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大容量コンデンサーを用いた実験(2)


 
          手回し発電器を使った静電容量の測定
1 目的:
 手回し発電器をつないだままコンデンサーを放電させると、放電電流の値がほぼ一定となるので、放電時間を測定すれば放電された電気量が容易に求められる。このことを利用して、関係式Q=CVが成り立っていることを確かめたり、コンデンサーの電気容量を求めたりする。

2 準備:
 大容量コンデンサー(1F、0.5F、0.25F)、手回し発電器、直流電圧計、ミリアンペア計、リード線、ストップウオッチ、グラフ用紙

3 実験操作:
(1)下の図のように、コンデンサー、手回し発電器、電圧計、ミリアンペア計をリード線で接続する。充電する際、コンデンサーの耐電圧以上に電圧が加わらないように注意する。
(2) 手回し発電気を回してコンデンサーを充電し、電圧計の目盛りが5.5v〜6.5vになったらハンドルから手を放す。
(3) 発電器を上図のようにまっすぐ保持して、放電中にミリアンペアー計の針が、小刻みに振れないように注意する。
(4) 適当なところ(電圧V=5.0〜6.0V)で、電圧計の目盛りV[v]とミリアンペア計の目盛りI[mA]を読み、ストップウオッチで時間t[s]を測り始める。
(5) 放電電流はほぼ一定値となるが、徐々に小さくなるようなら、放電電流を一定値I[mA]に保つため、ミリアンペア計の目盛りを見ながら発電器のハンドル回転軸を指で押して負荷を与えることで電流を一定に保つことができる。(この操作は予備実験をして練習をしておくとよい)
(6) 放電終了は、発電器のハンドルが止まった瞬間で判断し、このときストップウオッチを止め放電時間t[s]を記録する。
(7) 得られた測定値を表にまとめ、電気容量C[F]を求める。(コンデンサーに蓄えられた電気量Q[C]は、Q[mC]=I[mA]×t[s]で求め、これにより、電気容量C[F]は   C[F]=Q[C]/V[v]で求まる。)
(8) 電気容量の異なるコンデンサーについても同様にして実験する。
4 実験結果の記録:
電気容量C=    [F]
V [V] I [mA] t [s] Q [mC] Q [C] C [F] 平均値
1回目
2回目
3回目
電気容量C=    [F]
V [V] I [mA] t [s] Q [mC] Q [C] C [F] 平均値
1回目
2回目
3回目

5 考察:
(1) コンデンサーに蓄えられた電気量が、Q[mC]=I[mA]×t[s]で求められるのはなぜか。
(2) 計算により求めた電気容量C[F]の値は、コンデンサーに表示された値と一致するか。一致しない場合、その誤差と、一致しなかった理由を述べよ。
(3) コンデンサーを充電する際、充電電圧(電圧計の読み)と手回し発電器の手ごたえや、回転速度について気付いたことを記せ。



6 発展:
(1) 手回し発電器を介して放電させたときに放電電流の値がほぼ一定になるのはなぜか。また、ハンドルの回転軸部分を指で押さえて回転速度を抑えると電流の値が増すのはなぜか。発電器の本体は模型用の小型モーターであることから考えてみよ。
(2) ハンドルが静止した瞬間、一時的に大きな電流が流れるがこれはなぜか。発電器の本体は模型用の小型モーターであることから考えてみよ。

7 感想:

8 実験結果例
電気容量C=1.0 [F]
V [V] I [mA] t [s] Q [mC] Q [C] C [F] 平均値
1回目 5.0 50 100 5000 5.0 1.0
2回目 5.0 57 90 5130 5.1 1.0 1.0
3回目 5.0 53 95 5035 5.0 1.0

注1) 1〜3回の測定で、それぞれ異なった手回し発電器を使ってみた。発電器の個体差のため放電電流の値が少しずつ異なっている。
注2) 回転軸に負荷を与えることはしなかったが、ほぼ一定の電流値であった。

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