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みかん瓶詰め試作
1 目的
 みかん瓶詰めの試作を通して,ミカン缶詰の製造過程の理解と衛生管理等について学ぶ。
 また,酸とアルカリを使ったみかんのはく皮方法を体得し,食品加工技術の習得を目指す。


2 皮むき
 (1) 湯通し
  みかん1sを95℃の熱湯中に1分間程浸す。これにより皮がむきやすくなる。
 (2) 皮むき
  竹べらを使い外皮をはぎ取る(図1)。
  外皮をはぎ取ったみかんは風乾する。表面を乾燥させることで次の身割りを行いやす
 くする。
 (3) 身割り
  みかんの果肉を2つ割りにしてからバラバラに離す。身割りの際に,みかんを傷つけ
 ないのコツとして,親指の腹で行うとよい。身割りしたものは,密着しないように水に浸
 す(図2)。
図1 外皮の剥皮 図2 身割りしたみかん

3 薬品処理(内果皮・ひょうのうを除く)
 薬品処理はプラスチック容器で行う。
 (1) 酸処理
  50℃に加温した0.5%塩酸(食品添加物用2〜3リットル)に15分間浸す(図4)。この
 とき塩酸の温度が下がりすぎると処理に時間がかかるため,温度を保つ工夫をし,
 時々かき混ぜ,その後軽く水洗いをする。処理の時間は,使用するみかんの量によっ
 て変わる。
 (2) アルカリ処理
  50℃に加温した0.2%水酸化ナトリウム溶液(食品添加物用2〜3リットル)に10分間
 浸す(図5)。このとき溶液の温度が下がりすぎると処理に時間がかかるため,温度を
 保つ工夫をし,時々かき混ぜる。その後流水中で15〜30分くらい水さらしをし,付着残
 留する薬液を取り除く(図6)。処理の時間は,使用するみかんの量によって変わる。
図3 薬品の調製 図4 薬品処理(酸処理)
図5 薬品処理(アルカリ処理) 図6 水さらし

4 肉詰めと殺菌
 (1) 選別
  水を入れたバットにみかんを移し,皮,種などを取り除き,形の良いものを選別する
 (図7・8)。このとき,みかんを傷つけないように水の中で作業をする。
  選別したものは水を入れた容器に移す。
図7 選別されたみかん 図8 選別作業

 (2) 肉詰めと水切り
  瓶の肩口までみかんを入れ,瓶を逆さにして水を抜く(図9)。
 (3) 糖液注入
  瓶の肩口の少し上まで40%に調整したシラップを入れる。
 (4) 脱気と殺菌
  瓶の蓋を軽く乗せ,蒸し器で15分間加熱し殺菌する。
  殺菌後,蓋を完全に締め,冷めるまで逆さまに置き,冷暗所で保存する。シラップが
 浸透すると,みかんが沈み,完成(図10)。
図9 水切り 図10 みかん瓶詰めの完成