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生徒実習課題例

「Jリーグ」チーム順位の変化

Jリーグの公式戦結果を入力して
チームの特徴分析や順位の変化を調べよう。


科目の中の位置づけ

社会と情報(1)イ 情報のディジタル化
情報の科学(1)ア コンピュータと情報の処理
情報の科学(2)イ 問題の解決と処理手順の自動化

実習内容

ねらい

 身近な題材を利用して、情報の収集・加工・発信の方法を工夫する。


実習内容


授業プリント例
授業用プリント、確認テスト、評価規準の例を作成しました。
"J-league.doc" Word 97-2003文書 (118KB)

  Jリーグ公式サイト から公式データを入手して、チームの特徴分析や順位の変化を調べよう。
 データにはいくつかの種類があるが、例えば以下の「節別動向」から順位変化について考察しよう。

 チームの特徴を調べたり、勝ち点の付け方を変えると順位がどう変化するか等、作成したデータから各自で工夫して分析したり、グループで他のデータも活用するなどして分析させ、結果を発表させたい。



1 表計算ソフトにデータを読み込ませよう。
 (必要のない情報を削除するなど、各自で工夫する。)


《考察》 情報の表し方の工夫を見てみよう。
  • 1つのセルに得失点と勝ち方という3つの情報が圧縮されている。  
  • 横軸は節に対応しているため、時間を追って順位がどう変化したかという情報を内包している。  
  • 記号は、Jリーグデータセンターで利用している。勝ち点では90分負けかVゴール負けか区別できない。



2 得失点差を求めよう。
 表計算の機能を利用して、得点と失点を取り出し、その差をセルの値とした新しい表を作成する。


《考察》 チームによって勝ち方にどんな特徴があるかなど、この表から分析しよう。
 分析の目的によっては、他のデータ(ホームかアウェイ、競技場、観客数等)も活用しよう。
 
  • 1点差勝ち(負け)の多いチーム
  • 勝敗と得失点の関係
  • 守備力(攻撃力)の優れたチーム
  • 節の後半で頑張ったチーム


3 勝ち点の合計が節によってどう変化するかを調べ、順位変化のグラフを作成しよう。

a まずは、元の表から試合結果だけを取り出す。


 
  • で作成した表から文字列関数MIDを利用して記号部分だけを取り出した。
    例えば、B4のセルから記号を取り出すには=MID(B4、2、1)とする。
    ただし、得点が2桁になる場合は考慮していないので、対応については工夫を要する。


b 記号を得失点に置き換える。

 
  • 記号から勝ち点への変換方法の工夫。(下の式はB41のセルの値を変換する例)ア. 文字列の置換機能を使う。
    イ. IF文を使う。
        =IF(B41="○"、3、IF(B41="□"、2、IF(B41="△"、1、0)))
    ウ. 勝ち点のテーブルを利用して点数を調べる。テーブル参照関数VLOOKUPを使う。
        =VLOOP(B41、table!$A$2:$C$6、3)   
     上記,上の場合は、勝ち点の与え方を変えるには、もう一度同じ操作を繰り返す必要があるが、の場合は、テーブルの数値を変更するだけで済み、式を変更する必要がない。


c 上記Bの勝ち点の表からその値の累積値の表を作成する。


d 勝ち点の累積データをグラフにして順位の変化を調べよう。

  • 表計算のグラフ機能を活用することでコンピュータ処理のメリットを実感させたい。
  • 勝ち点の与え方を変更することで、自動的にこの累積値が変化し、Cのグラフも変化するので、一旦表を作ってしまえば、条件を変化させて考察することは容易であり、コンピュータを利用したメリットを実感することができるだろう。


3 まとめ
 の処理は、手作業で数値を入力したり文字列の置換機能を利用するなどの方法でも処理可能であるが、次のような理由から手作業による表の作成は最小限に抑え、表計算が持っている関数を利用して処理したい。

関数を利用した処理を行った場合のメリット
  • 1つの式を定義してしまえば、あとはその式をコピーするだけで残りの計算を定義できる。
  • 最初の表を別の年度や別のステージの結果に置きかえれば、2番目以降の表は自動的に処理が行われ、瞬時に結果を得ることができる。

 このように、コンピュータを利用するメリットは、同様の処理を繰り返して利用するような課題が与えられた場合に実感できるものと思う。一つの処理で終わらせずに、2次活用できる課題を与え、実際に生徒が処理手順を工夫したことで、コンピュータを利用したメリットを実感できるようにしたい。


発展課題


発展課題1 Jリーグデータセンターの各種データを活用しよう。








発展課題2 インターネット上の各種データを分析して発表しよう。
 官公庁のHP等から最新の統計資料がHTMLや表計算で利用できるファイル形式で入手できる。データを入力する必要がなく、大きなデータを用いて加工・分析を行うことができる。情報の表し方の工夫を読み取るとともに、これを利用して、数名のグループでミニ課題研究を行おう。
  • 人口問題

  • 高齢化社会

  • 統計で見る愛知県

など、テーマを絞ってデータの入手から加工処理、発表までを行いたい。

参考 統計情報URL

時間配分  200分

時間配分 生徒の動き 教師の動き
10分 学習内容
  • 実習の目的の把握

  • 実習の内容の理解
実習の目的の説明

実習の説明
  • 情報の収集
  • 情報の加工
  • 情報の発信
40分 実習内容
 実習1〜2
  • Jリーグ公式サイト
    (http://www.j-league.or.jp/index.html)
    からデータを入手し、表計算ソフトに読み込む。
  • 読み込んだデータから、必要のない情報を削除する。
  • 得失点差の表を作成する。
  • 作成した表から、チームの勝ち方の特徴を分析しまとめ提出する。
    • 1点差勝ち(負け)の多いチーム
    • 勝敗と得失点の関係
    • 守備力(攻撃力)の優れたチーム
    • 節の後半で頑張ったチーム

調べた情報を分かりやすくまとめる工夫をさせる。
巡回し、補足説明。
分析結果の回収。
40分 実習内容
 実習3のA〜D
  • もとの表から試合結果を取り出す。
  • 記号で表示されている試合結果を勝ち点に置き換える。
  • 勝ち点の表から、勝ち点の累積値の表を作成する。
  • 累積値の表の値をグラフにして順位の変化を調べる。
  • 作成したグラフを提出する。
情報の加工方法、処理手順を工夫させる。

表計算ソフトの関数を利用すると、作業効率があがり、表の2次活用が可能になることを実感させる。

10分 実習内容
  • 発展課題として、各種データを分析し発表する。そのテーマを各班で決定する。
班ごとに決定したテーマを報告させる。


50分 実習内容
  • 各班で決めたテーマにそって、データを収集する。
  • データを加工、分析する。
  • 発表のための資料を作成する。

巡回、補足説明。

前時までの実習(1〜3)で学習したことを活用させる。

40分 実習内容
  • 調査結果について、発表する。
  • 自己評価。
  • 相互評価。

発表について、相互評価および自己評価する。

各種チェックシート例に発表の評価シートがあります。)

10分 実習内容
  • 自己評価シートの完成。提出。
  • 相互評価シートの完成。提出。
次時の予告。
自己評価シートの回収。
相互評価シートの回収。