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農林産物を活用したアクセサリーづくり
1 目的
 近年,若者の間でヘンプ(麻)を素材としたアクセサリーが人気を博している。ナチュラルでオーガニックな素材として,受け入れられている。麻は伝統的な農産物であり,工芸的加工に関することを学ぶことは,この活用に通じる。また,その他の素材としてウッドビーズを使用することで,林産物の活用も加わる。そこで,高校生が興味を強く示す傾向があるアクセサリーづくりをテーマとし,生徒たちが農林産物に対する親しみを深め,創意工夫をこらす力を養うための一連のプログラムづくりと実践を行った。

2 手順
 いきなりヘンプロープを使用して編み方の練習を始めても良いが,クラフト用のヘンプロープは細く柔らかいので,扱いづらい面もある。そこで,林産物の一つである荷造り用の紙ひもを用いて基礎的な編み方を習得させることとした。この理由として,素材が紙であるため,ある程度の硬さがあり,かつ,折り跡がつきやすく,容易に練習することが考えられたからである。また,安価であることも理由に挙げられる。
 ヘンプを素材としたブレスレットやネックレスなどのアクセサリーの基本的な編み方である三つ編み,平編み,ねじり編みの手順と実際の編み方について以下に示す。

 (1) 三つ編み
 左の赤いひもを右2本の間に
 上から入れる。
 右の緑を左2本の間に上から
 入れる。
 1 と 同様に左の黄を右2本の
 間に入れる。
 以降,1〜3を繰り返す。

 (2) 平編み
 左の赤が芯ひもの上をまたぎ,
 右の黄の下に入る。
 右の黄が 芯ひもの下を通り,
 下から左の赤の上に出る。
 右の赤が芯ひもの上をまたぎ,
 左の黄の下に入る。
 左の黄が芯ひもの下を通り,
 下から右の赤の上に出る。
   1〜4を繰り返す。
  
 (3) ねじり編み(左ねじり編み)
 左の赤が芯ひもの上をまたぎ,
 右の黄の下に入る。
 右の黄が芯ひもの下を通り,
 下から左の赤の上に出る。
 色が変わっても,常に
 左のひもが上にくるよう
 にして、1〜2を繰り返す。

 (4) 紙ひもを素材としたブレスレットの編み方手順例

   材料 : 紙ひも 60cm×3本 220cm×1本

 ア)60cmのひも3本で3つ編みを8cmほど編む。(図1)
  三つ編み部で輪をつくり,残りの部分に結びつける。(図2)

図1 3つ編み 図2 輪を結ぶ

 イ)結び目の下から計6本を抱え込む様にし220cmのひもの中心を結ぶ。(図3,図4)

図3 輪の結び目の根元で結ぶ 図4 きつく締める

 ウ)平編み5cm,左ねじり編み7cm,平編み5cmの順で編んでいく。(図5)

  (腕の太さによって適宜変更するとよい。)

図5 編んだ様子

 エ)最後は5本をひとまとめにして結び,余分な部分を切り取る。(図6)

図6 結び目は輪にちょうど入る程度の大きさ

 オ)三つ編みの輪の部分に結び目を入れればストッパーになり(図7),ブレスレットの完成。(図8)

  ヘンプを素材とする場合はこの結び目の代わりにウッドビーズを使用する。

図7 ストッパー 図8 完成したブレスレット

3 まとめ

 これらを元に授業を行い,皆,楽しく実習を進め,技術向上を図ることができた。

図9 熱心に取り組む生徒たち 図10 ブレスレットの重ね付け

 実習を通してヘンプや自作のウッドビーズ等を素材とし,各々の創意工夫をこらして,素晴らしい応用作品を作り上げた。(図11,12)これまでの授業に加えて,農林産物の新たな可能性を学ぶことができた。

図11 ヘンプとウッドビーズで応用作品づくり 図12 個性あふれる作品の数々