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偏光板で体験、光の不思議

1 はじめに

 光は、さまざまな方向に振動している横波である(これを自然光と呼ぶ)。この光が偏光板を通過すると、特定方向の振動のみの光となる(これを偏光と呼ぶ)。


2 偏光板を利用した反射光の除去

 自然光が水面などで反射をすると、特定の方向の偏光を多く含むようになる。街中のショーウィンドウを斜めから見ると、反射光で見えにくいときがある。これは、ショーウィンドウの中からの光と反射光の両方が混ざっているためである。そこで、偏光板を利用して邪魔な反射光を取り除くと見やすくなる。
 魚釣り用や自動車運転用の偏光サングラスはこの原理を利用している。


(偏光板を通さない写真)

(偏光板を通した写真)


3 偏光板の軸の回転

 偏光板は、目に見えない格子状の軸があり、さまざまな方向に振動している光のうち、偏光板の軸に平行な方向に振動する光は、通過できるが、垂直方向に振動する光は、通過できない。そこで、2枚の偏光板の軸を90°ずらして光を透過させると、光は通過できなくなる。


(2枚の軸が平行)

(2枚の軸が互いに垂直)


4 応用編

 カセットテープのケースを、2枚の偏光板ではさんだものである。カセットケースに入った偏光は、通り抜ける際に振動方向が回転する。その回転の角度が、波長(色)によって異なるため、2枚目の偏光板を通過できる振動方向を持つ波長に対応した色が見える。
 セロファンやビニルなどでも同様の現象が見られる。

(カセットケースをはさんだ場合)

(小さく切ったビニルをはさんだ場合)




 偏光板シートを丸めたものを、2段に重ねたものである。横から見ると境目に黒い壁が現れるが、上からパチンコ玉を落とすと、見事にすり抜ける。 これには少しだけ仕掛けがある。偏光板シートを丸める際、2枚のシートの軸を90°ずらして丸めればよい。これにより、自然光が全く透過することができない部分が生じ、黒い壁となって見えるのである。











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