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発光ダイオードで交流の観察

1 はじめに

 授業での交流の単元の導入は、オシロスコープに取り込んだ交流電圧を示し、電流の方向が変わるのを説明するのが一般的です。発光ダイオードを使うと、直流と交流の性質の違いを観察することができます。また、2色発光ダイオードを使うと、交流の電流方向が周期的にかわることを、より直接的に観察できます。

2 発光ダイオード

 普通の発光ダイオード(LED)は、整流作用があり、一方向の電流に対してのみ発光します。赤緑2色LEDでは、一方向の電流に対しては赤色、他方向の電流に対しては緑色を発光します。2つのLEDが、向きを逆にして一つのダイオードにまとめられた構造になっています。

3 回路図









4 観察の手順

(1) 直列2個の乾電池(3.0V)を使い、一般のLEDは順方向のみ発光することを確認します。2色LEDでは電流の向きによって発光する色が違うことを確認します。このとき、100〜300Ω程度の抵抗(LEDによって異なります)を直列に入れます。

(2) (1)のとき,点灯させたまま左右に振って,光の点滅がないことも確認させておきます。

(3) 低周波発振器に直接つなぎ、周波数を限度いっぱいまで下げて少しづつcurrentを大きくし、点滅がはっきり分かるまでにします。ただ、必要以上の電圧がかかるとよくないので注意します。その後、周波数を上げ、点滅の様子や時間を観察します。邪道ですが、方形波にすると、点滅がくっきり観察できます。オシロスコープをLEDの両端につけ、併せて観察するのもよいでしょう。

(4) 周波数が50Hz程度になると点滅が分からなくなりますが、点灯させたままLED(または2色LED)を左右に振ると(2)と違い、点滅が確認できます。

(5) 低周波発振器がない場合は、発振回路を自作するか家庭用コンセントからACを直接とる(安全性に気をつけ、直列に入れる抵抗も変えてください)など、工夫してください。


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