病院はどこにあるの?


1 多様な解釈ができてしまう例


地図 地図
 左の地図は、ある国道と県道の交差点です。

 この交差点の一角に看板が立ててあります。

 図のように、道路に対して、45度の角度で看板が立っています。

 図の左上の赤い線が、上空から見た看板の角度です。同様に、黄色い矢印が次の写真の「すぐそこ」と書いてある矢印の角度です。

 この角度でたててあると、地図のA、Bの両方から見えるので、効率的ですが、落とし穴があります。
看板1
 この写真は、上の地図の@の位置から撮影したものです。

 この交差点の近くの病院の看板で、病院の方向が矢印で示してあり、すぐそこと配慮が行き届いていそうです。

 しかし、一見なにも問題がないようなのですが。

 上の地図の小さな黄色の矢印の角度で、看板と平行に付けてあるので、問題が生じます。


看板2
Aの位置から撮影した看板

 上の地図のAの位置から撮影した写真です。

 県道を、上の地図の青い矢印の向きに進もうとしています。

 この写真の左手の看板が病院のものです。青い丸印の中の矢印の向きに注目しましょう。

 矢印は→の向きに見えます。

 ということは、下の地図でどの方角に進むと病院があるか考えてみてください。
地図

看板3
Bの位置から撮影した看板

 上の地図のBの位置から撮影した写真です。

 国道を、上の地図の水色の矢印の向きに進もうとしています。

 この写真の右端の看板が病院のものです。青い丸印の中の矢印の向きに注目しましょう。

 矢印は→の向きに見えます。

 ということは、下の地図でどの方角に進むと病院があるか考えてみてください。
地図

 2枚の写真をみると、病院にたどり着けるのは、どちらか一方の道からこの交差点に来た人に限られてしまいます。

 体調が悪くて、病院に行くのに、道に迷ったり、地図をひっぱりだしたりするのはつらいですよね。

 せっかく、病院が看板を立てているのですから、患者さんが迷わずにいけるように改善例を考えてあげましょう。


2 改善例

改善例


 病院は、上の地図の北の方角にあります。 

 まず、費用のかからない方法を考えました。

 左図のように、矢印を取り付ける角度を、看板と45度ずらします。

 こうすれば、県道の方からは、見えにくくなり、国道の方からは、右折すればよいということが分り、間違うことなく病院に到着できそうです。

改善例2
看板につける矢印

改善3
地図
 上の方法だと、県道から来た人は、どちらへ進めばよいか分りません。

 なにも、看板に書いてないのでとりあえず直進すればよいと思う人もいるでしょうが、やはり、不親切ですよね。

 そこで、もうひとつ矢印を作り図のように上向きと、右向きにして、直角に取り付けてみたらよいと思います。

 つまり、上の改善例と比較して、地図の黄色の線の位置に上向きの矢印が付け加えられます。

 費用的には、矢印をもうひとつ作る必要がありそうですが、看板1枚と比べればそれほど費用もかからないでしょう。

 これなら、国道、県道のどちらからきても、迷わず病院に到着できそうです。

 情報を相手に伝えるには、誤解をされないように工夫する必要がありそうです。