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生徒実習課題例

思考の視覚化による問題解決の工夫

協働により,問題点を共有し,解決策を探してみよう。


科目の中の位置づけ

社会と情報(4)ウ 情報社会における問題の解決
情報の科学(2)ア 問題解決の基本的な考え方


内容

ねらい

  • 問題解決の基本的な流れを理解させる。
  • 問題を明確化し,具体的に記述することで「現状を確認」し,問題点や改善点を発見する。
  • 問題解決にあたり,考えを整理する方法を知る。
  • 協働して考えることにより複数の解決策に気付く。

実習に必要な機器,材料

ここでは,思考の流れを可視化し,他者の思考を取り込みながら,協働して問題の解決策を考えることのできるフリーソフトウェアKneading Boardを利用する。
実習環境
ソフトウェア
配布資料
  • Kneading Boardのマニュアル(基本操作部分)
  • 学習プリント(発表をまとめる用紙)

実習方法

  1. Kneading Boardについて,基本的な操作の説明をする。
  2. 簡単な問題解決によって基本操作を理解させる。
  3. 思考方法の一つであるKPT法を活用し,Kneading Boardのシート上で主題について班ごとに議論させる。
    (KPT法:「継続(KEEP)」「問題点(PROBLEM)」「挑戦(TRY)」の3つの視点により、思考を整理させる方法)
  4. Kneading Boardの再生機能を利用して,各班の議論の過程を確認させる。
  5. 他の班の発表をもとに,各自の班の意見を見直させる。
     
 図1 「Kneading Boardの操作練習」  図2 「Kneading BoardにKPT法のレイアウトで議論」

時間配分 150分 (50分×3)

時間配分 学習内容 学習活動及び指導上の留意点
5分 話し合いの場面における,これまでの自分の関わり方について振り返る。 次の観点を中心に,議論の場におけるこれまでの各自の関わり方を振り返らせる。
  • 話すこと
  • 聞くこと
  • 話し合うこと
10分 Kneading Boardの基本操作を理解する。
簡単なテーマについてKneading Boardのシートに意見を入力させながら,基本操作を理解させる。
テーマ
  • 勉強は役にたつか
35分 実習テーマに基づいて,Kneading Board上で議論する。
班ごとに実習テーマについてKneading Board上で議論させる。
実習テーマ
  • パソコン教室の管理の方法について
25分 KPT法を用いて,意見を整理する。
思考法の一つであるKPT法を用いて生徒の思考を明確化する。
KPTを簡単に説明してから,前時のシートをもとに枠を作成し,シート上で議論させる。
  • K…KEEP(継続)
  • P…PROBLEM(問題点)
  • T…TRY(挑戦)
画面上で,まとめさせる。
20分 各班の代表による発表を聞く。
各班から,KPT法で分けられた内容を再生機能を活用して発表させる。
一人一人に,学習プリント(発表をまとめる用紙)を配布する。KPTのどこに重点をあてているかを考えさせながら,用紙に記入させる。
5分 必要な資料の確認をする。
各班の発表で,分からなかった点や自分たちの班の意見を改善するために必要な資料を検討するように伝え,次回の授業までにインターネットや図書館で,目的に応じた資料を収集するように指示する。
10分 自分の班のシートを改善する。
前時の各班の発表をまとめた用紙をもとに,再度,自分の班の意見をKneading Boardのシート上で見直させる。
20分 各班の代表による改善案の発表を聞く。
各班の改善案をKneading Boardの再生機能を活用して発表させる。
学習プリント(発表をまとめる用紙)に追記させる。
10分 各班から出された改善案を参考に自分の班のシートを改善し,完成させる。
お互いの意見を尊重し,改善を重ねていくことを強調する。
10分 問題解決における思考の流れ,及び話し合いに臨む姿勢の変化を振り返る。
問題解決の思考の流れについて振り返らせるとともに,話し合いの場に臨む姿勢の変化を生徒自身に実感させる。


参考サイト

放送大学ICT・遠隔教育センターに関するページ
 放送大学ICT・遠隔教育センター
 http://www.code.ouj.ac.jp/
 Kneading Board
 http://KB.code.ouj.ac.jp/

KPT法に関するページ
 ふりかえりガイド(永和システムマネジメント 天野勝)
 http://www.objectclub.jp/download/files/pf/RetrospectiveMeetingGuide.pdf