交流実践紹介
総合的な学習の時間を中心とした交流 |
七宝町立伊福小学校・額田町立下山小学校 |
伊福小学校の4年生は、本年度の総合的な学習で「いのち」をテーマに、環境・健康・生き物などにグループで取り組んでいく。そして、下山小学校の4年生は、8人全員で昨年度の4年生の実践を踏まえ、地域の川について、そこに住む生き物や環境を追究していく。 そこで、伊福小学校の川や水を調べている10人のグループと下山小学校の四年生全員で、電子メールを使って、川についての情報交換をし、交流を深めていくことにした。 |
七宝町立伊福小学校・額田町立下山小学校の実践
(1) 電子メールでの交流実践 | ||
まず始めに7月初旬、伊福小学校から下山小学校にメールを送った。内容は、簡単な学校の紹介、総合的な学習の時間の様子、学校近くの川の様子である。 | ||
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9月に下山小学校から返事をもらった。内容は、学校の様子と学校の近くを流れる川の環境である。 | ||
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その後、メールを読んだり、写真を見たりした感想を交換した。 | ||
伊福小学校から下山小学校 | ||
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下山小学校から伊福小学校 | ||
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(2) 伊福小フェスティバル | ||
総合的な学習の時間の発表・交流の場である「伊福小フェスティバル」では、今までの交流で情報交換してきた内容や感想をクイズ形式も交えて、他の学年や保護者にむけて発表することができた。 | ||
(3) 交流の発展 | ||
川を通した総合的な学習の時間の交流をさらに発展させ、伊福小学校の様子や、4年1組の様子をホームページ形式でまとめ、CD−ROMにして郵送した。 また、国語の「調べたことを報告しよう」という単元では、学級の様子をぜひ、下山小学校のみんなにも読んでもらいたいという声が児童からあがり、こちらも一部分をコピーし郵送した。 CD−ROMと伊福小学校の子がまとめた「生活白書」を受け取った下山小学校ではさっそく目を通した。そして自分たちとは違う学校生活の様子に興味を示し、感想や下山小学校の遊びの様子などをメールで返信した。 |
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(4) 考察と課題 | ||
同じ愛知県でも海抜0メートル地帯と山地の学校の交流ということで、普段何気なく見ていた川も、ずいぶん違うということが分かり、どちらの学校の児童もメールの文章や写真に驚いていた。 4年生ということでメールを打つのに時間がかかったり、どちらの学校も児童からの直接のメールの発信は制限されていたりするので、なかなか交流がスムーズにできなかった。また、川ということにテーマが絞られていたので、何度も交流するということには至らなかった。しかし、伊福小学校の場合、1グループだけで始まった交流だが、「伊福小フェスティバル」で発表したり、下山小学校に学校や学級の紹介ホームページを送ろうという取り組みをしたりすることで、学級全体が交流先の下山小学校や児童を意識することができた。そこから、国語の学習でも、「下山小学校のみんなに読んでもらおう」という相手意識を自分たちから進んで持ち、報告文を書くことができたことは、意図していない収穫であった。 下山小学校でも、4年生8人、全校でも42人という小さな集団で生活しているだけに、メールを通じて、自分たちとは異なる環境の学校の子どもたちと交流する機会を持てたことは、外に目を向けることができたという点で収穫が大きかった。 3学期は、社会科で愛知県の様子について学習するので、そこでもぜひ交流を生かしていきたい。 |