蛍光灯の光で静止して見える白黒コマ(その2)
1 はじめに
最近の蛍光灯は、インバーターによる周波数変換がされており、その場合は白黒コマを回しても、白黒の明暗模様は静止して見えることはない。そこで、家庭用交流電源( 東日本 50[Hz],西日本 60[Hz] )によって点滅する光源を作成し、白黒の明暗模様の静止を観察する。
2 単色のLED(発光ダイオード)を用いた点滅光源の作成
(1) 図1のように、基板を使って同じ色のLEDを並列につなげ、端に交流電源が接続できるようにターミナルを作っておく。( 市販のLEDには保護用の抵抗がついているので、それを必ずLEDに直列につけておくこと )
(2) 入力トランス( 図3 )を使って、コンセントからとった交流の電圧を 100V から 6V ぐらいまでに落とし、(1)のターミナルにつなぐ( 回路は図2 )。
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(図1) |
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(図2) |
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(図3) |
3 静止して見える条件
「蛍光灯の光で静止して見える白黒コマ(その1)」の「2 静止して見える条件」と同じ式になる。ただし、単色のLEDは順方向の電圧で発光し、逆方向の電圧では発光しないので、f は家庭用交流電源の周波数と同じになり、東日本では 50[Hz]、西日本では 60[Hz] である。
4 実験結果
コマを回し光源を近づけると、「3 静止して見える条件」に当てはまる回転数になるにつれて、白のところはLEDと同じ色で、黒のところは黒のままの明暗模様が見える( 図4,5 )。
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(図4) |
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(図5) |
5 赤緑2色LEDを用いた点滅光源の作成
「2 単色のLEDを用いた点滅光源」の単色のLEDを赤緑2色LEDに変えればよい。このLEDは、赤色が順方向のとき緑色は逆方向(赤色が逆方向のとき緑色は順方向)になる。作成する場合は、順方向の色を揃える。そのため、交流電源につなぐと、赤緑が交互( ただし肉眼では同時に光っているように見える )に光る。
6 実験結果
コマを回し光源を近づけると、「3 静止して見える条件」に当てはまる回転数になるにつれて、赤緑の縞模様が見える( 図6 )。赤緑が交互に発光するので、黒部分が無くなるのが面白い。
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(図6) |
参考文献
飯高成男、田口英雄:絵ときでわかるトランジスタ回路(オーム社、2000)
稲見辰夫:図解 電気回路のしくみ(日本実業出版社、1995)
今泉三郎:平成13年度東西三河理科(物・化)教育研究大会、蛍光灯の点滅を実感させるこま(2002)