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トマトケチャップの製造
 ※評価の観点シート
1 目的
 トマトの加工品であるトマトピューレを製造する。また,製造したトマトピューレに調味料や香辛料を加え,トマトケチャップを製造する。

2 実験手順
 (1) トマトピューレの製造
  加工用トマトの果汁を煮詰め,トマトピューレを製造する。


   
  図1 加工用トマト
 果肉は硬く,濃い赤色が特徴。基本的に露地で茎が地を這うように栽培する。太陽の光をたくさん浴び,真っ赤に完熟したものを収穫する。
   図2 生食用トマト
 果肉は軟らかく,鮮やかな赤色が特徴。基本的に温室内で茎を支柱で支えて栽培する。周年栽培され,みずみずしく軟らかいため完熟する前に収穫する。
 
 
  手順1 トマトを水でよく洗い,土や汚れを取り除く。   手順2 痛んだ実や傷ついた部分を取り除く。 
   
  手順3 クラッシャーという機械でトマトを砕く。   手順4 パルパーという機械で種や果皮を取り除き,果汁を集める。
   
   図3 クラッシャーとパルパーの使用(動画)   手順5 果汁の糖度を測定する。加工用トマトの糖度は4〜5度程度ある。
   
  手順6 濃縮釜で果実を煮詰め,濃度を調節する。
  手順7 完成
 濃縮前よりも色が濃くなっている。
 可溶性固形分は24%未満と決められている。
 
 (2) トマトケチャップの製造
  トマトピューレに調味料や香辛料などを加え,トマトケチャップを製造する。
 
   
  手順1 トマトピューレの量を計量する。ピューレの量によって調味料,香辛料の量を決定する。   手順2 材料の香辛料を計量し,食酢に漬けて香りを抽出する。
   
  手順3 タマネギとニンニクをみじん切りにする。水を加えて煮込み,野菜液を作る。   手順4 煮込んだ野菜液や砂糖,塩,香辛料を加える。酸味料(食酢・リンゴ酸)を加え濃度,糖度を確認する。
   
  手順5 パルパーで裏ごしする。野菜の繊維や香辛料の大きな粒をこし取ることで滑らかな液体にする。   手順6 殺菌したガラス瓶に詰め,ふたを閉める。
   
  手順7 殺菌用レトルトで瓶ごと殺菌する。   手順8 完成したトマトケチャップ。可溶性固形分は25%以上になる。
3 まとめ(留意点)
 トマトは皮ごと破砕するので汚れや痛みをしっかり取り除く。
 完成したトマトピューレの量によって調味料を計量する。
 食酢の主成分(酢酸)は揮発性のため,トマトケチャップ完成の直前に加える。
 トマトケチャップは完成に近づくと粘度が高くなり,跳ねるのでやけどに注意する。
 トマトケチャップは完成直後より,一ヵ月熟成させると味がなじんでおいしくなる。