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気柱共鳴において振動数差から音速を測定する方法
塩化ビニールパイプ内に音の定常波をつくり、これをマイクでとらえ、オシロスコープで観察する。発振器の振動数を変化させると、オシロスコープ画面上の波形は大きくなったり小さくなったりする。波形が極大となったときの振動数を記録する。隣りあう振動数の差をとって気柱の長さとの積を求め、これを2倍すると、この値は求める音速値に等しい。簡単な装置と方法でよい結果が得られ、空気以外の気体中での音速値の測定にも応用できる。
1 実験装置
長さ1.0m、内径2.0cmの水道用塩ビパイプを用意し、その一方は閉じておく。他端には、T型エルポ(配管用T型ジョイント)を取り付ける。パイプの端にはマグネチックイヤフォンを取り付け、これに低周波発振器を接続して正弦波を送る。低周波発振器の出力はイヤフォン程度なら十分に駆動できるので増幅器は必要ない。
イヤフォンから少し離れたパイプ内に、コンデンサーマイク(直径1cm、高さ0.5cmの円筒型)をとりつける。マイクは、オシロスコープに接続して出力波形が観察できるようにする。
2 実験方法
低周波発振器からイヤフォンに信号を送ると、オシロスコープ画面には正弦波信号が現れる。振動数を徐々に上げると、正弦波の振幅は大きくなったり小さくなったりする。振幅が極大になった点(共鳴点)の振動数を読み取って記録する。同様に順次共鳴点を求めて、そのときの振動数を記録する。
隣りあう共鳴点の振動数の差
fを求め、この値とパイプの長さとの積を求める。この積を2倍した値が音速値に等しい。
3 理論
ある共鳴点での振動数と波長をf1,λ1,とし、次の共鳴点でのそれらをf2,λ2とする。
これらの値と音速値Xとの間には、次式が成立している。
X = f1λ1 = f2λ2 (1)
はじめの共鳴点における定常波の腹の数n1と、次の共鳴点での腹の数n2には、
n1−n2=1の関係があるので、気柱の長さをLとすると次式が成立する。
2L/λ2 − 2L/λ1 = 1 (2)
(1)(2)より次式が成立する。
X = 2L(f2−f1)= 2Lf (3)
4 その他
(1)測定気体について
本実験では、少量の気体を用いて簡単に音速値が求められる。したがって、本方法は空気以外の気体にも応用が可能である。
種々の気体の中で、有害なもの、爆発の危険のあるもの、高価なものをのぞき、入手しやすいものを考えると、酸素、窒素、二酸化炭素がある。
(2)マイクの位置について
コンデンサーマイクは、圧力型マイクロフォンであるので、定常波の節のところで感度をもつ。本実験における音源(パイプ端)部分は、定常波の腹でも節でもないようである。これらのことを考慮して、マイクは音源から少し中へ入ったところにとりつけた。
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