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生徒実習課題例

着メロの著作権料のゆくえ

著作権について調べよう


科目の中の位置づけ

社会と情報(1)ア 情報とメディアの特徴
社会と情報(1)イ 情報のディジタル化
社会と情報(1)ウ 情報の表現と伝達
社会と情報(2)ウ 情報通信ネットワークの活用とコミュニケーション
社会と情報(3)ウ 情報社会における法と個人の責任
社会と情報(4)ア 社会における情報システム
情報の科学(1)ウ 情報システムの働きと提供するサービス
情報の科学(4)イ 情報社会の安全と情報技術
情報の科学(4)ウ 情報社会の発展と情報技術


内容

ねらい

 情報の収集や発信の場面において他人の著作物を利用するためは、著作権についての配慮が必要不可欠である。著作物、著作権(著作者の権利、著作者隣接権)について理解する。
 また、情報を発信する際に気をつけなければならないことについて認識する。

実習に必要な機器、材料

特にないが、発表等に必要なもの適宜。

実習方法

  1. 著作物とは何か調べ、まとめる。
  2. CDで、発売されている歌について、著作者を考える。
  3. 着メロと着うたで発表を行い、質疑応答をする。

    「着メロ」は、株式会社鷹山の登録商標、「着うた」はソニー・ミュージックエンターテイメントの登録商標である。

発展学習

時間配分 100分

時間配分 生徒の動き 教師の動き
25分 学習内容
  • 著作物とは
    • 著作権法第2条:著作物  思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。例.
      • 小説、講演などの言語の著作物
      • 音楽の著作物
      • 舞踊、無言劇の著作物
      • 絵画などの美術の著作物
      • 建築の著作物
      • 地図、図形の著作物
      • 映画の著作物
      • 写真の著作物
      • プログラムの著作物

        詳細は、著作権法 第十条


  • 著作者とは
    • 著作権法第2条:著作者  著作物を創作する者


  • 著作権とは
    • 著作者の権利
    • 著作隣接権


  • 著作者の権利とは
    1. 著作者人格権(公表権、氏名表示権、同一性保持権)

    2. 著作権[財産権](複製権、上演・演奏権、上映権、公衆送信権、口述権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳・翻案権、二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)




著作物、著作者について説明

著作権について説明


参考
文化庁の「著作権」 に著作権制度の概要の説明がある。

CRICの著作権データベース の「国内法令」に著作権法の条文が載っている。

演奏家権利処理合同機構の「著作権について」に著作隣接権のF.A.Qが載っている。



補足事項
  • 生徒が作成した絵や歌も、著作物であり、生徒は、著作者である。

  • b.著作権[財産権]は、他人が〜をすることを止めることができる権利である。
    例えば、複製権は、他人が著作者の著作物をコピー(複製)することを止めることができる権利であり、使用料を払うなどの条件付きで他人が複製することを認めることができる権利である。
25分 実習A
  1. 作曲者A、作詞者Bがつくった歌を、演奏家Cが演奏し、歌手Dが歌い、レコード製作者EがCDにして発売した。この歌の著作者は、誰か考えよう。
  2. 上記の例で著作者以外にも権利(著作隣接権)が認められるのは、誰か考えよう。
  3. 著作者の著作権が制限される場合(例えば、許可なく複製ができる場合など)について調べわかりやすくまとめよう。

わからない点は、Webページなどから情報を収集するように指示。
収集した情報の信頼性、信憑性を意識。
著作権の尊重。引用先を明らかに。
巡回し、補足説明。

1.AとB
2.C、D、E
3.著作権が制限される場合については、著作権法第三十条〜第五十条に記載
*注意:平成15年6月12日に「著作権法の一部を改正する法律」が衆議院本会議で全会一致で可決、成立し、授業を受ける者も、”その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、公表された著作物を複製することができる”ようになりました(第三十五条関係)。
45分 実習B

”着メロ”、”着うた”について考えよう。
  1. あなたが、”着メロ”のデータを作成し、自分のWebページから誰もがダウンロードできるようにサーバへアップロードした。問題点を指摘しよう。
  2. 携帯電話のサイトから”着メロ”をダウンロードする際、自動的に課金され、そのうちの5円が著作権料として、JASRACに支払われ、権利者に分配される。実習Aの1の歌をFさんが着メロのデータにした場合、著作権料を受け取るのは誰か考えてみよう。
  3. 実習Aの1の歌を”着う”たにした場合、著作権料を受け取るのは、誰か考えてみよう。
  4. モーツァルト(1756-1791) の「フィガロの結婚」をオーケストラAが演奏し、”着メロ”にした場合、著作権料を受け取るのは、誰か考えてみよう。

わからない点は、Webページなどから情報を収集するように指示。
収集した情報の信頼性、信憑性を意識。
著作権の尊重。引用先を明らかに。
巡回し、補足説明。

  1. 私的利用なら問題は発生しないが、この場合は、著作権法第二十三条「公衆送信権」に違反する。

  2. AとB
    参考

  3. A、B、C、D、E参考

  4. オーケストラA。作曲者については、著作権の保護期間を過ぎているので該当しない。

著作権の保護期間(著作権法第五十一条〜五十八条)についても触れる。
*注意:平成15年6月12日に「著作権法の一部を改正する法律」が衆議院本会議で全会一致で可決、成立し、映画の保護期間が70年になっています(第五十四条関係)。
5分 実習内容  次回までに、
  • 自宅、学校などにおける、著作権法に違反している事例

について調べ、報告書ににまとめるように指示。

次時の予告。