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正月の伝統的な寄せ植えである「松竹梅」に用いる植物の組み方や材料の意味について学習します。
「めでたい」しるしの松・竹・梅を主とし,さらに副として「めでたさ」を象徴する植物,ナンテン,フクジュソウ,セキショウ,ヤブコウジ(十両)などを用います。また,この「松竹梅」は,地域特有の組み方があり,伝統技術として各地域に伝わっています。
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一山型の「松竹梅」の配置図 |
二山型の「松竹梅」の配置図
(今回はこちらのタイプ) |
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鉢の正面を決める |
不織布を敷く |
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田土を1cm程度敷く |
マツの赤葉(茶色の葉)や,
下に向いている葉を取る |
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マツをまっすぐ芯が通るように固定し,
一番大きい石を田土で固定し据える |
一番小さい石をマツの前に持ってきて
田土で底上げをしながら固定し据える |
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ウメは根鉢を削り,小さくする |
ウメを斜めにし,前に石を据え,
ナンテンを後ろに固定する |
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チゴササをウメの奥に田土で固定する |
山と海の境をイメージしながら,
田土で仕上げていく |
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フクジュソウとセキショウを固定する |
コケの周囲を押さえながら,
山なりになるように貼っていく |
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コケを山部分に貼っていく |
寒水石や添景物を置く |
松竹梅の材料の意味
・松
常に青々しく,枝も栄え葉も繁り,寿命長く,一家繁栄することを象徴している。また,枯れ落ちても二本の松
葉は離れることなく,長寿と夫婦円満の姿を表している。
・竹
雨,風,雪にも負けず,たとえ竿(さお)が地面に接しても折れることなく元に戻る素直な性質は,人生の理想
的な姿になぞらえられている。どんなに悪い環境にも耐えて張る根の力は,生命力,我慢強さを象徴してい
る。
・梅
極寒にも負けず,早春には香気高い花を付ける梅は,明るい年明けを象徴している。明るい家庭が築けること
を表している。
・南天(ナンテン)
「難を転ずる」という語呂合わせから,厄除け,一家安泰という意味をもっている。また,幸が多いという語呂合
わせからオタフクナンテンも使用されている。
・福寿草(フクジュソウ)
草山類中でも特殊な花咲きをし,親から子へ,子から孫へと次々に咲き続けている。この姿こそ,子を思う親
心の象徴であり,一家繁栄の象徴とされている。
・一両,十両,百両,千両,万両
真紅の小さな実を無数に付けることは豊かさへの願い,繁栄を表している。日陰でも育ち,逆境に負けないこと
を表している。
・苔(コケ)
山地の日陰を表し,千代に八千代に苔のむすまで長く栄えることを表している。
・岩,寒水石
白い寒水石は,海,川を象徴し,岩は山を表します。また,海のごとく大きな気持ちで恩を忘れず,山はより高
くすることで,親の恩は海より深く山より高いということを表している。 |
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