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※評価の観点シート
1 目的
 スイカやカボチャなどのウリ類は雌雄異花であり,受粉をしないと果実が着かない。そこで確実に着果させるために栽培過程で人工授粉を行う事が一般的である。人工授粉の方法には,トマトなどで広く使用されているホルモン処理や花粉を使った授粉がある。今回は雄花を利用したウリ類の人工授粉を行う。
※雌雄異花・・・おしべの機能しかない雄花とめしべの機能しかない雌花が別々に咲く。

2 実習手順
 (1) つる(蔓)が伸びる様子
  スイカなどのウリ科の植物は親づる(主茎)から子づるや孫づるを出し,そこに着果させることが多い。そのためつるの整理をしておくことが必要である。


1 定植直後
  親づるがある程度伸びると子づるが発生してくる。スイカでは親づるを5節ぐらいで摘心することもる。
  2 つるが伸びた状態
  定植後1か月ほど経つと子づるが伸び,花が咲き,孫づるの発生も見られる。
 
  3 雄花が着く位置
  雄花は親づると葉の間に2〜3個の花が集まって咲く。
  4 雌花の着く位置
  雌花は親づるから伸びた子づるに1個ずつ咲く。
 
  5 雄花
  花の基部には何も着いていない。雄花の多くは1か所から2〜3花が出ている。
  6 雌花
  花の基部に小さなスイカが着いている。この他のウリ科野菜も同様に小さな果実が着いている。
 

7 正面から見た雄花
  正面から見ると花の中心に大きな(やく)が見える。
  8 正面から見た雌花
  正面から見ると花の中心にめしべが見える。授粉をするとめしべの先端に花粉が付くのが分かる。
 
手順1 雄花を取り,授粉しやすいように花弁を全て取り除く。   手順2 花弁を取り除いた雄花を雌花の葯に2〜3度トントンと軽く着ける。  
手順3 授粉日がわかるように印を付ける。雨や水に濡れても大丈夫な素材を選んで付ける。    人工授粉の方法(動画)  
3 まとめ(留意点)
 ・雄花と雌花の区別をしっかりとつけることが第1段階である。生育条件によっては本来,雌花が咲く部分に雄花が咲くことがあるので,確認をしてから授粉することが必要である。
 ・スイカやメロンのなどのウリ類は授粉からの日数が,収穫の目安の一つになるので,授粉日がしっかりと分かるようにしておくことが収穫適期を逃さないポイントになる。
 ・ウリ類の人工授粉は乾燥気味の方が成功しやすいので,よく晴れた朝に行う方がよい。
 ・雄花の花粉は新しい花の方が多いので,なるべく新しい雄花を選んで授粉する。