交流実践紹介

電子メールによるオーストラリアとの交流
東海市立加木屋小学校
 オーストラリアの小学校と交流をするようになったのは4年前からです。バガーラ小学校とアバンデール小学校の児童と本校の4・5・6年生児童がペアをつくって,年に1回の郵送による作文や作品の交換が2年間続きました。その後,インターネットへの接続環境が整い、メールによる交流に発展しました。さらに,昨年度はアスピンデール小学校との交流も始められました。しかし,今年度は現地で日本語を教える日本人講師の勤務の関係から,アスピンデール小学校との交流のみとなりました。 

東海市立加木屋小学校の実践

(1) 電子メールによる交流
平成13年度の実践
 オーストラリアのビクトリア州,アスピンデール小学校で日本語を教えているAさんから交流の申し込みがあり,メールに写真を添付した情報が届きました。「ジャパンズ・デー」の様子でした。
総合的な学習の時間で
現地の様子を聞く
5月,5・6年生の自己紹介カードも郵送していただきました。こちらからもスタディノートを使って各自の趣味や特技,それに得意な教科を書き,運動会の写真を添付して送信しました。12月には夏休みを利用してAさんが来校され,オーストラリアの学校と日本の学校の違いを紹介していただきました。こちらからは書道作品をお渡ししました。児童1対1による交換が目標でしたが,人数のバランスが取れず実現できませんでした。
平成14年度の実践
 9月にAさんが来校され,オーストラリアの学校についての総合学習を行いました。スポーツについての意識の違いがあるかどうか交流で探ってみたいとの相談があり,アンケートを実施してお渡ししました。その後,現地の5・6年生とメールで1対1での交換をすすめることになりました。昨年の秋から学級に1台ノートパソコンが整備され,CATVによるインターネットへの高速な接続が可能になったことで,メールによる交流がし易くなりました。
メールによる交換 −メールの作成−
 平成14年の11月から児童は総合的な学習の時間を使ってメールを書き始めました。英語でメールを書くのは初めてという児童がほとんどだけに大変苦労しました。そこで,ALTの先生が小学校レベルで扱える基本的な英文パターンを作ってくださいました。文頭は大文字,単語と単語の間はスペース,ピリオドや疑問符まできちんと書けているか友達同士で点検し合いました。最後に綴りの間違いまで点検するのは先生の仕事となりました。
 1対1での交流ができるよう相手を決めていたので,何とかクリスマスまでにメールが届くようがんばりました。メールの作成には日ごろ使い慣れているスタディノートを使いました。半角英数のモードに切り替えて文字を入力することに戸惑ったり,アルファベットの大文字と小文字を大文字のみが刻印されたキーボードで打ったりするところが大変だったようです。スタディノートから児童が送信手続きをしたメールは直接送られるわけではなく,一旦,ファイルサーバでプールされる仕組みになっています。この段階で先生が点検して送信してもよいものだけを相手に届けることができます。
(2) 成果と課題
  • 相手校に日本人スタッフがいて,しかも,本校の卒業生であるため、帰国時に直接学校で体験や現状を伺うことができ,交流をすすめる上で大変心強かったです。交流についての細部にわたる相談もし易く、安心感がありました。
  • 児童にとって1対1の交流により身近にオーストラリアの学校や児童を知るよい機会となりました。
  • 英語で表現する機会ができ,英語への興味・関心が深まりました。メール作成を通して,アルファベットの入力スキルが高まり,辞書や電子辞書などを活用する児童がでてきました。今回は例文による同一パターンのメールでしたが,児童が聞きたいことを盛り込んだメールにするためにはさらに詳しい例文集を学校で作成する必要があります。
  • 教師にとって,児童のメールを点検するのが大変でしたが,児童の送信したメールをファイルサーバに留めて点検できたので,綴りの誤りを訂正することができました。相手に誤解を招くようなメールとならないように、点検・指導ができるこのような機能は必要でしょう。
  • 日本と海外とでは学期の始まりや終わりの時期が異なるため,残念ながら交流のための実日数が短い。同一校との交流を継続することで交流の内容をさらに深いものにしていきたい。

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