愛知県立豊橋聾学校における交流学習実践
本校がインターネットに接続されて2年、日本各地の様々な学校から電子メールで学校の様子についての問い合わせが来るようになりました。今回、こうした質問に答えられるホームぺージを作成し、これをきっかけに、愛知県立南陽高等学校と愛知県立岩津高等学校との交流学習を行ったので、その概要を紹介します。
1 交流学習の流れ
- 南陽高校、岩津高校の生徒に、聾学校の様子を掲載したホームページを閲覧してもらい、質問や感想を担当教諭を通じて電子メールで送付してもらう。
- 聾学校側の生徒が、その質問や感想に対して返事を書き、担当教諭を通じて返信する。
- よくある質問については、Q&Aコーナーに掲載していく。
2 ホームページ作成の意図
近年、ボランティア活動や社会福祉は重視され、様々な形で学校教育の中に根を下ろそうとしています。そのような中で、多くの人たちに、聾学校の様子を分かりやすい情報で掲載したホームページを閲覧してもらうことにより、さらに一歩進んだ福祉教育を目指すことができると考えました。
3 授業の経過
交流学習の具体的な流れは図のとおりです。
4 生徒の具体的な活動
作成したホームページを本校の生徒に閲覧させたところ、「わかりやすく説明されていてよかった」との評価が得られたので、南陽高校・岩津高校に公開しました。
ホームページを見た南陽高校と岩津高校の生徒からは、各自の自己紹介やホームページを見た感想と質問が書かれたメールが送られてきました。
生徒たちは、自己紹介を書いてから、それぞれの質問に答える形で返信メールを作成しました。返信メールを作成する時間は、おもに授業後の課外活動の時間を充てました。
メールの交流が盛んになってきたのは2学期半ば、就職の内定が出始め進学する生徒の推薦入試が始まろうとしていたときです。交わされる内容も「○○へ内定が決まりました」というものや「○○大学を目指しています」というもの、「受験がんばって下さい」という励ましのメールなどをいただいて、生徒たちの関心も一気に高まりました。また、質問の内容は、部活動やボランティア、文化祭の模擬店についてなど広い範囲に渡っており、お互いの学校の様子を熱心に伝え合うようになっていきました。
3学期のはじめ、南陽高校から届いた今年の干支である龍のイラスト入りメールに刺激され、返信メールに写真を貼りたいという生徒が現れ、自分の写真をスキャナーで取り込み文書に添付するという作業にも取り組みました。
5 交流学習を終えて
今回の実践によって得られた成果は次のとおりです。
- 本校の生徒にとって学校を見直すよい機会となった。
- 電子メールによって他の学校の生徒と情報を共有することによって、学校間の壁が取り払われ学校生活に関する生徒たちの情報空間が広がった。
- 学校の様子を紹介するホームページを充実させることができ、今後、本校の活動を広く知ってもらうための足がかりができた。
今後の課題として、電子メールを使った交流から掲示板やTV会議を使用した交流へ発展させていく必要を感じました。