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生徒実習課題例

問題解決の流れ

問題を見つけ、解決策の検討・実施と評価をして、改善しよう。


科目の中の位置づけ

社会と情報(4)ウ 情報社会における問題の解決
情報の科学(2)ア 問題解決の基本的な考え方


内容

ねらい

  • 問題を見えるようにしたり、分析できるようにしたりすることの効果を確認する。
  • 答えを一つに絞る前に、解決案を複数検討することの意義を学ぶ。
  • 他者と協力して互いの意見を改善していくことの大切さに気付く。
  • 解決案の実施で終わらず、結果を評価し、次につなげ改善し続けることの意味を知る。

実習に必要な機器、材料

 筆記用具

実習方法

  1. 生徒の身近にある問題を、テーマとして与える。
  2. そのテーマが抱える問題を、ヒアリング調査やアンケート調査によって問題点と目標を明確にする。
  3. 問題点を分類したり整理したりして、解決すべき問題を絞り込む。
  4. 絞り込んだ問題に対する有効な解決案を複数考え、効果を検討し、解決案をさらに絞り込む。
  5. 絞り込んだ解決案を実施し、効果を測定して、次にすべきことを考える。

時間配分 350分 (50分×7)

時間配分 学習内容 学習活動及び指導上の留意点
20分 問題解決の考え方をノートにまとめる。 問題解決の考え方について説明し、ノートにまとめさせる。
  • まずは問題を見つけること
  • 見つけた問題を分析したり解決したりできるよう具体化すること
  • 解決案をいくつか考えること
  • 解決案を実施したら、その効果を評価し、改善して次につなげること
30分 班ごとに身近にある問題を出し合い、実習課題を決める。
以下のテーマを例として示しながら、身近にある問題を出し合い、そのうちの一つを実習課題テーマとさせる。
    テーマの例
  • 学校図書館の利用率が低い
  • 部活動の参加率・出席率が低い
  • 学校行事の参加率が低い
  • 校内のゴミの量が多い
20分 設定したテーマを発表する。
その問題についての質問に答える。
ヒアリング調査やアンケート調査の説明を聞き、ノートにまとめる。
設定したテーマについて、各班に簡単に発表させ、板書する。
それぞれのテーマについて、実際どれぐらいの問題であるのかを聞く。
感覚的な話であればそこを指摘し、問題の状況を把握するためにヒアリング調査やアンケート調査をする必要性を説明し、ノートにまとめさせる。
30分 班に分かれ、テーマに適した調査方法を話し合いで決める。
調査時期や調査項目を検討する。
調査項目をノートにまとめ、提出する。
各班に分かれ、テーマに適した調査方法を話し合いで決めさせる。
調査方法が決まれば、調査時期や調査項目についても検討させる。
調査項目はノートにまとめ提出させる。
10分 発問に答える。
言葉の表現の違いによって、伝わり方が変わることを学ぶ。
各班から提出された調査項目をいくつか抽出して板書する。
この調査項目で誤解されることがないか確認する。
特に言葉の表現の違いによって、質問の意図が正しく伝わらないケースがあることを確認する。
40分 班に分かれ、調査項目に問題はないか検討する。訂正後にノートを再提出する。不備がなくなるまでこれを繰り返す。
調査用紙や役割分担など、調査に必要な準備をする。
ノートを返却し、各班に分かれ、再度調査項目に問題はないか検討させる。訂正ができたら提出をさせ、不備があれば再検討させる。
不備がなければ、調査で使用する用紙を準備させたり、調査の際の役割分担を決めさせたりする。
(ヒアリング調査やアンケート調査は授業時間外のできるところで実施させる)
20分 班に分かれ、調査結果を分析する。 班ごとに、実施した調査結果を分析する。 アンケート調査であれば集計後に並べ替えをするなどして、特に対策すべき問題に焦点を当てさせる。 ヒアリング調査であれば、聞き取ったそれぞれの事柄に関連がないかどうかなどを検討し、中心となる問題を探させる。
10分 ブレーンストーミングの説明を聞き、ノートにまとめる。 問題に有効な解決案をより多く出させる手法である、ブレーンストーミングのルールを説明する。
  • 安易に判断をしたり結論を出さない(結論厳禁)
  • 様々な意見を歓迎し、否定しない(自由奔放)
  • 意見の内容の良し悪しにこだわらず、量を求める(質より量)
  • 他の意見と合わせて発展させる(結合改善)
練習として、例えば「竹ボウキの使い道」のような簡単なテーマについてクラス全員でブレーンストーミングさせる。
20分 班ごとにブレーンストーミングで解決策を発案する。 班ごとに焦点や中心となる問題の解決策を、ブレーンストーミングにより発案させる。
10分 班に分かれ、話し合いで解決案を三つに絞る。 班に分かれ、発案した解決策のうち、効果が期待できる案を三つに絞る話し合いをさせる。
10分 メリットデメリット表についての説明を聞き、ノートにまとめる。 三つの案から一つに決定するために有効なメリットデメリット表について説明する。
30分 班ごとに三つ案のメリットデメリットをまとめ、一つの案に絞る。 班ごとに三つの案のメリットデメリットを記入させ、最終的に実施する案を一つに絞らせる。
30分 実施時期や役割分担を決める。必要な道具を準備する。 一つに絞った解決案を実施するにあたり、実施時期や役割分担、道具など必要な準備があれば行う。
20分 調査用紙など効果を測定する準備をする。 実施した結果の効果を最初と同じように測定することの意義について説明し、その準備をする。
(解決案の実施とその効果の測定は授業時間外のできるところで実施させる)
20分 解決案の実施前と実施後の効果測定結果を比較し、発表用にまとめる。 解決案の実施によりどういう効果があったか、実施前と実施後のデータを揃え、比較させ、簡単な発表ができるようにまとめさせる。
10分 発表をする。
発表を聞く生徒は、内容をノートにまとめる。
各班の発表を聞き、ノートにまとめさせる。
10分 PDCAサイクルについての説明を聞き、ノートにまとめる。
次はどうすべきかを考え、発言する。
PDCAサイクルについて説明し、各班に反省点を述べさせ板書する。その反省をもとにして、次に取り組むとしたらどうするか聞いていく。
10分 当初にノートにまとめた問題解決の考え方を見ながら、実施したことを書き加え振り返る。 問題解決の考え方について、実施したことを当てはめながら振り返りをさせる。