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色の不思議、残像・補色

1 はじめに

 記念写真を撮影したとき、フラッシュのライトの光が、しばらく視界に残った経験は誰もがあるであろう。これを残像と呼ぶ。人間の視覚は、物を見た後に、見た像がしばらくの間残るのである。




2 光と色の関係

 人間の目の網膜には、赤・緑・青(これを光の3原色と呼ぶ)の光を感じる3種類の細胞がある。しかし、我々の視覚で感じている色はたった3色だけではない。これは、光の3原色を組み合わせることで、さまざまな色を表現することができるためである。
 カラーテレビも、赤・緑・青の3色の発光部分で様々な色を表現している。








3 残像と補色

 左の図のピンク地に緑色の円を10秒ほどじっと見つめよう。その後、右の白い枠に視線を移し、同様に見つめると、緑地にピンク色の円が見えてくる。





 これは、緑とピンクが補色(反対の色)の関係にあるために生じる現象である。青と黄、赤と水色も同様に補色の関係である。
 上記の実験は、ある色をしばらく見つめていると、見ていた色の補色が、残像として別の場所に見えることを利用したものである。シャボン玉などの薄膜の干渉で、青い色の光が強め合う条件を満たすと、青い色が見える。反対に、青い色の光が弱め合う条件を満たすと、青い色の補色である黄色が見える。





参考文献

 1年の科学 2001 11月号 学研







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