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ロジェーの跳躍子



1 はじめに

 ロジェーの跳躍子は、平行で同じ向きの電流がそれぞれの磁場により互いに引き合うことを示す教材としてよく知られています。らせん状の導線の上端を固定して鉛直につるして、下端を水銀に接するようにして電流を流します。らせん状の導線は平行導線間の引力によって縮み、らせんの下端が上昇し水銀から離れ回路は開きます。すると電流が止まり、らせんが元の状態に戻ろうとして伸び、らせんの下端が水銀に触れるので再び回路は閉じて電流が流れます。これを繰り返すのでらせんは跳躍するようにみえるのです。ここでは水銀を使用しないで、乾電池3個程度で跳躍するように工夫した手軽に実験できる方法を紹介します。



2 準備

エナメル線(直径0.32mm程度)、紙やすり、サインペンの丸軸(直径10mm程度)、カッターナイフ、アルミ箔、発砲スチロール、セロハンテープ、目玉クリップ、鉄くぎ、単一乾電池(3本)、電池ホルダー、ミノムシリード線(2本)




3 方法

 

(写真1)

(1) エナメル線を140cm程度用意し、その両端を5cmほど紙やすりでエナメルをはがします。直径が10mm程度のサインペンの丸軸の端にカッターナイフで切り込みを作り、そこにエナメル線の一端をはさみます。エナメル線をぴんと張りながら隙間ができないように最後(下端)まで密に巻きつけます。はさんであった端(上端)をそっとはずします。(写真1)








 

(写真2)

(2) 発泡スチロール片の半面に、幅6cmで長さが15cm程度のアルミ箔を巻きつけセロテープで留めます。らせん状導線(以下「らせん」とします)の上端のエナメル線を横にまっすぐ伸ばして、目玉クリップに取り付けます。らせんの下端が発砲スチロールに張ったアルミ箔に軽く触れるように目玉クリップの位置を調節します。(写真2)












 
(動画)

(3) 単一乾電池3本を電池ホルダーにセットします。発砲スチロールに張ったアルミ箔と電池ホルダーをミノムシリード線でつなぎます。もう1本のリード線で、らせんの上端が取り付けてある目玉クリップと電池ホルダーをつなぎます。電池の極性は、どちら側が正極でも構いません。焼きなました鉄くぎをらせんの中に挿入すると、らせんは細かく跳躍します。(右の動画)




4 その他 

 らせんを跳躍させるためには、らせんの巻き具合とらせんとアルミ箔との接触の度合いが重要です。乾電池3本程度では、らせんに鉄くぎを挿入しないと十分に跳躍させることができません。




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