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緑竹(バンブー)の繁殖に挑戦
 緑竹は台湾原産の熱帯植物です。台湾では「タケノコの王様」と呼ばれる高級食材で,国内では一部の高級料理店だけで提供しており,あまり知られていません。緑竹栽培は稲作やミカン栽培よりも単位面積当たりの農業所得が高いという報告もあります。緑竹は孟宗竹のように地下茎を伸ばすタイプではなく,分げつタイプであるため,株分けで繁殖をします。しかし,緑竹は1株の単価が高く,限定販売であるため,効率的に緑竹苗を殖やす繁殖に挑戦をしてみました。
   
  図1 緑竹の挿し木繁殖
 緑竹の枝葉を用いて挿し木繁殖に挑戦しました。しかし発根することはなく,すべて枯れてしまいました。
  図2 古い稈(かん)から発根
 1年以上経過した古い稈(節の部分)の成長帯から発根することが分かりました。また,6月の伸長期が繁殖に適していることも発見しました。        
   
  図3 緑竹の取り木繁殖@
 透明ポリポットに切れ目を入れ,緑竹の稈の位置にステープラと針金で固定をします。

  図4 緑竹の取り木繁殖A
 ポットの底に水ゴケを敷き,培養土を入れたら乾燥防止のために,もう一度水ゴケを培養土の表面に敷きます。
   
  図5 取り木繁殖B
 緑竹1本に対して取り木を3〜4箇所行うことができました。                     
  図6 取り木繁殖C
 取り木から三ヶ月後,発根を確認することができました。     
   
  図7 取り木繁殖D
 発根した稈の上下10cmをノコギリで切ります。      
  図8 取り木繁殖E
 ポットを外すと発根した根をよく観察をすることができました。取り木の成功率は75%でした。      
   
  図9 取り木繁殖F
 取り木に成功した緑竹を鉢に植えて完成です。富士竹類植物園に報告したところ,前例のない取組みとアイデアであるという評価をいただきました。 
  図10 緑竹のタケノコ
 商品作物としても期待ができるため,さらなる研究を進めていきたいと思っています。