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1 目的
 キクは日本の国章として古くから日本人に親しまれている花である。栽培種の原産地は中国だが帰化植物として日本書紀にも登場する。以前は葬儀や追悼セレモニー等での利用が主であったが,現在では結婚式やクリスマス等にフラワーアレンジメント用の花としても使われている。
 愛知県はキクの作付面積,出荷量,産出額において国内1位(平成23年度)であり,産地では,10月になると電照キクの栽培により,圃場一帯が明るく照らされる。この実習では,愛知県の特産品であるキクの栽培技術及び収穫・出荷調整技術の習得を目的とする。

2 実習手順
 (1)栽培管理
  9月上旬に苗を定植,10月から電照を行う。草丈が90cmを超えたら電照を中断し,花芽の形成を 促す。また,農薬散布を行い病害虫の発生を防除する。

手順1 定植
 ネット目に沿ってキクの苗を1本ずつ定植する。
    手順2 ネット上げ
 茎が真っ直ぐ成長するように,成長に合わせてネットを上げる。
 
手順3 夜間の電照
 短日植物であるキクの花芽分化が起こらないように,夜間の電照を行い花芽の形成を抑制する。
  手順4 腋芽かき
 頂部の花蕾を大きくするため,他の腋芽(花蕾)を取り除く。スプレー菊の場合は茎頂及び中〜下部の腋芽を取り除く。
 

  (2)収穫・出荷調整
  花蕾が成長し,色づいてきたら(5部咲き程度)収穫を行う。
  等級ごとに分け,結束し出荷調整を行う。
手順1 収穫
 キク切り鎌で,根元を斜めに切る。
  キクの種類
 左:輪菊 右:スプレー菊
 
 鎌の種類
 左:普通の鎌 右:キク切り鎌
  収穫適期のキク 
 左:早期 中央:適期 右:遅期
 
  手順2 まとめ
 運搬しやすい量にゴザでまとめる。
    手順3 等級分け
 重さ,長さ,曲がり具合により等級を分ける。
 
手順4 結束
 花の位置をそろえ,まとめる。
  手順5 結束
 花の位置をそろえ,10本ずつ縛る。
 
手順6 花カバーかけ(動画)
 花びらが散らないように,花カバーを1束ずつかぶせ,決められた長さで茎を切る。
  手順7 出荷
 品種,等級ごとにまとめて出荷する。
 
3 まとめ(留意点)
 ・キク切り鎌はよく切れるので,長靴などを切らないように注意する。
 ・運搬車の運転は前後左右を確認し,注意して運転する。
 ・結束時には変色した葉などを取り除く。