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テレビ会議システムを利用した大学連携授業Ⅲ
中学3年 理科 「生命の連続性」「生物の多様性」「原生生物について」
江南市立西部中学校
 
 今回の実践は,平成27年度,28年度での連携授業から臨場感を更に高め,シームレスな学びを提供できるよう遠隔授業の形態に力を入れた。また,大学の細胞生物の専門家と連携し,大学と本校をテレビ会議システムの一つである「Skype for Business」でつなぎ,共同授業を行った。

1 交流の計画

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時期 内容
月中旬  大学の先生からのビデオメッセージ視聴
月下旬  大学の先生よりいただいた資料を観察
10月初旬  大学連携授業

2 交流の対象

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・3年生生徒130名(4クラス)
・大学准教授1名

 

3 交流の実際

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 <事前学習>
 平成27年度, 28年度は単発の授業というイメージが強かったが, 今年度は, 大学の先生から事前にいただいたビデオメッセージや資料を活用して,単元の意味合いや観察する微生物について学習する時間を充実させ, 生徒の興味・関心を高めることを試みた。
 一番のポイントは, 大学の資料を活用して微生物を観察するときに『細胞分裂の瞬間に立ち会う』ということである。 中学校の授業レベルでは,顕微鏡で細胞分裂の瞬間を観察することが容易ではない。 そこで, 大学の先生と協力して進めることにした。事前学習として, 資料を観察するだけでなく, 観察に関するアドバイス や本単元を学習する意義について大学の先生からのビデオメッセージを視聴した。
 50分の授業で, 2種類の微生物を観察してスケッチを行った。細胞分裂の瞬間を捉えることを確実に行うためには,観察対象を生徒がしっかり認識する必要がある。 そのために, 教師用の顕微鏡に書画カメラを接続して,ライブビューイングの環境をつくった。大型ディスプレイで常時, 観察対象を映し出しておくことで生徒は安心して観察を行うことができた。

 

 


 <実際の授業>
 生徒の集中力を妨げないように, できる限りスクリーンに近づくことなく遠隔で操作できるように工夫した。  メインパソコンの操作はワイヤレスディスプレイから,音響や映像のミキシングはタブレット端末を活用した。プロジェクタの操作はリモコンを使って行った。ワイヤレスマイクは常に一本所持しておき, 常時対応できるようにした。強力なパン・チルト・ズーム (PTZ)とスピーカーフォンを備えた光学ズームカメラを採用することで臨場感を飛躍的に上げた。教室中央に置いた2箇所のスピーカーフォンで音声が拾えない場合は, ワイヤレスマイクを使用した。

 

 平成27年度や28年度と違って,Skype for Businessは画面共有や PowerPointの共有ができるので, 動画やアニメーションを利用することができ,生徒の興味・関心をより高めることができた。
また,PowerPointの機能で書き込みも行えるため,生物の詳しいつくりについて大学の先生から注釈を入れていただきながら双方向授業を行った。
 大学の先生からの質問を設定して, パソコンのアプリケーションの投票ユニットを活用し, 質問に回答する時間を設けた。生徒全員に投票ユニットを持たせたので, ふだん挙手をあまりしな い生徒も参加しやすい全員参加形の授業ができ,主体的な学びが展開できた。回答結果は円グラフなどで表示させることができる。今回は, 中学校では学ぶことができない発展的な学習も行うことができ, 単元に対する深い学びにもつながった。

 

 

 今回,大学で微生物を培養する際に, 生徒の観察日に一番細胞分裂が活発となるよう調整をしていただいた。そのおかげで, 細胞分裂の過程や特徴, その瞬間を観察することができた(上の写真は細胞分裂直前のテトラヒメナ)。

4 交流後の生徒や教師からの感想

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 <生徒の感想>
 ・ビデオメッセージであらかじめポイントを教わったので, 観察が容易にできた。
 ・観察のポイントや対象を事前に知ることができたので, 迷うことなく観察することができた。
 ・大学連携授業では, 少し難しい話もあったが, 大変興味深い内容が多かった。
 ・今,私たちが学んでいることがノーベル賞につながっていることに驚いた。

 <教師の感想>
 ・事前のビデオメッセージにより興味・関心が高まり, その後の観察に対し, 主体的に取り組む生徒が多かった。
 ・観察対象について, 大学の先生から説明をしていただくことで, 生徒の取組姿勢がよりよくなった。
 ・大学連携授業では多くの質問が出て, 双方のコミュニケーションが取れたので非常に有意義であった。

5 成果と課題

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 <成果>
 今回の実践では, Skype for Businessを活用することにより, セキュリティーを保ったまま 『デスクトップの共有・表示』と『PowerPointの共有・表示』の機能を使うことができた。このことにより, パソコンのデスクトップ画面と遠隔地にいる相手の顔を同時にスクリーンに表示することができるようになったので, 双方向の授業が展開できた。また,カメラを二つ使うことにより, 全体の様子と個人の発表の様子の両方を伝えることができたので, 授業の臨場感を高めることができた。

 <課題>
 二つのパソコンともに動画のやり取りを行う関係上, かなり性能の高いパソコンが必要になる(CPU:Core i7相当)
また, 情報量が多いので, ネットワークの回線が細いと, 遠隔授業に支障を来すことも想定される(今回は, 最大54Mbps の通信速度で実施したが, 微妙にタイムラグが発生した)

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