,前向きに参加してきた成果と言えるであろう。

<今後の課題>
 学校間の授業スケジュールが合わず,毎回昼休みの10分程度を利用してTV会議交流を行っていた。本校の生徒たちの給食時間を確保する関係で,TV会議交流に参加できる生徒数が限られてしまった。
 来年度は,授業時間内に行いたい。また,もう少し長い時間を設定して,たくさんの生徒が参加できるように工夫したい。


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