※評価の観点シート
1 目的
 身近な河川にも多くの生物が生息している。身近な河川の生物や環境を調べることで,自然や生物に親しみをもたせ,自然に対する意識を高め,身近な河川で起こっている変化にも目を向けさせる事を目的とする。

2 実験手順
 (1)河川での生物採取
  河川調査を行う際には,水質を測定するために水温計やパックテストの他,生物を採取するための網やバケツ,採取した生物を生かして持ち帰るためのエアレーションなどを持って行く。


図1 調査地点
  蒲郡市にある西田川にて調査を行う。主に河口域〜中流域までの3地点で調査を行う。
 
  手順1 水質測定
  水温とpH(酸性・アルカリ性を示す)を測る。pHは,パックテストを使用すると簡単に測定できる。
 
 
手順2 生物採取
  網を使って生物を採取する。ここでは,魚を追い込む係と網を構える係に分かれて採取する。
 
  手順3 生物採取(動画)
  草の陰に魚が隠れていることが多いため,個々で採取をするときは草の根元を足で蹴り,魚を網の中に追い出す。
 
手順4 採取した生物の計数
  採取した生物は,その場で計数をして,必要最低限の量だけ持ち帰る。
 
  手順5 調査結果の記録
  採取した生物の種類と数をしっかりと記録して,種類の分からない生物は,持ち帰って同定(種類の特定)をする。
 
 
手順6 写真に記録
  採取した生物は,写真を撮影しておく。観察管を使うときれいに写真が撮れる。写真の魚はオイカワ。
  手順7 種の同定
  種類の分からない魚は,持ち帰って調べる。魚類検索図鑑で形態の特徴(模様など)などから同定をする。
 
図2 平成10年度調査との比較
  平成10年度は採取されなかったスミウキゴリやカワムツが増えている。アユは大きな変化は見られない。
  図3 外来生物(ミシシッピアカミミガメ)
  元々日本の川には生息していなかった生物も見られる。特定外来種は飼育も移送も禁止されている。
 
 
図4 平成16年の中流域の様子
  写真では分かりにくいが,水深が浅く,くるぶし辺りまでしかない。河岸の草も少ない。
 
   図5 平成26年の中流域の様子
  図4と同じ地点を対岸から撮影した写真である。河岸に草が繁茂し,水深も深いところでは膝下ぐらいまである。
 
図6 平成25年の汽水域の様子
  淡水と海水が混じり合う,汽水域である。水際には植物が繁茂し,ナマズなどの生物が見られた。
 
  図7 平成26年の汽水域の様子
 図6の地点は,護岸工事が行われ,水際の植物が無くなってしまった。生物もほとんど見られない。
 
 
図8 アユ
 街中を流れる川であるが,アユが生息している。また,西田川ではアユの放流が行われている。
 
  図9 ブルーギル(特定外来種)
 ブルーギルは数は多くないが,ここ数年は毎年のように捕獲されている。
 
 
図10 アカエイ
 河口付近には,アカエイが入ってくることがある。毒のある棘を持っているため,注意が必要である。
  図11 ゴミの回収
 調査に行くときは,ゴミ袋を持っていき,川に投棄されていゴミの回収を行っている。
 
 
3 まとめ(留意点)
ポイント1 生物採取をするときは、必要最低限度の量だけを採るようにする。
ポイント2 危険な生物がいることもあるため,生物に触るときは注意する。
ポイント3 生物が住んでいる環境を壊さないように気を付ける。