1 実験の目的 (1) 環境教育の一環として、校内の花壇管理を教材に環境美化を実践する。 (2) 花壇苗栽培を通して、植物の繁殖・生育の過程を観察する。 (3) 草花の種をまき、発芽の条件、仕組みを理解する。 2 必要な物 使用器具・・・プラグトレイ(セルトレイ)、ピンセット、播種(はしゅ)用の培養土、草花の種子、噴霧機(霧吹き)、針金(苗を抜くための太い物)、2.5〜3号ポリポット、育苗用の培養土 3 播種 (1) プラグトレイに播種用の培養土(調整ピート)を詰める。培養土は、軽く全体に詰めたら、上からトレイを重ね軽く鎮圧し、もう一度詰め直すと良い。 (2) ジョロで水をかけ、培養土を充分湿らせておく。 (3) ピンセットで、種子を一粒ずつマスの中心へまいていく。種子の大きさの2〜3倍の深さまで培養土に種子を押し込む。 * 好光性種子(発芽に光を必要とする種類)の場合、種子は、軽く培養土にさし込む程度にとどめておく。 (4) 噴霧機や霧吹きで充分水を与え、雨の当たらない場所で、直射日光を避けて発芽するまで管理する。トレイのマスは小さく、乾き易いので注意する。ただし、水が多すぎると、腐敗しやすいので、水が常に見える状態にはしないようにする。 (5) 早いもので4〜5日、平均10日前後で発芽する。 (6) 発芽したら、日当たりの良い場所(真夏の炎天下は避ける)に移し、管理する。かん水は、乾き具合を見ながら、朝10時ごろまでに1回、午後乾くようなら3時ごろもう1回行う。 (7) 発芽後、2週間ほどをめどに一度、液肥(1000倍程度の濃度)をかん水に代えて行うと良い。同時期に、病気(立ち枯れ病)が心配であれば、殺菌剤を散布し、害虫による食害があれば殺虫剤をばらまいておく。
4 鉢上げ (1) 播種後1か月、本葉が3枚伸びたころに鉢上げを行う。 (2) 2.5〜3号ポリポット(直径7.5〜9cm)に培養土を詰めておく。土の量はポット上部の線を目安にする。かん水をした際に、水がポットからこぼれずにたまる隙間(ウォータースペース)の確保に注意する。 (3) プラグトレイの底の穴に、針金をさし込み、苗を押し出すように抜く。花の種類によっては、胚軸が弱いものがあるので、苗を持つ際は本葉をつまむか、根を張っている土の部分を持つようにする。 (4) ポリポットの土の中央に、人差し指を第2関節あたりまで突き刺し、穴を開ける。その中へ、苗を入れ深さを確認する。子葉のやや下まで土の中へ埋まる 程度の深さがよい。徒長(とちょう)した苗(胚軸が長く伸びたもの)は、やや深めに植えておくとその後の苗のぐらつきが防げる。 (5) 根元に、周りの土を少し寄せ、鉢全体を軽く振動させ落ち着かせる。土の表面を指で押さえ付けることはしない。(土が締まり、根の生育が悪くなる) (6) 鉢上げ後、充分水を与える。根が鉢の中で活動し始めるまで(2週間ほど)は、与える水の量を控えめにするとよい。 (7) 2週間ほどしたら、培養土に肥料が入っていない場合、緩効性の化成肥料を2〜3粒与える。 (8) 病害虫の発生に対しては、播種後と同様の防除を行う。 (9) 鉢上げ後、1か月ほどで定植可能な大きさにまで成長するので、花壇やプランターへ植え付ける。
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