一宮市三岸節子記念美術館
施設概要
一宮市三岸節子(みぎしせつこ)記念美術館は、平成10年に尾西市三岸節子記念美術館として開館し、平成17年の市町村合併にともない現在の名称に改称された。
名誉市民(旧尾西市)である三岸節子画伯(明治38年 1905〜平成11年 1999)をたたえ、その作品を収集・展示することにより、その画業を後世に伝え、市民の美術への関心を高めることを目的としている施設である。
画伯の生家跡に建設されており、かつてこの敷地内にあった織物工場を彷彿とさせる鋸(のこぎり)屋根、現存する土蔵を生かしてアトリエを復元した展示室、ヴェネチアをイメージした水路など、三岸画伯の思い出と深くかかわった設計がなされている。
三岸は幼いころより文学少女であり、その長い画業の中で、様々な書籍の挿絵や装丁を手掛け、自らも随筆などの文章を残している。戦前から佐多稲子、壺井栄ら多くの女性文学者と交流し、戦後は、女性歌人が結集した女人短歌会により40年以上にわたって発行された機関誌「女人短歌」の表紙絵を担当したことでも知られる。
同館には、「女人短歌」をはじめ、画伯の装丁になる単行本等が多く収蔵されている。
国語科授業の施設利用例
同館では平成18年に企画展「三岸節子と装丁展〜文学者たちとの交流〜」を開催した折に、「三岸節子を詠む」と題して、平成18年10月14日(土)から11月30日(木)まで、館所蔵の三岸節子の作品について詠んだ短歌を募集し優秀作を表彰した。
その後、「三岸節子短歌ポスト」を設置し、来館した人が画伯の絵を見てその印象を短歌にして投稿できるようになっている。入賞者(小中学生も含む)等の短歌を掲載した短歌集も刊行されているので、初めてこのような形で短歌を作る児童・生徒にも参考となる。
年に2回締切を設けて、優秀作は館内に掲示され、ホームページでも紹介されるので、クラス、学年単位で同館を訪れ絵画鑑賞と同時に創作活動をすることが可能である。国語科と図画工作科及び美術科の教科連携による単元学習にも好適な施設である。