|
|
手順1 花枝(種)の採取
天然のアマモから種が付いている花枝を採取する。貴重なアマモの種なので,取り過ぎないように注意する。 |
手順2 海洋での追熟
採取したアマモの種を花枝ごと海中に沈めて追熟させる。余分な葉の部分は腐敗し,種が採取しやすくなる。 |
|
|
手順3 種の選別(その1)
追熟した種を引き上げ,余分な葉や中身が入っていない種を取り除く。 |
手順4 種の選別(その2)
細かい貝殻の破片などを取り除き,使える種を選別する。 |
|
|
手順5 追熟
選別した種を海水とともに容器に入れ,冷蔵庫でさらに追熟する。 |
手順6 種植え(その1)
追熟したアマモの種を泥と一緒に育成用のポットに移す。 |
|
|
手順7 アマモの種植え(その2)
よりよい発芽条件を調べるために数種類の培土を用いて実験区を設定した。
|
手順8 アマモの種植え(その3)
アマモは海水域に生息するが,淡水でも発芽するか検証するため,淡水の実験区も作成した。 |
|
|
図1 実験区に使用した培土
土壌環境をよくするために,泥や土の中に土壌改質活性培土を使用した実験区も作成した。 |
手順9 種苗の栽培
海水を張った水槽に,アマモの種を植えたポットを入れて栽培する。酸素を補給するため,曝気も行った。 |
|
|
図2 淡水実験区
淡水実験区でも発芽したが,その後多くの種が水面に浮いてしまったり,カビが生えたりしてしまった。 |
図3 海水実験区
ポットに種を植えて1週間ほどで,発芽を確認した(この図は,ポットに植えてから2週間ほど経ったもの)。
|
|
|
手順10 海洋への移植(その1)
ある程度大きくなったアマモの苗を育成用のポットから外し,海域に移植する。 |
手順10 海洋への移植(その2)
経過観察を行うため,目印を付ける。 |
|
|
手順11 経過観察(2週間後)
移植をして2週間後。波や潮流で抜けてしまうのを懸念していたが,しっかりと定着したようである。 |
手順12 経過観察(3ヶ月後)
移植をして3ヵ月後。夏の水温上昇や波の影響で,アマモが少なくなった。 |
|
|
図4 アマモ移植を行っている海域
透明度は低く,全体的に濁ってる。特に濁りがひどいときは,30cmぐらいしか見えない。この透明度の低さも,アマモの生育に影響を与えている。 |
図5 移植海域に自生しているアマモ
透明度が低いながらも,ところどころにアマモが自生している。そのため,移植したアマモもこの海域で生育が可能であると考えている。 |
|
|
図6 調査海域に生息している生物(コショウダイの幼魚)
アマモ場の周辺には,多くの生物が生息している。アマモ場は,生物の隠れ場所や幼稚魚の生息場所として,大きな役割を担っている。 |
図7 調査海域に生息している生物(ツメタガイの卵塊)
ツメタガイの卵塊は,「スナヂャワン」とも呼ばれ,お茶碗をひっくり返したような形をしている。ツメタガイは,アサリなどの貝類を食べてしまうため,問題となっている。 |
|
|
図8 調査海域に生息している生物(ツメタガイ)(動画)
アマモ場には緩流効果があり,二枚貝をはじめとする浮遊幼生の着床が促進され,資源量が増加することが報告されている。ツメタガイはそれらの二枚貝を捕食してしまう。 |
図9 三河湾内の他のアマモ場
大きなアマモが群生している。アマモを移植した場所が立派なアマモ場になることを願いたい。 |